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2章 誕生の海賊
14話「時海」
その後、ラグナと友達になって2ヶ月が過ぎました
今では……
「アステラル~また外の世界の話をしてくれよ~」
「はいはい、じゃあ今日は初めてこの国の海を見たときの話をしましょう」
もうラグナお嬢様と、部屋で二人きりの時はこうしてお話を一緒にしたり
お庭で遊んだりするほどの仲になりました。
なぜでしょうか?こうして二人で居て、話していると落ち着きます…
私が経験したことのない感情です。
まだ子供の私ですが、メイドの修行中では
こんな感情を抱くことはありませんでした……けど
初めてのメイドの仕事…ラグナお嬢様と出会って…あの日の時から
変な感情を抱くようになってしまいました…
…外の世界の話をしていると
ラグナお嬢様が、どんなに外に出たいのかが…
少し…わかったような気がします…
「アステラル?アステラルー?」
「あ、すみません…少し考え事をしていたのです」
「何か悩み事か?私で良ければ相談に乗るぜ!」
「だ、大丈夫ですよ!ラグナに言ったらラグナが困っちゃいますよ…」
「大丈夫さ!それに、私達は友達だろ!?」
「……そ、その…ラグナはやっぱり外に出たいですよね……?自由になりたいのですのよね…?」
「そりゃ出たいぜ!…けど、今はアステラルも居るし、このままアステラルが居てくれるなら…このまま此処に居ても良いかもな…あぁぁーでも!やっぱり海賊になりたい!!」
「か、海賊!?」
海賊ってあの海賊ですか!?
あの泥棒の集団みたいな奴ら…それなのに
王国などの上級騎士並みの力を持っているとか……
「そう!だってほら、自由に船で冒険出来るし良いだろ!」
「それはそうですけど…う、海なんて私でも危険なのに、それに海賊は悪者の集団みたいなものですよ!?」
「海賊でも、生き方が違えば何だってなれるさ!」
「言ってる意味がわかりませんよ!?」
「あれだよあれ、悪い海賊にもなれるなら良い海賊もなれるだろ!」
「え、えええぇぇ!?」
ラグナが外に出てやってみたいことって海賊だったのですかああ!?
「でも、なんでいきなりそんな事を聞くんだ?」
「へ?それは…………その……」
「もしかして、アステラルも海賊になりたいのか!?」
「ち、違いますよ!?…ただ、ラグナと何時も、外の世界の話をしていると…嬉しそうだったから…ラグナがどんなに外に出てみたいのかを想像しちゃって…」
「やっぱり、私は自由にはなれないんだよなー…親父も自由にさせてあげたいんなら、どうして海賊を討伐しに行かないんだよ?まぁ俺は行かないで欲しいけど…」
「実は……此処だけの話なのですが……」
「ん?」
私は少し間を置き、落ち着いて話を始める……
「…最近、外に居る警備兵さんの話を聞いたのですか……ラグナを狙っている暗殺者が居るとか噂されているのです…」
「んー?でも、それは噂なんだろ?」
「噂なのは噂ですが…国の人々の情報からも「見慣れない、ローブを着た人を見た」などという目撃情報もあるのです…それが確かなのかはわかりませんが…警備兵さん達は「貴族アサシンなら大変なことになるぞ…」と焦っていた顔で他の騎士達と話しておりました…」
「その前に質問いいか?」
「なんでしょう?」
「そのローブを着た奴がなんでその……貴族アサシンって奴なんだ?てか、その貴族アサシンってなんだよ?」
「貴族アサシンについてはわからない事が多いですが……貴族ばかりを狙う殺し屋です…外観の特徴に、ローブを着て…顔を隠している事が多いのです。魔術師の人達もローブを着ていますが…国の人々が何時も私達の国の魔術師さんを見ていますから…」
「あーだから見慣れないと、そうや前の話に魔術師も何かの時の為に外を見て回ってるって言ってたもんな」
「恐らく、国側はその貴族アサシンの存在を恐れて無闇に動けないのと思われます」
「なるほどなー…」
「そして、他の特徴としては……両腕に特殊な小手をしているのだとか…行動などには…何も足場のない壁を登ってしまうと……」
「そりゃ凄いな!」
「感心してる場合ですか!?ラグナの命を狙っているのかもしれないのに!?」
「まだあくまで噂、それにそん時はそん時だ!悪い方向ばっか考えてると後が思いやられるぞー」
「は、はぁ…ラグナはもう少し心配することを……」
「そういえば、どうして私は狙われるんだ?」
「やはり…ラグナを次の女王にさせたくない人達が居るのでしょう」
「へー…そんなことより早く外の話をしてくれよ~」
自分から質問しておいて!?
