今更、日常に戻れる気がしない

葉室ゆうか

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今更、普通の女の子って草生える⑤

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どうやったら、目の前の脅威を退ける事が出来る?


「つれない事抜かすなよ~、今度こそ本当に大事にすっから。もう嘘じゃねえから。なんなら突っ込んだ女も突っ込む予定だった女も、ムツキ、お前が望むなら皆殺しにして、証拠も燃やして、それから常夏の国で二人だけの島を買って、死んでも一緒に居よう。なあ、俺の手を取れよ」


切ない声を出すな、この人でなしが。
この世界で人並みの幸せを送りたいというこちらの主張は丸無視か。
クソが!相変わらずカッコいいっすな‼︎そしてオンナ心や心の闇を擽るくすぐる事にかけては天下一品に腹黒い。そしてさり気に【死んでも】ってなんだよ、そこは【死ぬまで】じゃないのかよ。んでる鉾先を思いっきり私に向けんじゃないわよ。

「やーめーてー?師匠ォ突っ込んだ女なら私も入るじゃん。大体『初物は食指が動かない』とか散々言い捨てといて、いきなり宿の一室でガッツんガッツん人の処女散らした人の言う事信じられると思って~?───────お前、いい加減にしろよなあ⁉︎私だって怒るんだよ!」


と、怒った私は勢いに任せて校庭の木に向かってつい、『芽衣子たん』を


「ぎいやああああああああああッ───────あ!」


あ、勢い余って【ゴキッ!】っていった。………まあいっかー。私、殺されるトコロだったんだし~。咄嗟に放った【重力軽減】も効いてる効いてる。





きっちり私のメンタルのいろんな場所にも。




嬉しそうにすんな、お前罵られてんのよ?ああッ?感情を爆発させる程、思ってくれて嬉しい、だと?この、あらゆる意味での人外がッ‼︎





その腕を、焦がれた。
その瞳を、追った。
その心を、欲した。




そして、その全てに絶望した。



忘れてない、忘れられない。忘れさせてくれない。
死ぬかと思ったのに、死ねばよかったのに。
煉獄の炎に灼かれて、その瞳に初めて見つけた私の姿を見つめたまま。
…そう未だ私は、囚われ続けている。この、界すら軽々と飛び越えて会いに来る、ただ一人の愛しい男に。



「そんな、私を、私は赦せないッ!」



私がしようとする事を素早く察した師匠ディグノは阻止しようと手を伸ばして来る。
大きく【魔法】を展開する。場を固定。強制送還の魔法円を幾重にも空間に連続で貼り付ければ、彼は血相変えてそれを破り続ける。




それを、待っていた。




予め用意していた罠は、私の、ある意味待ち焦がれた有り得ないと言い聞かせた『空振りで終わって構わない』





───────そんな、未練と期待と醜い『自己憐憫』




「さあ、不肖の弟子の成長を肌で感じておくれよ、愛しいお師匠様」



どデカイ花火を打ち上げようじゃないか!
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