残像

双葉紫明

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第5話

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 甘かった。
 その間の君が不在だった出来事のなかで、君の説明はいちばんダメなやつだった。
 ああ、かわいいな。
 僕を好きなんだ。
 それでも他人行儀で頑張った。
 ダメだった。
 会う約束。
 会っちゃった。
 あれだけの事を忘れた様に、僕だけと言う君。
 どんなに僕に都合悪くても、信じないわけにいかない。
 素晴らしい夜。
 短い逢瀬。
 ずっと手を繋いでた。
 また離れて、もう恋しい。
 君の画像が欲しいとおねだり。
 送られて来た画像、アイドルみたいにかわいい。
 スマホの壁紙に。
 スマホ開くたび、少しウキウキする。
 ああ、また恋しちゃった。
 女は良い撮り方を知ってるんだろうか?
 それは付き合い始めにもらって、やっぱり壁紙にしたのとそっくりな構図だった。
 僕はその画像と、辛い日々を、ただ君が来る事だけを待ち焦がれ3カ月過ごした。
 永遠みたいに長かった。
 そんな残像を振り払おうと、しかし、あの頃の話題。
「わたしは先の楽しみで頑張れるから、辛くないんだ」
 そう、きっと君は約束通り来るだろう。
 けれど今度は5年か10年か。
 依存症。
 僕に耐え切れる自信は、あんまりないんだ。
 こないだみたいな時間を時々過ごせずに。
 次の約束もした。
 だけどどうやら潮時だ。
 最後に会えて良かったよ。
 もう会わない。
 そんで、今まででいちばん、君が好きなんだ。
 残像と、たくさんの君の残像と生きていく。
 かわいい画像ありがとう。
 無理せず、幸せに、ね。
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