「あーー!!!もう!わかりました!話をしますからぁぁー!」
私とラグナお嬢様はその日は夜までずっと話をしていました
「…あ、もう夜でしたね、そろそろお食事とお風呂の支度をしますね」
窓を見ながら空を確認する…
……本当に貴族アサシンが来ないかと……不安です…
でも、万が一の時は私だって…修行で剣術は教わっています……
ラグナお嬢様はまだ何も教わっておりません…
もし来たら…私がラグナを守らないと……
「アステラル?顔が暗いぞー?」
「ご、ごめん…やっぱり貴族アサシンのことが不安で……」
「全く、心配し過ぎだって!そりゃー何が起きるか人生はわかんねぇけど、それはまだうわ……」
突然、部屋の扉から走る足音が聴こえてくる
バアーンッ!
そして部屋の扉は荒々しい開け方をする
「…はぁ……はぁ…………た、大変です!ラグナお嬢様!」
目の前に居たのは警備兵さんの人が息を切れながら部屋へと入る……
どうしてこんな急に?しかも警備兵さんが?
…まさか!?
「き、貴族アサシンです!!…貴族アサシンが宮殿内に!」
「ま、マジかよ!?」
そ、そんな…本当に?………
ラグナお嬢様も流石に驚いてる……
「宮殿外の兵士が突破されております!レナウト様は警備を強化し、侵入した貴族アサシンを散策、数は一人、ラグナお嬢様は部屋に居てください!アステラル様はラグナお嬢様の護衛を!」
「わ、わかりました…!」
「お二人は部屋に絶対に居てください!」
そう言って警備兵さんは部屋から出て、扉を閉めて警備へと回る
「ら、ラグナ……」
あれ?ラグナの顔………
「けっ、来るなら来やがれよ貴族アサシン!私はぜぇぇぇたぁぁぁいにぃ死なねぇからなああああ!!こんなところで勝手に死んで人生を終わらせられるかよぉぉぉ!!」
「し、静かにしてラグナ!?」
「あー…悪い悪い…つい、かあーっとなってな!とりあえず部屋の鍵を閉めようぜ」
ラグナは扉の側に行って鍵を閉める…
「まだやっておいて良い事もあるはずだ、アステラルは部屋にある物で扉を塞げそうなのを何でもいいから運んでくれ!私は運んだ奴を扉に固めて塞いでおくから!」
「わ、わかった…!」
私は部屋の物を持ってきてラグナの所に運ぶ…
「……よし!とりあえず、少しの守りは完了だな!」
「…………」
ラグナ…私より凄く冷静で行動力がある………凄い…
私がラグナお嬢様のメイドでお守りしなくてはいけないのに…
「外も中もうるさいなー…」
そういえば、さっきから警備兵さん達が宮殿内を出入りしたり走ったりしてる…
さっきまでは静かでしたのに………
貴族アサシンは居るのでしょうか…
……ラグナお嬢様…あなたは女王になられるのを嫌がっていますが…
冷静な判断力と行動力…きっとあなたには皆を従えれる力があると私は思います…
けど、自由な人生を歩みたい…
女王のようで冒険者のような人…
……お兄様、私も自由な人生を歩んでみたいかもしれません…
「急にしょんぼりすんなって!まだ道はあるはずだぜ」
「…ですが、貴族アサシンは一人で大勢の騎士を相手をして突破をしたようなのですよ…?もしこの部屋にラグナが居るとわかってしまったら…」
「いっそさ、窓から外に出て逃げる?」
ラグナは窓の側に近づいて外を見る
「それでは注目の的ですよ!?」
「けど、中に居るなら外に出た方がいいんじゃねぇか?」
「周りには警備兵さんも居るし混乱を招きます!ともかく…今はこの場……………………」
それは数秒の出来事だった
「……………………」
ラグナが居た近くの窓からフードを被った人が入ってきたのです
「…!?…………ラグナ、後ろ!!」
「へ?」
一体どうやって?さっきまで窓には誰も居なかったのに…
フードの男はラグナを後ろから近づき、右手を構えていました
その手のひら辺りの小手から刃物が出ていたのです。
私はラグナの元に急いで走ります。
しかし、ローブの人の方が速く…
……いえ、貴族アサシンの方が近く、行動も速かったのです…
間に合わない…!ラグナお嬢様が……!
