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第46話
地球は回っている―――過去と接点が繋がる時――――
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萌衣はまっすぐ会社へ行く勇気もなく近くの公園のベンチに座り、
コンビニで買ってきたパンとコーヒー牛乳を手に朝食をとっていた。
そこへ偶然、スーツショップの店長である葵が通りかかり萌衣に声をかける。
「……萌衣ちゃん?」
「え?」
葵はもう一度、萌衣の顔を覗き込む。
「あ、やっぱり芽衣ちゃんだ」
「スーツショップの店長さん…」
「何? 朝食? 」
葵はさりげなく萌衣の隣に腰を下ろす。
「はい、朝、食べないで出てきたから…急にお腹空いちゃって」
「ホントは会社行きたくないんじゃないの?」
「え…」
「顔に書いてる」
「え、え、え、うそ…」
萌衣は慌てて顔を伏せるように両手で隠す。
「……なんて、嘘よ(笑)」
2人がいるベンチの前を行き交う人々は少なく年代もさまざまである。
「どうしたの? 春陽と何かあった?」
「え…春陽? って…」
「あれ、言ってなかったっけ…? 私、春陽の別れた元嫁です」
「え…」
「元、藤城葵。今は宮川葵かな」
うそ…あの葵ちゃん?
萌衣は過去へタイムリープした時に出会った学生時代の葵の姿を思い出す。
あの日……
同窓会で葵ちゃんが春陽社長に告白したあの日からやっぱり2人は
付き合って結婚したんだ、、、
「春陽と離婚して一人で頑張っていたんだけどね。
私、3年前に再婚したのよ」
「そうだったんですか…」
「あのスーツショップは別れる時に春陽が慰謝料として
店を持たせてくれたの」
「あの…何で別れたんですか…」
「結局…春陽の心の中には私はいなかったの。
雪子ちゃんより先に告白して一番好きな人と一緒になったのに、
心はすごく遠い所にあって…春陽はいつも仕事の
ことばかりでさ…すれ違いの日々だった。あ、でもね、息子が
できた時は喜んでくれたのよ 」
そうだったんだ……
「え、葵さん、息子たんですか」
「え、ええ…」
「萌衣ちゃんは覚えてないかもしれないけど、時々ね雪子ちゃん達家族と
私達家族で遊んでいたのよ。公園に行ったり、キャンプに出かけたりしてさ。
家族ぐるみの付き合いだったのよ」
あ、なんとなく思い出した。薄っすらと記憶が蘇ってくる……
でも肝心な所に霧のような靄がかかっていて思い出せない、、、
確かに私はその男の子の名前を呼んでいた、、、
でも、名前が思い出せない、、、
「あの…息子さん、今は…」
「3ヵ月前に事故で亡くなったの」
「え…」
「翔流はね、ずっと萌衣ちゃんのことが好きだったのよ」
「え…」
「萌衣ちゃんが翔流の最初で最後の恋の相手……初恋だったのよ」
あ、そうだ…翔流君だ…
思い出した、、、翔流君は私の初恋の男の子だった、、、、
「ねぇ、萌衣ちゃん…春陽のこと好きでしょ」
「え、え、え、な、、、なんでですか?」
「ん―――、、なんとなく…」
〈それくらい見てればわかるし…〉
「さすが遺伝子だね(笑)雪子、すごいわ、、、」
なんだか葵さんに見透かされているみたいで、私は恥ずかしさのあまり
赤面状態で俯いていた。
「雪子はさ、相当頑固なあまのじゃくだったけど、萌衣ちゃんは素直な気持ちを
春陽にぶつけてもいいのよ」
「え……」
萌衣の視線が葵に向く。
「実は私も春陽にいい子がいたら再婚して欲しいなあって
思っていたから」
「え? でも…私と社長は20歳以上も離れてるし…」
「歳なんて関係ないと思うけど… 」
「え…」
「実は私の旦那様、25歳なの」
「え…ほんとですか? 」
18歳年下の男の人?
「翔流に彼を紹介した時、彼は22歳だった。翔流が16歳の時
だったかしらね」
「それで…翔流君はなんて?」
「……」
【葵の回想】
『翔流…お母さんね、再婚しようと思うの。歳は22歳の人なんだけどね』
『母さんが幸せなら僕はそれでいいよ』
『翔流…ありがと』
『母さんはどんどん若返ってるね』
『え?』
『多分、それは宮川さんに恋しているからなんだね(笑)僕ももう一度
萌衣ちゃんに会ってみたいな、、、。萌衣ちゃんはどんな女の子に
なっているんだろうね……』
【回想が終わり、現在 萌衣と葵がいるベンチへ戻る】
ベンチには萌衣と葵が隣り合わせで座っている。
「……」
それぞれ心に思うことは違っていても、2人はその先にある未来を見つめていた。
過去は巻き戻すことなんてできないと気づき始めていたのだったーーー。
「私…そろそろ会社に戻ります」
萌衣はベンチを立つ。
「そう…」
葵も腰を上げる。
「萌衣ちゃん、春陽のこと宜しく頼むわね」
「社長にも選ぶ権利がありますから、それは何とも言えませんが…
でも…私は後悔したくありません…」
「萌衣ちゃん…頑張って」
「はい」
何かが吹っ切れたみたいに萌衣の足並みは軽やかに歩み進めていく。
フラれてもいい……。
私は母とは違う……
あまのじゃくは母の代で終わらせる――――ーーー。
終わらせるんだーーーーーーー。
コンビニで買ってきたパンとコーヒー牛乳を手に朝食をとっていた。
そこへ偶然、スーツショップの店長である葵が通りかかり萌衣に声をかける。
「……萌衣ちゃん?」
「え?」
葵はもう一度、萌衣の顔を覗き込む。
「あ、やっぱり芽衣ちゃんだ」
「スーツショップの店長さん…」
「何? 朝食? 」
葵はさりげなく萌衣の隣に腰を下ろす。
「はい、朝、食べないで出てきたから…急にお腹空いちゃって」
「ホントは会社行きたくないんじゃないの?」
「え…」
「顔に書いてる」
「え、え、え、うそ…」
萌衣は慌てて顔を伏せるように両手で隠す。
「……なんて、嘘よ(笑)」
2人がいるベンチの前を行き交う人々は少なく年代もさまざまである。
「どうしたの? 春陽と何かあった?」
「え…春陽? って…」
「あれ、言ってなかったっけ…? 私、春陽の別れた元嫁です」
「え…」
「元、藤城葵。今は宮川葵かな」
うそ…あの葵ちゃん?
萌衣は過去へタイムリープした時に出会った学生時代の葵の姿を思い出す。
あの日……
同窓会で葵ちゃんが春陽社長に告白したあの日からやっぱり2人は
付き合って結婚したんだ、、、
「春陽と離婚して一人で頑張っていたんだけどね。
私、3年前に再婚したのよ」
「そうだったんですか…」
「あのスーツショップは別れる時に春陽が慰謝料として
店を持たせてくれたの」
「あの…何で別れたんですか…」
「結局…春陽の心の中には私はいなかったの。
雪子ちゃんより先に告白して一番好きな人と一緒になったのに、
心はすごく遠い所にあって…春陽はいつも仕事の
ことばかりでさ…すれ違いの日々だった。あ、でもね、息子が
できた時は喜んでくれたのよ 」
そうだったんだ……
「え、葵さん、息子たんですか」
「え、ええ…」
「萌衣ちゃんは覚えてないかもしれないけど、時々ね雪子ちゃん達家族と
私達家族で遊んでいたのよ。公園に行ったり、キャンプに出かけたりしてさ。
家族ぐるみの付き合いだったのよ」
あ、なんとなく思い出した。薄っすらと記憶が蘇ってくる……
でも肝心な所に霧のような靄がかかっていて思い出せない、、、
確かに私はその男の子の名前を呼んでいた、、、
でも、名前が思い出せない、、、
「あの…息子さん、今は…」
「3ヵ月前に事故で亡くなったの」
「え…」
「翔流はね、ずっと萌衣ちゃんのことが好きだったのよ」
「え…」
「萌衣ちゃんが翔流の最初で最後の恋の相手……初恋だったのよ」
あ、そうだ…翔流君だ…
思い出した、、、翔流君は私の初恋の男の子だった、、、、
「ねぇ、萌衣ちゃん…春陽のこと好きでしょ」
「え、え、え、な、、、なんでですか?」
「ん―――、、なんとなく…」
〈それくらい見てればわかるし…〉
「さすが遺伝子だね(笑)雪子、すごいわ、、、」
なんだか葵さんに見透かされているみたいで、私は恥ずかしさのあまり
赤面状態で俯いていた。
「雪子はさ、相当頑固なあまのじゃくだったけど、萌衣ちゃんは素直な気持ちを
春陽にぶつけてもいいのよ」
「え……」
萌衣の視線が葵に向く。
「実は私も春陽にいい子がいたら再婚して欲しいなあって
思っていたから」
「え? でも…私と社長は20歳以上も離れてるし…」
「歳なんて関係ないと思うけど… 」
「え…」
「実は私の旦那様、25歳なの」
「え…ほんとですか? 」
18歳年下の男の人?
「翔流に彼を紹介した時、彼は22歳だった。翔流が16歳の時
だったかしらね」
「それで…翔流君はなんて?」
「……」
【葵の回想】
『翔流…お母さんね、再婚しようと思うの。歳は22歳の人なんだけどね』
『母さんが幸せなら僕はそれでいいよ』
『翔流…ありがと』
『母さんはどんどん若返ってるね』
『え?』
『多分、それは宮川さんに恋しているからなんだね(笑)僕ももう一度
萌衣ちゃんに会ってみたいな、、、。萌衣ちゃんはどんな女の子に
なっているんだろうね……』
【回想が終わり、現在 萌衣と葵がいるベンチへ戻る】
ベンチには萌衣と葵が隣り合わせで座っている。
「……」
それぞれ心に思うことは違っていても、2人はその先にある未来を見つめていた。
過去は巻き戻すことなんてできないと気づき始めていたのだったーーー。
「私…そろそろ会社に戻ります」
萌衣はベンチを立つ。
「そう…」
葵も腰を上げる。
「萌衣ちゃん、春陽のこと宜しく頼むわね」
「社長にも選ぶ権利がありますから、それは何とも言えませんが…
でも…私は後悔したくありません…」
「萌衣ちゃん…頑張って」
「はい」
何かが吹っ切れたみたいに萌衣の足並みは軽やかに歩み進めていく。
フラれてもいい……。
私は母とは違う……
あまのじゃくは母の代で終わらせる――――ーーー。
終わらせるんだーーーーーーー。
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