クロノザクロン

ジャック・アーズ

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 2章 誕生の海賊

   13話「箱入りの少女」

   ロームアリュの時間から40年前のこと(テイルタイムからして50年前)
ある海上の王国での出来事だった








 「ラグナお嬢様!?お待ちを!?」
 「嫌なこったああ!!私は家出するんだああ!!」
私の名はラグナ、この海上都市の国の王の娘であり
次の国の女王になるって周りから言われてる…

はぁ…私はなぁ……そんな縛られた生活とか






だぁぁぁぁぁぁぁぁいぃぃぃ嫌いなんだあああ!!
何を勝手に女王だぁ!?
本人の意思を関係なく、んなことをやってられるか!






このドレスとかも長くて動きづらいし!





食べ物は高級ばかりで少ないし!ついでに言えば腹は膨れないし!





部屋は無駄に広いし!






 「こんなところでやってられるかああああ!!!」
私はベランダから降りようとするけど…
 「あなたは次期、この王国の女王になられるお方!父上様と母上様がどれだけあなたを大切に育てたのかわかっていますか!?」
 「大切に育ててるなら自由にさせろよぉぉ!」
 「お嬢様が大人しくさえしてくれれば自由になっていますよ…!?……たぶん……」
こいつは親父が私の身の世話をする為に派遣させたメイドのアステラル、
凄く真面目過ぎる女…はぁ……そんなに私の事が大事なことかのかぁ~…?
 「と も か く!一度、父上様と話し合ってください!」
降りていた私をアステラルは軽々と持ち上げてしまう
 「ちょ!?は、離せよ!?」
 「駄目です!」





嫌だああああああああ!!!!!












 そのまま、私は親父の部屋へと持っていかれた……




 
 「失礼します!レナウト様!」
 「アステラル…ノックをしてから入るのだ……」
 「…はっ……急ぎの用事だったので…申し訳ありません…」
 「まぁ見るからに何の用事かはわかるが……」
この少し髭の生えたおっさんが私の親父のレナウト…現、海上の王だ
何か歴戦の猛者で超凄い魔剣士だったってさ
 「く、くそぉぉ……」
 「ラグナ…お前には祖先からずっと守られてきた海を守ってほしいのだ…」
 「なんでだよ!そんな決められた未来なんて私は嫌だね!」
 「ラグナお嬢様!」
 「待て、アステラル……ラグナ、確かにお前には外に自由に遊びに行けないし不安もあるだろう…だが、これはお前の為を思ってなのだ…外には我々の命を狙う海賊が居る……特に今は…お前が次の王になるのだ…狙う海賊共は多いだろう…」





 この海上の王国の周りの島や海などには…海賊が住んでいるんだ
そいつらは国を荒らしたり
名前の通りに宝物とか財宝を狙って盗む連中さ
 











けど…私は……













海賊の奴らと会ってみたいんだ!
だってさ!自由なんだろ?宝物を盗もうが何をしようが
海賊になったら、この国からも出れて
窓から眺めるだけじゃない地を初めて踏んで
海賊になって、船を作って海を渡ってみたいなー!

それからそれから!





 「ラグナお嬢様!聞いていますか!?」
 「うわっと!?」
 「…まぁいい、アステラル……ラグナを部屋に連れてくれ…」
 「か、かしこまりました…」
 「お、おい!?何時まで持って…うわあああ!?」




ドンッ!



親父の部屋の扉は大きな音と共に閉まる…










 「…はぁ……どうしたらいいのだ、あの子を…………フィグニ……俺は彼女を、せめて外に出れるように自由にさせてあげたい…だが、俺は何かあるんじゃないかと不安だ…まだラグナには剣の扱いも魔法も魔力も…………まだ子供のラグナに、今の外は危険だ……フィグニ…俺は今の国をどうすればいい…君が生んでくれた命を……俺は………」












アステラルに連れられ、部屋に戻された私は
何時ものように窓から海を眺めてた
……はぁ…



 「……あ、あの…ラグナお嬢様?」
 「アステラルもさー…なんで、そんなに親父の言うことを聞けるんだよ?」
 「それは仕事ですから…」
 「仕事だからメイドしてるのか?」
 「メイドなのは私の家が冬桜家の者で…」


冬桜家…代々からずっと各地の国に仕える執事やメイドになる剣士のこと…
貴族というよりは平民よりの奴ら…
ちなみに、名字が漢字なのは…
初代の執事とメイドが全くの違う種族同士で
結婚したからだそうだぜ

執事は漢字でメイドはカナ…ってことか…

 「どうなのさ?本音は?メイドやってて楽しいことあるのか?」
 「私はラグナお嬢様が4歳の頃から世話係をしておりますが…私もまだ子供で楽しいかと言われたら…正直言えば、まだ慣れてないですね…」


アステラルは私が4歳の時にやってきた



当時の私は4歳…アステラルは6歳……
今は私は9歳でアステラルは11歳……




冬桜家は子供の頃からもう執事とメイドとしての生き方と剣士の道を
学ばされているらしいぜ…

地獄のような試練を乗り越えて晴れて自由と思えば
自由ではなく縛られた運命…





本当に誰だよ…そんな運命を作った奴らはさ…運命は自分らの勝手だろ?


人に縛られる人生より、自分らで決めた運命こそが人生だぜ…






 「アステラルは私のことは嫌いか?めんどくさい女とか思ってない?」
 「い、いえ!けしてそのような事など…ですが、ラグナお嬢様は…自分の立場をご理解して欲しいです…それと……先程のご無礼をお許しください…」
 「あぁぁぁー!なんだよ!私はそんな堅苦しいのは嫌なんだ!」
 「も、申し訳ありません…」
 「だから!それをやめろって!」
 「…では、どうやって喋ればいいのですか!?」
 「そりゃ~…敬語とかやめてタメ口とかでもいいからさ、歳なんて2つしか違うのにおかしいだろ?なんでアステラルが私を下目で気遣わなきゃいけんのやら…」
 「そ、それは……あなたが国の女王になるお方で…私は…」
 「まぁ、そっちの事情があるなら今のままでもいいけどよぉ…私、友達とか居ないからさ……外に出たこと…ないし……話をするのって何時もアステラルだったからさ……親父ともあんまり話すことないし……」
 「……………………」
 「立場か~…生まれた時からいきなり女王ってさ………私にはわかろうと思っても……無理だぜ……」


 「……………………あ、あの…!」
少しの沈黙の中に、アステラルは少し力強く話をする
 「…も、もし不快でないなら……私とラグナお嬢様が二人きりの部屋の場での時にでしたら…敬語を使わなくても……よ、よろしいでしょうか……!」
 「…へ?」
アステラルから、まさかの予想外の言葉を発したことに驚いてしまった
…けど私は……
 「そんなの不快じゃなく、むしろすごぉぉぉく!嬉しいぜぇ!アステラル!」
 「そ、そうですか?」
 「あぁ!」
 「……え、えっと……ラグナ…?」
アステラルは少し顔を赤く染めて私の名前を呼んでくれた
 「うんうん!アステラルもこれで成長したなー」
 「ち、ちょっと!?酷くはありませんか!?」
 「でもまだお互い子供だし成長期でもあるよなー」
 「も、もおぉー!!」
 「まぁまぁ!これでアステラルも私と友達だな!」
アステラルの手を握って話してみる
 「え、あ…ちょっと…!?」
 「これから、よろしくな!アステラル!」
 「……は、はい…」 

この時が、アステラルと私が初めて何かが繋がった瞬間だった
そう、これからの私達の物語にも……な
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