「見つけたぞ…貴族アサシン……!」
「……!?…」
その時に…私が次に目にしたのは、部屋の天井からもう一人のローブを纏った
人が降りてきたのです…
「うわっ!?なんだ、こいつら!?」
「ラグナ、離れて!」
ともかく、貴族アサシンらしき人は一瞬の怯みで暗殺に失敗し、
ラグナは私の元に来ましたが……
もう一人は一体……?
「裏切り者め…どれだけ関係のない人々を殺す!?」
裏切り者…?
…そういえば、よく見たら…この人にも貴族アサシンと同じ小手を着けてますね…
「……………………」
「……あくまで、沈黙を突き通すか…!ならば、裁くのみ…!」
「……………………」
「お、おーい?こっちは話がわかんないんだけど…」
「…君達は離れていろ……」
「ちょおい!?」
「ラグナ、今は……」
「…そうか……ラグナ…か…言った通りだな……あいつの…」
……?
「…………………」
そう言っているうちに、貴族アサシンは丸い形で手のひらサイズの物を出す
「煙玉か…逃がすか!」
腰にある剣を抜いてローブの人は貴族アサシンにへと走る
「…………………」
ボゥ!スゥゥゥゥー……………
貴族アサシンは煙玉を床に投げつける
その衝撃で玉は崩れて中から煙を発する
「くそ!此処で逃がしては……」
「ゴホッゴホッ!うぇ~…気持ち悪い…」
少しして、部屋の中の煙は先程の窓から流れて消えましたが…
そして、先程の貴族アサシンは既に姿を眩ましているようです
「…………くっ…」
ローブの人は剣を鞘に戻して、こっちを向く
「……あなたは一体…………?」
「お前もさっきの仲間ー…でもなさそうだし…親父の騎士の野郎でもないよな?…誰なんだ?お前…」
「あなたもラグナを狙うなら、私が相手になりますよ…!」
「…そのメイド服……冬桜家の者か…待て、俺は君達を狙う気はない…連れ出しに来たんだ」
「…え?連れ出しに?私とアステラルを?」
「何を言っているのですか!?」
「ラグナお嬢様!ご無事ですか!?」
部屋の扉の外から警備兵さんの声が聞こえる…
「…この場では話は無理そう…か……ともかく、君達は此処に居てはダメだ…居たら今度こそ死ぬぞ…」
「脅しかよ!?」
「誰かそこに居るのか!?くそぉ!扉が開かない!?」
「いいか、この場に残って今度こそ奴に殺されて人生を遂げるか、俺と一緒に来るか、選ぶんだ!」
「急に現れていきなりの選択とか意味わかんねぇよ!」
「あなたは何者なのですか!」
「………」
「ラグナお嬢様!今から此処を突撃します!扉から離れてください!」
「…もう時間がない!奴はもう一度、此処に来るはずだ。警備が強化されようとも無駄だ…君達がこの場に居たら、多くの民も巻き込むことになるぞ…!」
「もう脅しにしか聞こえねぇ!?」
「脅しかもしれない…だが、これには後の将来までも、巻き込むのだ…!」
「…………ラグナ…」
一体、この人は何を言っているのかわかりません…
けど…何か訳があるようです
「それに、殺されると決まった訳でもねぇし…」
「あいつは守護神並みの戦力はあるがな…」
「し、守護神ってエールデ王国の……!?」
「守護神?なんだそれ?」
「もう説明を出来る状態ではない…決めるんだ!」
ラグナ……あなたは一体、どう決めるのですか…?
