クロノザクロン

ジャック・アーズ

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 2章 誕生の海賊

   15話「運命と人生の反逆者」

   ドンッ!ドンッ!!ドンッ!!!



 「くっ、扉が開かない!?どうしてだ!?」
部屋の外から警備の奴がタックルしているようだ
しかし、部屋の中での扉は沢山の物が置かれており、時間稼ぎされている。
…この二人の少女が運んだのか?よく動かせてたな……

 「で、どうやって飛び移るんだよ?此所から建物まで遠い過ぎるぞ?」
 「こいつを使う…」
俺は窓から建物に手を向けて小手からワイヤーを放つ
ワイヤーの先端には小さい刃物が付けており
その刃物は建物の壁へと食い込む
 「すげぇ!あんな物があるんだな!これで綱渡りするのか!?」
 「いや、俺が君達二人のどちらかの手を繋ぎ、もう一人が片方の手で残った奴の手を繋ぐ。そうしたら後は俺に任せてくれ」
 「ちっえ…綱渡りしないのかよ……」
なぜ綱渡りなんだ…?姫の立場なのに随分と勇気があるな…
 「…あ、あのこんな時に凄く申し訳ないのですけど……」
 「ん?」
 「大丈夫なのですか…?その武器……何処かの偉い人から訴えられそうな気がします…アサシンクリ……何でもありません…」
 「……まぁ、書いてる側も承知でしてるからそうなったら自己責任だな…ともかく、どちらかが俺と手を繋いでくれ」
 「では、私から…貴方を信用は出来ませんし、気になることもありますから」
 「それがいい、信じてもらおうとは思わないが、脱出したら話をしよう」
俺は冬桜家の子と手を繋ぐ……冷たい、やはり初代からずっと氷の聖霊から
契約しているだけはある…


氷の聖霊と契約が出来る騎士は希にしか居ない


炎の聖霊…水の聖霊…風の聖霊…光の聖霊…などなどあるが


氷の聖霊や雷の聖霊などは契約出来る騎士はわずか
契約するには魔力が何と相性があり聖霊と魔力が近いかによる
その体内の魔力で契約出来る聖霊が決まる
中には2体の聖霊と契約した騎士も居るそうだ
ただ魔力が強いだけでなく、魔力の質や魔力の発生なども試される

氷の聖霊と契約が出来る騎士は100万人ぐらい居たとして
居るかは1人か0人だろう…
だが、なぜかは知らんが…冬桜家は初代から受け継がれ
産まれている今の者達も先代達も全員、氷の聖霊と契約していたそうだ


 「ラグナ、手を!」
 「おう!」
冬桜家の子とラグナは手を繋ぐ
…ん?そういえば、冬桜家の子は様付けをしてないが……
まぁラグナの性格はあいつから聞いてはいた…
さっきの綱渡りとか…確かに、積極的な性格だが…
王などに仕える家系がそれでいいのか…?



……まぁこの行動で、海上の者は裏切ったと思われるか…
貴族アサシンに誘拐されたと思われるかのどちらか…
俺も奴も裏切った存在か…人の事を言えんな、俺も……

 「繋いだな?よし、行くぞ」
小手の仕掛けを指で作動させ、ワイヤーは俺達を建物へと移動させる
 「うおおおおおおっ!?」
その勢いにラグナは声を上げているようだ
 「…今の声は…ラグナお嬢様!?」
 「う、上を見ろ!ら、ラグナお嬢様が空を飛んでいるぞ!?」
 「あのローブ…貴族アサシンか!?」
 「後ろにはメイドも居るぞ!?」
 「追え!貴族アサシンを殺せ!二人を救出するのだ!」
どうやら俺達が空を飛んでいるように見えているらしい
まぁ夜にワイヤーのような細い物は見づらいか…

 「……すげぇ…」
 「ん?」
 「すげぇ!私、外に出れたんだな!!」
…こ、興奮しているの…か?
建物の屋根の上に到着する
ワイヤーは小手へと戻る
 「急げ、外の景色を見ている場合ではない!」
 「ラグナ、私から離れないでください」
 「くぅ~!早く見たいなー!」
急いで屋根の上を走り国の外を目指す
 「矢を放て!貴族アサシンだけを狙うんだ!二人には当てるな!」
下に居る騎士…弓矢で俺を殺す気か……
 「…仕方ない、あまり力を使いたくないが………」







 「放て!絶対に逃が………!?」






ブスッ!





 「………………」
 「なっ!?貴族アサシンだと!?1人ではないのか!?」
 「………………」
 「前方に4人、後方には8人!囲まれています!」
 「ええい!こちらが数で圧倒するんだ!」



 「…あれは……仲間ですか?」
 「俺が作った幻覚だ、死んではない…今のうちに行くぞ」
 「そんなことも出来るのか!?」
 「…幻覚…もしかして………」
 「………」


俺達は走り、ついに壁の外へと出る……


 「…次は、船を使って逃げるぞ……」
 「ち、ちょっと待ってくれ…はぁ……はぁ……す、少しだけ休憩…」
 「俺が来た船の中に到着するまで待て」
 「ラグナ、私がおんぶしましょうか?」
 「い、いや…大丈夫だ……アステラルも疲れてるだろ?」
 「私は訓練などしていて平気だけど…」
 「ま、まじかよ…」
 「移動しつつ、母国を見ても良いだろうな…それが初めての最後になるかもしれんからな」
 「……そうだな」
 「よし、進むぞ」


















