64 / 66
レオンの訪問(2)
しおりを挟む
俺は腕を組んだ後、「はぁー」と息を吐き出しながら下を向いた。
”あー、こんなにも都合よく話が転がっていくとは……顔がにやけそうで辛い……”
そんな様子にレオンは慌てた。
「兄上っ、私は決して脅しに来たのではないので誤解しないでください!」
俺の呟きを聞いて慌てて否定し始めるレオンに
俺は、再度ため息をつきつつ、わかってるよ、とだけ呟き顔をあげた。
「レオン、私に保護しなければいけない薬の製作者などいない。それに母上の扉の魔法紋は私も解除方法を知らない」
「そうなのですか」
「まぁ、父上にとって扉の紋はついでだろう。お前の後ろで縮こまってる奴が調べてる紋の方を調べたいんだろうな」
「兄上はなんでもお見通しですね、その情報網はどこからなのか教えていただきたいです」
「レオンは有能は側近がいるからいいだろ、私は私しか頼れるものがないから自分で情報を把握しておかねばいけないのだよ」
「皮肉ですか?有能な側近が父上と何かしている状況なのに」
「まぁ、まだ若い側近だからな、多めに見てやれ」
「ハハッ、兄上と同じ年なのに何をいいますか」
「まぁ、後ろの奴の話はそれくらいにして、父上だな。厄介なのは。父上を放置できないからな。はぁ。仕方ない。父上に伝言だ。父上は前王妃の扉を通ることができますよ、と伝えてくれ」
「えっ!?」
「通れないと思い込んでるだけで、父上は通れると思う。………母上は、自分が愛する者は通れるようにしている、と言っていたから。現に私は何もせず通れているからな」
「愛する者………当てはまりますかね、父上が」
「この国の者は、そこをまず疑うだろうが、私やアルストロメリア帝国の者は誰も疑わないだろうな」
「え…」
「まぁ、とりあえず、扉の紋やお前の側近が調べているという紋については、母上の部屋にいけば何かわかるんじゃないか?あ、父上に1人で行った方がいいとも伝えてくれ。衝撃だろうから」
「……部屋の中に衝撃的なことがあるのですか?」
「ああ。私にとっては救いだったがな。父上にとっては衝撃だろう」
「気になりますね。でもまぁ、兄上は教えてくれないでしょうし。わかりましたよ。伝えますね」
お時間とらせてありがとうございました、と言いながらレオンたちは部屋から出て行った。
"さて、面白い展開になってきたな"
”あー、こんなにも都合よく話が転がっていくとは……顔がにやけそうで辛い……”
そんな様子にレオンは慌てた。
「兄上っ、私は決して脅しに来たのではないので誤解しないでください!」
俺の呟きを聞いて慌てて否定し始めるレオンに
俺は、再度ため息をつきつつ、わかってるよ、とだけ呟き顔をあげた。
「レオン、私に保護しなければいけない薬の製作者などいない。それに母上の扉の魔法紋は私も解除方法を知らない」
「そうなのですか」
「まぁ、父上にとって扉の紋はついでだろう。お前の後ろで縮こまってる奴が調べてる紋の方を調べたいんだろうな」
「兄上はなんでもお見通しですね、その情報網はどこからなのか教えていただきたいです」
「レオンは有能は側近がいるからいいだろ、私は私しか頼れるものがないから自分で情報を把握しておかねばいけないのだよ」
「皮肉ですか?有能な側近が父上と何かしている状況なのに」
「まぁ、まだ若い側近だからな、多めに見てやれ」
「ハハッ、兄上と同じ年なのに何をいいますか」
「まぁ、後ろの奴の話はそれくらいにして、父上だな。厄介なのは。父上を放置できないからな。はぁ。仕方ない。父上に伝言だ。父上は前王妃の扉を通ることができますよ、と伝えてくれ」
「えっ!?」
「通れないと思い込んでるだけで、父上は通れると思う。………母上は、自分が愛する者は通れるようにしている、と言っていたから。現に私は何もせず通れているからな」
「愛する者………当てはまりますかね、父上が」
「この国の者は、そこをまず疑うだろうが、私やアルストロメリア帝国の者は誰も疑わないだろうな」
「え…」
「まぁ、とりあえず、扉の紋やお前の側近が調べているという紋については、母上の部屋にいけば何かわかるんじゃないか?あ、父上に1人で行った方がいいとも伝えてくれ。衝撃だろうから」
「……部屋の中に衝撃的なことがあるのですか?」
「ああ。私にとっては救いだったがな。父上にとっては衝撃だろう」
「気になりますね。でもまぁ、兄上は教えてくれないでしょうし。わかりましたよ。伝えますね」
お時間とらせてありがとうございました、と言いながらレオンたちは部屋から出て行った。
"さて、面白い展開になってきたな"
0
あなたにおすすめの小説
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
悪役令嬢が美形すぎるせいで話が進まない
陽炎氷柱
恋愛
「傾国の美女になってしまったんだが」
デブス系悪役令嬢に生まれた私は、とにかく美しい悪の華になろうとがんばった。賢くて美しい令嬢なら、だとえ断罪されてもまだ未来がある。
そう思って、前世の知識を活用してダイエットに励んだのだが。
いつの間にかパトロンが大量発生していた。
ところでヒロインさん、そんなにハンカチを強く嚙んだら歯並びが悪くなりますよ?