「…よくわかんねぇけど、あんたは何に困っているんだ?」
「……運命にだ」
「…………………」
………………………………………………………………………………………
「…………よし、わかった。行ってやるよ」
「ら、ラグナ!?」
「アステラルはどうする?」
「…えっ?私は…………」
「まぁこれはアステラルの問題だ、アステラルが自身で決めてくれ」
……私は…………………………………
ラグナ…さっきのあの人にした質問の答え……
そう、貴女は…そういう人ですものね………
「………行かせてください、私はラグナの友ですから」
「あ、アステラル……!」
「…よし、決まったな……窓から向かいの建物に乗り移り、外に出るぞ!」
お兄様…私は見てみたいです。自分の人生を……
今では……
「アステラル~また外の世界の話をしてくれよ~」
「はいはい、じゃあ今日は初めてこの国の海を見たときの話をしましょう」
もうラグナお嬢様と、部屋で二人きりの時はこうしてお話を一緒にしたり
お庭で遊んだりするほどの仲になりました。
なぜでしょうか?こうして二人で居て、話していると落ち着きます…
私が経験したことのない感情です。
まだ子供の私ですが、メイドの修行中では
こんな感情を抱くことはありませんでした……けど
初めてのメイドの仕事…ラグナお嬢様と出会って…あの日の時から
変な感情を抱くようになってしまいました…
…外の世界の話をしていると
ラグナお嬢様が、どんなに外に出たいのかが…
少し…わかったような気がします…
「アステラル?アステラルー?」
「あ、すみません…少し考え事をしていたのです」
「何か悩み事か?私で良ければ相談に乗るぜ!」
「だ、大丈夫ですよ!ラグナに言ったらラグナが困っちゃいますよ…」
「大丈夫さ!それに、私達は友達だろ!?」
「……そ、その…ラグナはやっぱり外に出たいですよね……?自由になりたいのですのよね…?」
「そりゃ出たいぜ!…けど、今はアステラルも居るし、このままアステラルが居てくれるなら…このまま此処に居ても良いかもな…あぁぁーでも!やっぱり海賊になりたい!!」
「か、海賊!?」
海賊ってあの海賊ですか!?
あの泥棒の集団みたいな奴ら…それなのに
王国などの上級騎士並みの力を持っているとか……
「そう!だってほら、自由に船で冒険出来るし良いだろ!」
「それはそうですけど…う、海なんて私でも危険なのに、それに海賊は悪者の集団みたいなものですよ!?」
「海賊でも、生き方が違えば何だってなれるさ!」
「言ってる意味がわかりませんよ!?」
「あれだよあれ、悪い海賊にもなれるなら良い海賊もなれるだろ!」
「え、えええぇぇ!?」
ラグナが外に出てやってみたいことって海賊だったのですかああ!?
「でも、なんでいきなりそんな事を聞くんだ?」
「へ?それは…………その……」
「もしかして、アステラルも海賊になりたいのか!?」
「ち、違いますよ!?…ただ、ラグナと何時も、外の世界の話をしていると…嬉しそうだったから…ラグナがどんなに外に出てみたいのかを想像しちゃって…」
「やっぱり、私は自由にはなれないんだよなー…親父も自由にさせてあげたいんなら、どうして海賊を討伐しに行かないんだよ?まぁ俺は行かないで欲しいけど…」
「実は……此処だけの話なのですが……」
「ん?」
私は少し間を置き、落ち着いて話を始める……
「…最近、外に居る警備兵さんの話を聞いたのですか……ラグナを狙っている暗殺者が居るとか噂されているのです…」
「んー?でも、それは噂なんだろ?」
「噂なのは噂ですが…国の人々の情報からも「見慣れない、ローブを着た人を見た」などという目撃情報もあるのです…それが確かなのかはわかりませんが…警備兵さん達は「貴族アサシンなら大変なことになるぞ…」と焦っていた顔で他の騎士達と話しておりました…」
「その前に質問いいか?」
「なんでしょう?」
「そのローブを着た奴がなんでその……貴族アサシンって奴なんだ?てか、その貴族アサシンってなんだよ?」
「貴族アサシンについてはわからない事が多いですが……貴族ばかりを狙う殺し屋です…外観の特徴に、ローブを着て…顔を隠している事が多いのです。魔術師の人達もローブを着ていますが…国の人々が何時も私達の国の魔術師さんを見ていますから…」
「あーだから見慣れないと、そうや前の話に魔術師も何かの時の為に外を見て回ってるって言ってたもんな」
「恐らく、国側はその貴族アサシンの存在を恐れて無闇に動けないのと思われます」
「なるほどなー…」
「そして、他の特徴としては……両腕に特殊な小手をしているのだとか…行動などには…何も足場のない壁を登ってしまうと……」
「そりゃ凄いな!」
「感心してる場合ですか!?ラグナの命を狙っているのかもしれないのに!?」
「まだあくまで噂、それにそん時はそん時だ!悪い方向ばっか考えてると後が思いやられるぞー」
「は、はぁ…ラグナはもう少し心配することを……」
「そういえば、どうして私は狙われるんだ?」
「やはり…ラグナを次の女王にさせたくない人達が居るのでしょう」
「へー…そんなことより早く外の話をしてくれよ~」
自分から質問しておいて!?
