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第十九話 「王子と令嬢、純白の約束」
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時は流れ、あれから――二年。
王都の空はよく晴れ、王城の中庭には純白の花が咲き誇っていた。
今日は、クラウス・フォン・シュトラール王太子と、レティシア・ヴェルディ令嬢の結婚式。
国民に祝福され、静かに、厳かに、それでいて温かく――ふたりは人生を重ねようとしていた。
⸻
「……あの人、本当に“てぇてぇ”を体現してる……」
参列者のひとりとして、ミレイアは小声で呟いた。
横でラウルが頷く。
「……レティシア様のドレス姿、女神みたいですね」
「いや、むしろ“姫”だよね。てか姫属性SSRって感じ。完凸しちゃってるもん」
いつも通りギャル口調のミレイアだったが、目はどこか潤んでいた。
⸻
誓いの言葉が始まる。
「――レティシア・ヴェルディよ。我が妻となり、共に歩んでくれるか」
「はい。あなたの隣にいる限り、わたくしは誇りを持って生きてゆけます」
その言葉に、クラウスの表情がふわりと緩んだ。
「……あの頃の私は、“正しさ”で自分を縛っていた。君が“ミレリーナ”に惹かれてくれなければ、私は本当の自分を見つけられなかった」
「そしてわたくしも、“誰かを支えたい”と思えたのは、あなたが初めてでしたわ」
ふたりの指先が、互いの指輪をそっと受け取る。
その仕草は、まるで絹糸のように丁寧で――柔らかだった。
⸻
祝福の鐘が鳴る。
空から舞い降りる花びら。
拍手と歓声の中、ふたりは並んで歩き出した。
「クラウス殿下、レティシア様、万歳!」「万歳!」「てぇてぇ~~~!」
群衆の中から、なぜかギャル語で叫ぶ声が飛び交っていたが、
ふたりはただ、手を取り合って笑った。
その姿は、王都の記録に“史上最も穏やかで愛に満ちた婚礼”として残ることになる。
⸻
「……いい式だったね、ラウルくん」
「はい。……いつか、僕たちも」
ミレイアは一瞬、目を伏せ――そしていたずらっぽく笑った。
「じゃあ、次はアタシたち? ギャル婚ってことで、バチバチに盛れそうじゃない?」
「……心臓がもたないです」
⸻
そして、次回はミレイアとラウルの結婚式?
王都の空はよく晴れ、王城の中庭には純白の花が咲き誇っていた。
今日は、クラウス・フォン・シュトラール王太子と、レティシア・ヴェルディ令嬢の結婚式。
国民に祝福され、静かに、厳かに、それでいて温かく――ふたりは人生を重ねようとしていた。
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「……あの人、本当に“てぇてぇ”を体現してる……」
参列者のひとりとして、ミレイアは小声で呟いた。
横でラウルが頷く。
「……レティシア様のドレス姿、女神みたいですね」
「いや、むしろ“姫”だよね。てか姫属性SSRって感じ。完凸しちゃってるもん」
いつも通りギャル口調のミレイアだったが、目はどこか潤んでいた。
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「はい。あなたの隣にいる限り、わたくしは誇りを持って生きてゆけます」
その言葉に、クラウスの表情がふわりと緩んだ。
「……あの頃の私は、“正しさ”で自分を縛っていた。君が“ミレリーナ”に惹かれてくれなければ、私は本当の自分を見つけられなかった」
「そしてわたくしも、“誰かを支えたい”と思えたのは、あなたが初めてでしたわ」
ふたりの指先が、互いの指輪をそっと受け取る。
その仕草は、まるで絹糸のように丁寧で――柔らかだった。
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祝福の鐘が鳴る。
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拍手と歓声の中、ふたりは並んで歩き出した。
「クラウス殿下、レティシア様、万歳!」「万歳!」「てぇてぇ~~~!」
群衆の中から、なぜかギャル語で叫ぶ声が飛び交っていたが、
ふたりはただ、手を取り合って笑った。
その姿は、王都の記録に“史上最も穏やかで愛に満ちた婚礼”として残ることになる。
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「……いい式だったね、ラウルくん」
「はい。……いつか、僕たちも」
ミレイアは一瞬、目を伏せ――そしていたずらっぽく笑った。
「じゃあ、次はアタシたち? ギャル婚ってことで、バチバチに盛れそうじゃない?」
「……心臓がもたないです」
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そして、次回はミレイアとラウルの結婚式?
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