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公爵令嬢の受難 後編

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所変わって豪奢な屋敷の一室。
身請けされたアリオーナが、縛られることもなく豪奢な椅子に腰掛けていた。
目の前には、フードの男が跪き、公爵令嬢の手にキスの挨拶をする。

「お嬢様、あのような場所からお救いできて本当に良かった…」

「…助け出してくれたこと、礼を言うわ。ところで、あなたは誰?」

「…私をお忘れですか?」

フードをあけると、そこには隻眼の若い男が居た。

「…ルキウス」

公爵令嬢の声が硬くなる。

「おや、一使用人を覚えて頂けているとは光栄で…」

皮肉な口調で男が礼を述べた。

「ところでお嬢様、わたくしはあなたにお願いがあるのです。そのためにこそあなたをお救いしたのですから」

「…申してみなさい」

すっかり公爵令嬢の威厳を取り戻した彼女は、早くも不遜な態度を取り始める。
かつての使用人を相手に、本来の性分に戻りつつあるのだろう。

「わたくしが隻眼になり、体のあちこちに不具が残ったのは…全てお嬢様の指図によるもの」

「…そうだったかしら?」

「忘れようはずもありません。ですから、謝って頂きたいのです、いますぐに、ここで土下座して」

「なっ…」

「土下座して詫びていただければ、許して差し上げましょう。身柄も自由にしてあげます」

「土下座など…できないわ!」

天より高いプライドの元公爵令嬢が、使用人風情に土下座などできようはずもなかった。
男は冷静に頷く。

「その返事は予想済みです。…さすがはお嬢様、では私の好きにやらせていただきます」

そう言って、男はアリオーナの鳩尾を殴りつけた。
突然振るわれた暴力に、なすすべもなく、アリオーナは苦悶の声を上げて床に転げ落ちた。

「女に生まれたことを後悔するぐらい、遊んであげますよ」

男が、アリオーナの顔に唾を吐きかけ、足でその美しい頰を踏みにじった。
殴られた衝撃で一言も発せないままのアリオーナの両手足を手際よく縛り上げ、四つん這いの体勢を取らせた。

「アリオーナ様は処女でいらっしゃるとか…私は処女を散らす趣味はありませんのでどうか安心してください」

「な…なにを…」

男はほっそりとした棒のようなものを取り出す。
小粒の美しい真珠が連なったそれを、アリオーナの口に無理やり含ませる。

「やめ…やめなさい!」

「アリオーナ様、あまり聞き分けが悪いと両手足を切って貧民街に捨てますよ?」

男の目が、それが少しもただの脅しでないことを示していた。
怖気付いたアリオーナは、黙って真珠の棒をしゃぶりはじめた。

「もう十分濡れましたね…では、これで遊びましょうか」

「…ぅ…な、なにを…!」

アリオーナの唾液でしっとりと湿った真珠の棒を、ゆっくりとアリオーナの可憐な菊花に押し当てていく。

「や…そんなところ…やめなさい!」

叱咤するが、男が聞き入れるはずもない。
真珠が一つずつ、ゆっくりと確実に、アリオーナのアナルに滑り込んでいく。

「ん…んぐぅ…んぉぉっ…」

公爵令嬢の威厳など一瞬で吹き飛び、獣のような苦悶の声を上げるアリオーナ。

「まだまだこんなものでは…」

男の手が容赦なく真珠を使って、アリオーナの奥深くへと責め立てる。

「んくっ…もう…やめて…」

涎を垂らしながらアリオーナが哀願すると、男が手を止めた。
ほっと安心したアリオーナが一息ついた瞬間、男が真珠棒を今度は引き出し始めた。

「あぐっ…あっ…あぁあッ…!」

引きずり出される真珠棒が直腸を淫らに刺戟し、アリオーナに耐え難いほどの快楽と苦痛をもたらす。

「あれ、出して欲しいんですか、入れて欲しいんですか?」

男が意地悪く質問するが、アリオーナに応える余裕はない。

「じゃあ、また入れてみましょうか」

再び真珠棒を沈めていくと、アリオーナの体が面白いように痙攣する。
出しては戻し、戻しては出し、を繰り返すたびに、アリオーナの嬌声が部屋中に響いた。
腸液まみれになった棒を引き出し、アリオーナの鼻に近づける。
悪臭を放つそれを口にねじ込まれ、アリオーナの顔が屈辱に歪むのを、男が楽しそうに見ている。

「公爵令嬢様の尻穴といえど、臭いものは臭いのですね」

「うっ…うぅぅっ…」

プライドがズタズタにされ、自らの尻穴の匂いを嗅がされるアリオーナに、先ほどまでの勝気な光はなかった。

それから数時間の間、真珠でアリオーナの肛門を散々弄んだ男は、ようやくズボンを脱ぎ、アリオーナに咥えさせることにした。

「ほら、あなたが蔑んだ使用人のチンポの味はどうですか?…噛んだら爪を全部剥がして焼きごてをあてますからそのつもりで」

「んぐおぅ…おほっ…むはっ…」

必死に男根を含むアリオーナの顔は嫌悪に歪むが、それでも男には逆らえない。

「下手くそですねぇ」

男が楽しそうに罵り、腰をわざと強く動かす。

「げほっ…くぷっ…あぐっ…げほげほぉっ…!」

男根の激しい動きにえづくアリオーナは、涙と涎で見る影もなかった。

「そろそろいいかな」

男根をアリオーナの口から引き抜き、再び犬のように四つん這いにさせた。
猛々しく屹立したそれを、アリオーナの尻穴にねじこんでいく。

「あ…あぐっ…いたい…いたいっ!」

真珠棒でほぐされたとはいえ、男の一物を受け入れるにはまだ足りなかったようだ。
苦悶の声とともに、アリオーナが白眼をむいて悶えた。

「どうです、卑しい使用人にケツを犯される気分は?ハハハ、まるで犬のようですね」

「んぉっ…んぉぉっ…!」

はじめて味わう苦痛に、アリオーナの口から涎が泡のようにこぼれ落ち、男根と直腸が擦れる音がぴちゃぴちゃと響いた。
時折、男が赤く膨らんだ陰核をつまむようにして刺激すると、尻穴がきゅっと締まり、愛液と腸液が混じり合って滴り落ちる。
恨み積もる公爵令嬢の尻穴をほしいままに犯している、という実感を男が存分に味わった瞬間、男根がひときわ膨らみその精を深々と放つ。
俺はその機を捉え、すかさず男の魂を刈り取ったのだった。

「公爵令嬢だけに…肛虐令嬢…ってか?」

神様が聞いてくる。

「いや、伯爵令嬢でも男爵令嬢でもよかったんだけど…統計上公爵令嬢が多かったもんで」

「なんでみんな公爵令嬢が好きなんだろうね」

「一番爵位が偉いからかな?」

「現代日本は貴族制が廃止されて長いのに、爵位に詳しい人多すぎるよね」

「クールジャパン!」

そういうわけで今回も無事転生を阻止した俺は、ゆっくりと一眠りすることにした。
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