「あーー!!!もう!わかりました!話をしますからぁぁー!」
私とラグナお嬢様はその日は夜までずっと話をしていました
「…あ、もう夜でしたね、そろそろお食事とお風呂の支度をしますね」
窓を見ながら空を確認する…
……本当に貴族アサシンが来ないかと……不安です…
でも、万が一の時は私だって…修行で剣術は教わっています……
ラグナお嬢様はまだ何も教わっておりません…
もし来たら…私がラグナを守らないと……
「アステラル?顔が暗いぞー?」
「ご、ごめん…やっぱり貴族アサシンのことが不安で……」
「全く、心配し過ぎだって!そりゃー何が起きるか人生はわかんねぇけど、それはまだうわ……」
突然、部屋の扉から走る足音が聴こえてくる
バアーンッ!
そして部屋の扉は荒々しい開け方をする
「…はぁ……はぁ…………た、大変です!ラグナお嬢様!」
目の前に居たのは警備兵さんの人が息を切れながら部屋へと入る……
どうしてこんな急に?しかも警備兵さんが?
…まさか!?
「き、貴族アサシンです!!…貴族アサシンが宮殿内に!」
「ま、マジかよ!?」
そ、そんな…本当に?………
ラグナお嬢様も流石に驚いてる……
「宮殿外の兵士が突破されております!レナウト様は警備を強化し、侵入した貴族アサシンを散策、数は一人、ラグナお嬢様は部屋に居てください!アステラル様はラグナお嬢様の護衛を!」
「わ、わかりました…!」
「お二人は部屋に絶対に居てください!」
そう言って警備兵さんは部屋から出て、扉を閉めて警備へと回る
「ら、ラグナ……」
あれ?ラグナの顔………
「けっ、来るなら来やがれよ貴族アサシン!私はぜぇぇぇたぁぁぁいにぃ死なねぇからなああああ!!こんなところで勝手に死んで人生を終わらせられるかよぉぉぉ!!」
「し、静かにしてラグナ!?」
「あー…悪い悪い…つい、かあーっとなってな!とりあえず部屋の鍵を閉めようぜ」
ラグナは扉の側に行って鍵を閉める…
「まだやっておいて良い事もあるはずだ、アステラルは部屋にある物で扉を塞げそうなのを何でもいいから運んでくれ!私は運んだ奴を扉に固めて塞いでおくから!」
「わ、わかった…!」
私は部屋の物を持ってきてラグナの所に運ぶ…
「……よし!とりあえず、少しの守りは完了だな!」
「…………」
ラグナ…私より凄く冷静で行動力がある………凄い…
私がラグナお嬢様のメイドでお守りしなくてはいけないのに…
「外も中もうるさいなー…」
そういえば、さっきから警備兵さん達が宮殿内を出入りしたり走ったりしてる…
さっきまでは静かでしたのに………
貴族アサシンは居るのでしょうか…
……ラグナお嬢様…あなたは女王になられるのを嫌がっていますが…
冷静な判断力と行動力…きっとあなたには皆を従えれる力があると私は思います…
けど、自由な人生を歩みたい…
女王のようで冒険者のような人…
……お兄様、私も自由な人生を歩んでみたいかもしれません…
「急にしょんぼりすんなって!まだ道はあるはずだぜ」
「…ですが、貴族アサシンは一人で大勢の騎士を相手をして突破をしたようなのですよ…?もしこの部屋にラグナが居るとわかってしまったら…」
「いっそさ、窓から外に出て逃げる?」
ラグナは窓の側に近づいて外を見る
「それでは注目の的ですよ!?」
「けど、中に居るなら外に出た方がいいんじゃねぇか?」
「周りには警備兵さんも居るし混乱を招きます!ともかく…今はこの場……………………」
それは数秒の出来事だった
「……………………」
ラグナが居た近くの窓からフードを被った人が入ってきたのです
「…!?…………ラグナ、後ろ!!」
「へ?」
一体どうやって?さっきまで窓には誰も居なかったのに…
フードの男はラグナを後ろから近づき、右手を構えていました
その手のひら辺りの小手から刃物が出ていたのです。
私はラグナの元に急いで走ります。
しかし、ローブの人の方が速く…
……いえ、貴族アサシンの方が近く、行動も速かったのです…
間に合わない…!ラグナお嬢様が……!
