訳がわかりません

古部 鈴

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どなたですか?

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     ◆
「こんなところにいたのか」
 どこから現れたのか、青と緑のオッドアイ、茶色い髪の綺麗な男性が、イルグラド達を視界から遮るように立った。

 声をかけられなければ、ちょっとうっかり冷凍人間を作成しかけていたよ。むしろうっかりでこの人にかけてしまいそうになってドキドキしたよ。

 イルグラドもそりゃそのままかかりはしないと思うけれど、わからないしね。
 イルグラドは風魔法だっけ? 合流して、氷入り吹雪とかないよね? 被害甚大になりそう。
 婚約破棄を言い渡されて、やけになりましたみたいでどうかなぁだけれど。
 むしゃくしゃしてやりたくなりました。それでも巻き込み事故はだめですね。

 急に立ちはだかったからって知らない人にかけそうになったのは、ちょっとだいぶ怖かった。

 魔法危険、魔法怖い。人に魔法をかけようとしてはいけません。人の多い場所も危険です。

 でも、なんとなく使えそうね、魔法。やってみたら不発だったら笑えないけど。
 でも軽く冷たい魔力みたいなものを感じて手が冷えたし。冷凍にするつもりが冷やすだけくらいのレベルだったかもだけれど。試したいな。ちょっとだけやっぱり。

 危険だけど。魔法。設定オタクではない、ちゃらんぽらんだから世界観も魔法もふわっとしている。私が考えた世界であるなら。

 とかなんとか考えにふけっていると、

「僕の愛を試しているのだね。かくれんぼはもう終わりだよ」

 私の前にひざまずき、意味のわからないことを言いながら見上げてくる茶色い髪の美形。

 こんな人、うちのキャラにいたっけ?
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