 初めて見た外の光景は…夜に輝く星空…
窓から見るのも良いけど、外から見るのも良いな


 「…これが親父達が作った国なんだな……」

……綺麗かな…























 「……んー……んー……………」
 「やっと起きたか…全く………」
 「おはようございます、ラグナ」
あれ?此所は何処だっけ?部屋じゃないのか?
 「…え、えっとー………此所、何処?」
 「寝ぼけているのか?俺達は昨日の夜、移動してたら寝てしまったお前をそこの冬桜家の子が担いで船まで乗せてくれたのだぞ?」
 「あ……」
 「もう、どうして走ってたら寝てしまうのですか…疲れてはいるとはいえ…」
 「…あああぁー!!」
 「ち、ちょラグナ!?急に大声を出してどうしたのです!?」
 「夢じゃないんだな!?本当に現実なんだよな!?」
 「そ、そうですよ」
 「やった…やったああああ!!アステラル!私は今、凄く高ぶってる!」
 「は、はぁ…少しは落ち着いてよ」
 「今は船なんだよな!?外に出てもいいか!?」
 「ま、まぁ…上に行くぐらいなら…」
 「やっほーーい!ありがとな!」
私は階段を登って船の上へと移動した!いぇぇーーーい!












 「…はぁ……すみません、ラグナは何時もあんな感じなので…」
 「メイドをしていた君は国に居たときでも様を付けてなかったが…友達なのか?」
 「えぇ、私とラグナは友です。最初は違いましたけど…部屋に二人で居る時はラグナと呼んでいます」
 「そうか……」
ちなみに、今居る場所は国から離れた場所にある
小さな島の近くの海に居ます
 「…それで、お伺いしてもよろしいでしょうか?」
 「俺から話してもいいが、そっちから質問をしても構わんぞ」
 「あなたはエールデ王国のある騎士団…暗殺騎士団ホワードのメンバーではないのでしょうか?」
 「…ほう?どうしてわかった?」
 「あの時に使われていた幻覚…あれには魔力を感じませんでした。私も修行と試練で魔力ぐらいわかります…ですが、あなたには魔力を一切感じれません…魔力なしにあの動き方や剣術…普通なら死んでいます…。そして幻覚を使うには魔力ではなく能力を使うと聞いたことがあります」
 「よく知っている…正解だが…違うところもある」
 「それは?」
 「…………」
ローブの人はなぜか剣を抜く…
 「…っ!?」
 「違う、何もしない…この剣をよく見てくれ」
 「……はい?」
………剣の持ち手に絵が掘られている…この森……聖霊の森に似てるような……

…ん?聖霊の森……まさかこれって…!?

 「守護神の剣…!?…ま、まさか…あなたは……!?」
 「俺はメンバーではない、ホワードだ」
ほ、ホワード!?騎士団の人ならともかく、なぜ此所に団長が!?

 「王国の守護神がなぜこんな所に!?まさか…ラグナを……!」
 「君達を殺せる時なら何時でもあったではないか」
 「……何が目的ですか?…」
 「目的はあの裏切り者を殺すこと……奴は俺達と同じ元ホワードの者だ」
 「…暗殺騎士団……噂には聞いておりましたが…本当に…」
 「俺達は表の場には出ないからな…」
 「…それで、なぜ裏切りを?」
 「俺にもわからん…だが、奴はある日に突然に姿を消して貴族や騎士達を世界を周り暗殺して行った…」
 「名前は?」
 「奴の名はグティ…本当なら俺の次に守護神になるかもしれない男だったのだが…」


 守護神……一人で戦力は未知数……ともかく危険です…
いえ…危険よりも遥かに…
 「俺は奴が今度は海上の王の娘を暗殺するという情報を手入れ、今に至る…」
 「……どうやって情報を?」
 「ある知り合いから聞いてな…その知り合いの名前までは言えないが…」
 「では、あなたの言うこれからの運命ってなんですか?あなたは後の将来と言っておりましたが…」
 「………すまん、それについては言いにくい…俺も確かな事なのかわからないが……だが、君達二人は此所で死んではいけないんだ…特にラグナ、彼女はな…」

どういうことなのでしょうか……?
 「その知り合いはどのような人物かはお答え出来ますか?姿や職業などでもいいです」
 「…シルクハットを被っており、普段は仮面を着けている…黒い服装……何をやっているかまでは言えないが、俺と似たようなことをしている」

似たようなこと…その姿からして騎士とは言えないし……

 「おーい!アステラル!アステラルも上に来てみなよ!凄く風が気持ちいいぞー!」

上からラグナの声がする……

 「…は、はぁ……わかりました」
 「まぁ、今は残った時間を大切にすることだ…」


私はラグナの声で上へと移動する

 「アステラル!あれは島なのか!?」
ラグナが指を指した方向を見てみると小さな島がありました
 「どうやら、あそこでしばらく身を隠すそうですよ」
 「ということは…行くのか!?なら今すぐ急行だぜ!」
そう言うとラグナは海に……ってえええぇぇ!?
 「ま、待ってください!?ラグナぁー!?」
 「ひゃっほーーーい!!」





ずばぁぁぁぁぁぁーーん!



……海に飛び込んでしまいました…………大丈夫なのでしようか…?




 「あ、ちょやば………オボボボボ……やべぇ!泳ぎ方知らねぇぇ!」
…予想通りでした
 「もう!今そちらに行きますから、動かないでくださいね!?」
 「動かなかったら溺れるだろぉ!?」
私は海に飛び込み、ラグナの場所まで泳ぐ
 「ラグナ、手を!」
 「オボボボボボボボボ……………」
ラグナの手を持ち、船まで運ぶ



 「大丈夫か?」
どうやらホワードの人も気づいて出てきてくれたようです…
 「ラグナは気絶したみたいです……もう…泳ぎもですが、歩くこともまだ初めてなのに……」
 「………予定に入れておくか……」
 「予定?」
 「…いや、何でもない……それより、島に移動するぞ」






………一体、これから私達はどうなるのでしょうか…?
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