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2章 誕生の海賊
25話「夢を探す辿り道」
1日が過ぎて、いつの間にか朝になっていました
「………ぐぎゃあああぁ……」
「すがぁ……美女ぉぉ………」
「…ひぐっ…ら、ラグナの馬鹿ぁぁ…!…ひぐっ…」
うぅ…目眩がします……
頭も回って……しゃっくりも止まりません……
ラグナや周りの人達は呑気に眠って……もう……
「大丈夫ですか!?アステラルさん!?」
目の前に、シャースさんが立っているようです
「……は、はい…何とか……ひぐっ…おぇぇ…」
「い、今すぐお薬と袋を持ってきます!」
そう言って、シャースさんは部屋に戻って
直ぐに私の所へと戻ってきました
「お水、飲めます?」
「いただきます………ごくっ……ごくっ………」
薬を飲んで、少しすると
頭がスッキリしたようになり、しゃくりも落ち着いてきました
「もう大丈夫です……はぁ…シャースさんは何時も海賊の皆様と付き合わされているのですか?」
「一週間に3回は付き合わされてますね。もう慣れてますけど!」
「……一週間…あ、すみません。シャースさん、カレンダーや年を見れる物はありますでしょうか?」
今の言葉で思い出しましたが
ラグナと私はどれだけの時間を島でホワードさんと共に
過ごしたのでしょう?
「はい!ありますよ。ほら、あそこに!」
シャースさんが指を指した場所には
カレンダーが置いてありました
「………………………」
時間を見てみると……どうやら、あの日から
10年の時間が過ぎたようです…
……そっか…ラグナは19歳で…私は21歳なのかな…
「時間って早いですよね…」
「そうですねー…私もお母さんかー…」
皆、いろんな人達が…時間の中を生きていく……
仕事…生活…自由…戦場…
それが…世界の生き方……なのでしょうか…?
「アステラルさんは、ラグナさんと幼なじみでしたっけ?どんな人なのですか?」
「…子供の転からずっとやんちゃで、大人になってからも何時も何かを求めるように走っている…そんな感じですかね…」
もう長い時間一緒に居るけど…もしも……
ラグナが走るのを止めてしまったら…どうなるのでしょうか?
ドンッ!
突然と、店のドアが開く音がして…ドアを見てみると……
「おぉめぇらぁぁぁぁ!!そろそろおきやがれぇぇぇぇ!!!」
そこに居たのは、ビレスートさんでした
起こしに来たのでしょうか?
「……んぁ…?ビレスートのおっさんかぁ…おはよう……」
「ラグナぁ!おはようじゃねぇぇ!おめぇらもさっさと起きろ!」
「んだよ、ビレスート…お前だって夜まで飲んだらべろぉんべろだろ…」
「うっさぁぁい!ともかく行くぞ!もう朝は始まってんだよぉ!」
「へぇーい…」
私も行くとしましょうか…
気になることもありますが……今はまだやめておきます…
海賊の皆さんは起き上がり、店から出て行きました
「みなさぁーん!お気をつけてー!」
シャースさんの声と共に、海賊の人達は笑顔で見送られました
「んで、ビレスートのおっさん。何をしたら良いんだ?」
「やることはぁまだあるがぁ…とりあえず、これ着けとけ…海賊の証だぁ…」
ラグナと私に渡されたものは
黒い布でした
「それを頭に巻くなり腕に巻くなり何処か見易い所に着けなぁ…海賊だとわかんねぇからなぁ…」
「なるほどな!んじゃ、腕に巻いとくぜ!」
「私は何処に巻きましょうか……」
頭だともしもローブを被る時に見にくいですし…
…腰に巻いておきましょうか
それと、ついでにマフラーを今のうちに外しておきましょう
私は腰に巻いていた白いマフラーを外し
黒い布を巻きつけました
……この白いマフラーは冬桜家の証でした
まだ使ってはいましたけど…もう外しておきます…
「ん……?白い布…?」
「どうした?ビレスート?海の水でも飲んだのか?」
「馬鹿言うんじゃねぇ…もう何年、海賊してると思ってるんだぁ…?」
「ま、そうだな!俺はステイルを探してくるわ!」
ユクさんはどうやら、ステイルさんを探しに何処かに走って行きました
「巻いたぜ!ビレスートのおっさん!」
「私も巻けました」
「よぉし…海賊になったからにはぁ…それなりに言うことがあるがぁ……お前らは海賊をなんだと思ってるぅ…?」
「自由気ままにに生きる!宝を奪うとか!」
「まぁ確かになぁ…だがよぉ、ラグナ……俺ら海賊は自由だが…自由にも自由の代償つうことがあるのを忘れるなぁ…?」
代償……ですか……
「例えば?」
「俺らのルールだぁ…まず……武器をねぇ人間を一方的に殺すなぁ…海賊には命の殺り合いもあるんだ…武器があってそれを手に取った奴はそいつの選んだことだぁ……だが、武器もねぇ奴らを殺すつうことは…テロを起こすのと同じ事だと思っとけぇ…!」
海賊のルール…私は正直、人の命を無差別に奪ってしまう人達だと
思っていましたが…
実際に見てみると、違うのですね
テロ……そういえば…
何処かの別の話に…テロって人が居ましたね…
「……むきゃ!」
「アステラル?急に可愛い声だしてどうしたんだ!?」
「…あっいえ!な、な、なんでもありません!?」
何を言ってるのですか私は!?こんな時に!?