「見つけたぞ…貴族アサシン……!」
「……!?…」
その時に…私が次に目にしたのは、部屋の天井からもう一人のローブを纏った
人が降りてきたのです…
「うわっ!?なんだ、こいつら!?」
「ラグナ、離れて!」
ともかく、貴族アサシンらしき人は一瞬の怯みで暗殺に失敗し、
ラグナは私の元に来ましたが……
もう一人は一体……?
「裏切り者め…どれだけ関係のない人々を殺す!?」
裏切り者…?
…そういえば、よく見たら…この人にも貴族アサシンと同じ小手を着けてますね…
「……………………」
「……あくまで、沈黙を突き通すか…!ならば、裁くのみ…!」
「……………………」
「お、おーい?こっちは話がわかんないんだけど…」
「…君達は離れていろ……」
「ちょおい!?」
「ラグナ、今は……」
「…そうか……ラグナ…か…言った通りだな……あいつの…」
……?
「…………………」
そう言っているうちに、貴族アサシンは丸い形で手のひらサイズの物を出す
「煙玉か…逃がすか!」
腰にある剣を抜いてローブの人は貴族アサシンにへと走る
「…………………」
ボゥ!スゥゥゥゥー……………
貴族アサシンは煙玉を床に投げつける
その衝撃で玉は崩れて中から煙を発する
「くそ!此処で逃がしては……」
「ゴホッゴホッ!うぇ~…気持ち悪い…」
少しして、部屋の中の煙は先程の窓から流れて消えましたが…
そして、先程の貴族アサシンは既に姿を眩ましているようです
「…………くっ…」
ローブの人は剣を鞘に戻して、こっちを向く
「……あなたは一体…………?」
「お前もさっきの仲間ー…でもなさそうだし…親父の騎士の野郎でもないよな?…誰なんだ?お前…」
「あなたもラグナを狙うなら、私が相手になりますよ…!」
「…そのメイド服……冬桜家の者か…待て、俺は君達を狙う気はない…連れ出しに来たんだ」
「…え?連れ出しに?私とアステラルを?」
「何を言っているのですか!?」
「ラグナお嬢様!ご無事ですか!?」
部屋の扉の外から警備兵さんの声が聞こえる…
「…この場では話は無理そう…か……ともかく、君達は此処に居てはダメだ…居たら今度こそ死ぬぞ…」
「脅しかよ!?」
「誰かそこに居るのか!?くそぉ!扉が開かない!?」
「いいか、この場に残って今度こそ奴に殺されて人生を遂げるか、俺と一緒に来るか、選ぶんだ!」
「急に現れていきなりの選択とか意味わかんねぇよ!」
「あなたは何者なのですか!」
「………」
「ラグナお嬢様!今から此処を突撃します!扉から離れてください!」
「…もう時間がない!奴はもう一度、此処に来るはずだ。警備が強化されようとも無駄だ…君達がこの場に居たら、多くの民も巻き込むことになるぞ…!」
「もう脅しにしか聞こえねぇ!?」
「脅しかもしれない…だが、これには後の将来までも、巻き込むのだ…!」
「…………ラグナ…」
一体、この人は何を言っているのかわかりません…
けど…何か訳があるようです
「それに、殺されると決まった訳でもねぇし…」
「あいつは守護神並みの戦力はあるがな…」
「し、守護神ってエールデ王国の……!?」
「守護神?なんだそれ?」
「もう説明を出来る状態ではない…決めるんだ!」
ラグナ……あなたは一体、どう決めるのですか…?
「…よくわかんねぇけど、あんたは何に困っているんだ?」
「……運命にだ」
「…………………」
………………………………………………………………………………………
「…………よし、わかった。行ってやるよ」
「ら、ラグナ!?」
「アステラルはどうする?」
「…えっ?私は…………」
「まぁこれはアステラルの問題だ、アステラルが自身で決めてくれ」
……私は…………………………………
ラグナ…さっきのあの人にした質問の答え……
そう、貴女は…そういう人ですものね………
「………行かせてください、私はラグナの友ですから」
「あ、アステラル……!」
「…よし、決まったな……窓から向かいの建物に乗り移り、外に出るぞ!」
お兄様…私は見てみたいです。自分の人生を……
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この作品は、小説家になろうおよびエブリスタにも投稿しております。
扉絵は、管澤捻さまに描いていただきました。