【完結】ヒロインに転生しましたが、モブのイケオジが好きなので、悪役令嬢の婚約破棄を回避させたつもりが、やっぱり婚約破棄されている。
樹結理(きゆり)
恋愛
「アイリーン、貴女との婚約は破棄させてもらう」
大勢が集まるパーティの場で、この国の第一王子セルディ殿下がそう宣言した。
はぁぁあ!? なんでどうしてそうなった!!
私の必死の努力を返してー!!
乙女ゲーム『ラベルシアの乙女』の世界に転生してしまった日本人のアラサー女子。
気付けば物語が始まる学園への入学式の日。
私ってヒロインなの!?攻略対象のイケメンたちに囲まれる日々。でも!私が好きなのは攻略対象たちじゃないのよー!!
私が好きなのは攻略対象でもなんでもない、物語にたった二回しか出てこないイケオジ!
所謂モブと言っても過言ではないほど、関わることが少ないイケオジ。
でもでも!せっかくこの世界に転生出来たのなら何度も見たイケメンたちよりも、レアなイケオジを!!
攻略対象たちや悪役令嬢と友好的な関係を築きつつ、悪役令嬢の婚約破棄を回避しつつ、イケオジを狙う十六歳、侯爵令嬢!
必死に悪役令嬢の婚約破棄イベントを回避してきたつもりが、なんでどうしてそうなった!!
やっぱり婚約破棄されてるじゃないのー!!
必死に努力したのは無駄足だったのか!?ヒロインは一体誰と結ばれるのか……。
※この物語は作者の世界観から成り立っております。正式な貴族社会をお望みの方はご遠慮ください。
※この作品は小説家になろう、カクヨムで完結済み。
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
断罪まであと5秒、今すぐ逆転始めます
山河 枝
ファンタジー
聖女が魔物と戦う乙女ゲーム。その聖女につかみかかったせいで処刑される令嬢アナベルに、転生してしまった。
でも私は知っている。実は、アナベルこそが本物の聖女。
それを証明すれば断罪回避できるはず。
幸い、処刑人が味方になりそうだし。モフモフ精霊たちも慕ってくれる。
チート魔法で魔物たちを一掃して、本物アピールしないと。
処刑5秒前だから、今すぐに!
悪役令嬢の慟哭
浜柔
ファンタジー
前世の記憶を取り戻した侯爵令嬢エカテリーナ・ハイデルフトは自分の住む世界が乙女ゲームそっくりの世界であり、自らはそのゲームで悪役の位置づけになっている事に気付くが、時既に遅く、死の運命には逆らえなかった。
だが、死して尚彷徨うエカテリーナの復讐はこれから始まる。
※ここまでのあらすじは序章の内容に当たります。
※乙女ゲームのバッドエンド後の話になりますので、ゲーム内容については殆ど作中に出てきません。
「悪役令嬢の追憶」及び「悪役令嬢の徘徊」を若干の手直しをして統合しています。
「追憶」「徘徊」「慟哭」はそれぞれ雰囲気が異なります。
転生しましたが悪役令嬢な気がするんですけど⁉︎
水月華
恋愛
ヘンリエッタ・スタンホープは8歳の時に前世の記憶を思い出す。最初は混乱したが、じきに貴族生活に順応し始める。・・・が、ある時気づく。
もしかして‘’私‘’って悪役令嬢ポジションでは?整った容姿。申し分ない身分。・・・だけなら疑わなかったが、ある時ふと言われたのである。「昔のヘンリエッタは我儘だったのにこんなに立派になって」と。
振り返れば記憶が戻る前は嫌いな食べ物が出ると癇癪を起こし、着たいドレスがないと癇癪を起こし…。私めっちゃ性格悪かった!!
え?記憶戻らなかったらそのままだった=悪役令嬢!?いやいや確かに前世では転生して悪役令嬢とか流行ってたけどまさか自分が!?
でもヘンリエッタ・スタンホープなんて知らないし、私どうすればいいのー!?
と、とにかく攻略対象者候補たちには必要以上に近づかない様にしよう!
前世の記憶のせいで恋愛なんて面倒くさいし、政略結婚じゃないなら出来れば避けたい!
だからこっちに熱い眼差しを送らないで!
答えられないんです!
これは悪役令嬢(?)の侯爵令嬢があるかもしれない破滅フラグを手探りで回避しようとするお話。
または前世の記憶から臆病になっている彼女が再び大切な人を見つけるお話。
小説家になろうでも投稿してます。
こちらは全話投稿してますので、先を読みたいと思ってくださればそちらからもよろしくお願いします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる