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第53話
2回目の給料日
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社長室はいつもより一層ピリピリムードが漂っていた。
今日の春陽社長は不機嫌?
真顔が恐いんですけど……
話しかけることもできない……
しかもキーボードを打つ指が半端なく早い……
春陽社長が見せた昨日の優しい笑みはどこにいったのかしら、、、
あれは幻? それとも私の妄想?
私はPC画面を開けたまま、その視線を春陽社長に向ける。
「あの…社長、、、何か手伝いましょうか?」
「……」
カチ、カチ、カチ、カチ……
沈黙の社長室にキーボードをタップする音が響いている。
「よしできた」
「社長?」
「おい、すぐに印刷するから封筒に入れて社員全員に配ってくれ」
「え…?」
「今日は給料日だ」
へ!? 給料日?
うそ…… マジですか……
印刷機からは休むことなく次々と明細書が出てきている。
その数10枚、20枚ではない、、
流れるように出てくる大量の紙に私の目はパチクリ、パチクリと瞬きを
数回繰り返し驚く。
「おい、ぼーっとするなよ」
「え、あ、はい」
「そこの段ボールに入った明細袋をこっちに持ってこい」
「あ、はい」
春陽社長は山のような明細書を両手に抱え隣の部屋へと入って行った。
私は段ボール箱を台車に乗せると、見失わないように春陽社長の後を
追いかけて行く。
私が入った部屋は事務室兼用の作業部屋だった。
作業台に明細書と封筒を置いた私と春陽社長は黙々と封筒に
明細書を入れていく。
あ、そうだった、、、この会社には事務員らしき事務員はいないんだった。
こんな地味な作業も春陽社長と歴代の秘書さんはコツコツと
してきたんだ、、、
「明細書の名前と封筒の名前を間違えるなよ」
「はい」
しかし、この量は…半日…いや1日かかるのでは、、、、
いったいこの会社には何人の従業員がいるんだろう……。
「あの…社長、この会社には従業員の方はどれくらいいるんですか?」
「ざっと500名くらいか…」
「ご…500名?」
「設計から営業、企画、販売まで色んな部署があるからな」
「……」
このビル、『大きいなあ』とは思っていたけど、まさか全部
【藤城コーポレーション】が所有している会社とは、、、ビックリだ、、、
「おい、昼までに作業を終わらせないと配り終わらねーぞ」
「はい…」
私はペースを上げる。機械のように淡々と手を動かす。
「俺も給料日のことなどすっかり忘れてて…ーー」
「え…」
「…昨日は楽しかった、、、」
春陽はボソっと呟く。
ドキッ、、、、、、
春陽社長……
「あの…社長…。私、今日、同窓会で、、、定時までに終わりますかね …」
「それは…お前次第だな」
「……ですね(笑)」
黙々と明細書を封筒に入れる2人の間を割って入るように、カサカサと
擦れた音が一定のリズムを刻んでいた。
時間が経つのも忘れ私は500人分の給料明細を封筒に入れることに集中させる。
その作業は昼過ぎまでかかった。
私は社員食堂でさっさと昼食を済ませる。
1時間ある昼休憩をフルに使ってのんびり昼食を食べている余裕もなかった。
社長室に戻ると、すでにい春陽社長は作業室で部署ごとに明細書を
分けていた。
「社長…早いですね」
春陽社長は私が迷わないように部署ごとに名前と顔写真のリストを作って
それぞれの部署に明細書と一緒に仕分けしてくれていた。
「こんだけの社員の名前と顔をいちいち覚えているほど俺も暇じゃないんでね。
俺が覚えられねーのに2カ月たらずのお前が覚えられるわけねーだろ」
相変わらず口はキツイが優しさを感じる……。
「ありがとうございます」
「2人で配れば定時刻までには終わるだろ(笑)」
ドキ……
春陽社長……
私と春陽社長は手分けして全社員に明細書を配っていく。
1階から12階までが私で13階から25階まで春陽社長が
配ってくれる。
会社の広さに驚き、距離がある部署には足早に歩く。
初めて行く部署、初めて会う人、この会社にはたくさんの色んな人がいる。
愛想がいい人、不愛想で顔が恐そうな人、美人で可愛い人、若い男女も
歳をとったキャリアがある男女も老若男女問わず生き生きと仕事をしていた。
春陽社長が顔と名前をリストアップしてくれていたから、
迷うことなく私はスムーズに給料明細を配ることができた。
社長室に戻った時には足はパンパンに張り、体はクタクタに限界寸前だったけど、
やり遂げた爽快感はあった。
春陽社長は一足先に戻り、涼しい顔でデスクに腰を掛けくつろいでいた。
「社長、お疲れさまでした。明細書、配り終えました」
「そうか…お疲れ」
そして、時計の針がちょうど6時の音楽が鳴った時だったーーー。
「これはお前の給料明細だ」
え……
私は給料明細を差し出す春陽社長の手からそれを受け取った。
「ありがとうございます」
「同窓会、楽しんでこいよ」
「はい。お疲れさまでした」
「お疲れ」
初任給は見習い期間ということもあり手取り11万5千円だったーーー。
それでもバイトしている時よりは多かった、、、、
荷物をまとめ社長室を出た私は同じ速度で進んで行く。
廊下を移動し、エレベーターの前まで来ると、ちょうど扉が開いた。
そして、ガラリと空いたエレベーターに乗り込んだ私は側壁にもたれかかり
明細書の金額を確認する。
その金額にキョトンと目をパチクリ、パチクリ瞬きを繰り返す。
うそ…こんなにもらえるの……?
手取り 25万円……先月分の倍以上だった、、、、
うれしい……
私、春陽社長の役に立っているのかな、、、、、
なんだか、春陽社長に認められたような気がしたーーー。
少し、自信がでてきたーーーーありがとう、、、春陽社長……
今日の春陽社長は不機嫌?
真顔が恐いんですけど……
話しかけることもできない……
しかもキーボードを打つ指が半端なく早い……
春陽社長が見せた昨日の優しい笑みはどこにいったのかしら、、、
あれは幻? それとも私の妄想?
私はPC画面を開けたまま、その視線を春陽社長に向ける。
「あの…社長、、、何か手伝いましょうか?」
「……」
カチ、カチ、カチ、カチ……
沈黙の社長室にキーボードをタップする音が響いている。
「よしできた」
「社長?」
「おい、すぐに印刷するから封筒に入れて社員全員に配ってくれ」
「え…?」
「今日は給料日だ」
へ!? 給料日?
うそ…… マジですか……
印刷機からは休むことなく次々と明細書が出てきている。
その数10枚、20枚ではない、、
流れるように出てくる大量の紙に私の目はパチクリ、パチクリと瞬きを
数回繰り返し驚く。
「おい、ぼーっとするなよ」
「え、あ、はい」
「そこの段ボールに入った明細袋をこっちに持ってこい」
「あ、はい」
春陽社長は山のような明細書を両手に抱え隣の部屋へと入って行った。
私は段ボール箱を台車に乗せると、見失わないように春陽社長の後を
追いかけて行く。
私が入った部屋は事務室兼用の作業部屋だった。
作業台に明細書と封筒を置いた私と春陽社長は黙々と封筒に
明細書を入れていく。
あ、そうだった、、、この会社には事務員らしき事務員はいないんだった。
こんな地味な作業も春陽社長と歴代の秘書さんはコツコツと
してきたんだ、、、
「明細書の名前と封筒の名前を間違えるなよ」
「はい」
しかし、この量は…半日…いや1日かかるのでは、、、、
いったいこの会社には何人の従業員がいるんだろう……。
「あの…社長、この会社には従業員の方はどれくらいいるんですか?」
「ざっと500名くらいか…」
「ご…500名?」
「設計から営業、企画、販売まで色んな部署があるからな」
「……」
このビル、『大きいなあ』とは思っていたけど、まさか全部
【藤城コーポレーション】が所有している会社とは、、、ビックリだ、、、
「おい、昼までに作業を終わらせないと配り終わらねーぞ」
「はい…」
私はペースを上げる。機械のように淡々と手を動かす。
「俺も給料日のことなどすっかり忘れてて…ーー」
「え…」
「…昨日は楽しかった、、、」
春陽はボソっと呟く。
ドキッ、、、、、、
春陽社長……
「あの…社長…。私、今日、同窓会で、、、定時までに終わりますかね …」
「それは…お前次第だな」
「……ですね(笑)」
黙々と明細書を封筒に入れる2人の間を割って入るように、カサカサと
擦れた音が一定のリズムを刻んでいた。
時間が経つのも忘れ私は500人分の給料明細を封筒に入れることに集中させる。
その作業は昼過ぎまでかかった。
私は社員食堂でさっさと昼食を済ませる。
1時間ある昼休憩をフルに使ってのんびり昼食を食べている余裕もなかった。
社長室に戻ると、すでにい春陽社長は作業室で部署ごとに明細書を
分けていた。
「社長…早いですね」
春陽社長は私が迷わないように部署ごとに名前と顔写真のリストを作って
それぞれの部署に明細書と一緒に仕分けしてくれていた。
「こんだけの社員の名前と顔をいちいち覚えているほど俺も暇じゃないんでね。
俺が覚えられねーのに2カ月たらずのお前が覚えられるわけねーだろ」
相変わらず口はキツイが優しさを感じる……。
「ありがとうございます」
「2人で配れば定時刻までには終わるだろ(笑)」
ドキ……
春陽社長……
私と春陽社長は手分けして全社員に明細書を配っていく。
1階から12階までが私で13階から25階まで春陽社長が
配ってくれる。
会社の広さに驚き、距離がある部署には足早に歩く。
初めて行く部署、初めて会う人、この会社にはたくさんの色んな人がいる。
愛想がいい人、不愛想で顔が恐そうな人、美人で可愛い人、若い男女も
歳をとったキャリアがある男女も老若男女問わず生き生きと仕事をしていた。
春陽社長が顔と名前をリストアップしてくれていたから、
迷うことなく私はスムーズに給料明細を配ることができた。
社長室に戻った時には足はパンパンに張り、体はクタクタに限界寸前だったけど、
やり遂げた爽快感はあった。
春陽社長は一足先に戻り、涼しい顔でデスクに腰を掛けくつろいでいた。
「社長、お疲れさまでした。明細書、配り終えました」
「そうか…お疲れ」
そして、時計の針がちょうど6時の音楽が鳴った時だったーーー。
「これはお前の給料明細だ」
え……
私は給料明細を差し出す春陽社長の手からそれを受け取った。
「ありがとうございます」
「同窓会、楽しんでこいよ」
「はい。お疲れさまでした」
「お疲れ」
初任給は見習い期間ということもあり手取り11万5千円だったーーー。
それでもバイトしている時よりは多かった、、、、
荷物をまとめ社長室を出た私は同じ速度で進んで行く。
廊下を移動し、エレベーターの前まで来ると、ちょうど扉が開いた。
そして、ガラリと空いたエレベーターに乗り込んだ私は側壁にもたれかかり
明細書の金額を確認する。
その金額にキョトンと目をパチクリ、パチクリ瞬きを繰り返す。
うそ…こんなにもらえるの……?
手取り 25万円……先月分の倍以上だった、、、、
うれしい……
私、春陽社長の役に立っているのかな、、、、、
なんだか、春陽社長に認められたような気がしたーーー。
少し、自信がでてきたーーーーありがとう、、、春陽社長……
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