「まぁなんだ……話を進めるぞぉ…次に……地上の宝は盗るなぁ…俺らは海賊…海の宝を奪え…地上の宝を奪うんなら山賊にでも泥棒にでもなりな…」
「名前的におかしいもんな!」
「海賊と山賊を一緒にする奴が多いが…一緒にしちゃあいけねぇ……」
海賊と山賊……
お互いの仲などはあるのでしょうか?
「最後に…俺らの海賊になるからにはぁ……家族であり、兄弟であり……海賊だぁ…その海賊のことで危険になるのはぁいいが…個人の理由で誰かを巻き込んで危険に晒してはいけないことだぁ…わかったかぁ…!」
「兄弟…兄弟かぁー!」
その言葉を聞いたラグナの顔は
凄く嬉しそうでした
「ま…お前さんらは……姉妹か…今までに女が海賊になったことは希でなぁ…」
「ビレスートぉー!ステイルを見つけたぞぉー!」
離れた場所でユクさんが手を振ってました
「おい……大声で話すことでもないだろ…」
「最近釣れないなぁ女にでも振られたのか?」
「…それはそっちだろ……」
「ま、まぁ!ステイルにも女は何時か来るだろ!」
「無理やり話を押し通すな…はぁ……行くぞ…」
ユクさんとステイルさんはこちらに向かっているようですね
…シャースさんが言っていた二人のこと…
幼なじみ…確かに、仲が悪そうで
仲が良さそうですね!
「さぁて…揃ったことだ……喋ることはぁ沢山あるが…今は船に乗れぇ…」
「改めて、よろしく頼むな!ラグナとアステラル!俺は副官だし、何かわからない事があれば教えてやるよ」
「ステイルだ……ユクが何かをやったのなら俺に言え…俺は周りに何かを探す偵察兵みたいなものだ…」
「なにもしねぇよ!?」
「船を動かすにはぁ…船員が必要だぁ……今は足りてるが…何時かお前らが船を動かすのも早いだろうなぁ…」
船を動く経験…このような大きな船の動かし方は
わかりませんね
「そろそろ出航だ……おぉぉおい!!おめぇら!イカリを上げろ!帆を下ろすのも遅れるなぁ!」
おおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!
ビレスートさんの言葉を聞いた海賊の皆さんは
昨日のただ酒を飲んでいた人達とは別人のように
それぞれの位置に着きました
……これが元々の姿なのでしょうか?
「おおおおおおおおおっ!」
ってラグナまで叫んでいたのですか…
「昨日の酒で頭を痛めてるかもしれねぇが、俺達の島まで持ちこたえろよ!」
「こっちも持ち場に着いた……ま、漂流物でもあれば知られる…酒は期待するな…」
俺達の島?何かの拠点でしょうか?
「島?島に出掛けるのか?」
ラグナが不思議そうな顔でビレスートさんに訪ねていました
「俺ら海賊の住んでる島だぁ…そこで宝の情報や地図、荷物なんかの情報を探すんだよぉ…」
「普段はそこの島で暮らしてるんだ。村とかだと、海上の国の奴等に目をつけられるからな」
海上………それって……
「海上………」
ラグナもユクさんの言葉を聞いた途端…
明らかに悩んでいる顔になっていました……
「いくら海賊の俺達でも、目立つ場所に居続けたらヤバ……って、どうした?ラグナ?」
「…ん?あ、何でもないぜ!?」
こんなに慌てているラグナを…
初めて見たような気がします……
「………………」
様子がおかしいです……大丈夫なのでしょうか…ラグナ…
「まーさか、今さら怖じ気ついたか?」
「…その、怖いとかじゃなく……考え事をしてたんだ」
「ま、海上の連中のことを考えていたなら心配すんな。何年か前に海上の王の娘が貴族アサシンとかいう野郎に拐われてからは海上内の警備に今でも集中している」
何年か前……恐らく、ラグナが貴族アサシンに襲われたあの日ですね…
「噂程度だし、この話に確証はないんだがなぁ~…。けど、警備が集中してることは確かだ。あの状況で海にまで厳重な警備は送れないだろ」
「……今なら安全に海は動ける…。まぁ…冒険に絶対の安全保証なんてないがな…」
何年も経った今でも……
あの日の事件のことは続いていたのですね…
「けっ…貴族アサシンかぁ……俺は貴族つうもんが大嫌いだがぁ…実際に居るんならよぉ…最悪な野郎だ…。何のために貴族の野郎を殺しているのかわからねぇよ…わかりたくもないがなぁ…!」
確かに……
なぜ、貴族アサシンは…
ラグナや貴族、騎士などを狙って殺しているのでしょうか…
それに……ホワードさんも言っていましたが…
貴族アサシンはホワードさんの元弟子であり
ホワードさんの次に守護者になるはずだった人…
……王国で何かあったのでしょうか?
王国に帰ることの出来なくなったホワードさん…
王国を裏切り、ラグナを狙った貴族アサシン…グティさん…
……そして、ホワードさんと何かの関係のあったシセイさん…
この三人は…何かの関係は絶対にあるはずです
……海賊の皆さんには噂としか貴族アサシンは知られていない…
けど、噂でも貴族アサシンはまだ生きている可能性があるということ……
もしも…ラグナと私が生きていると貴族アサシンが知ったら……
……生きる為に、ホワードさんに
ラグナと私に生き抜く力を教わってきました…
「……………」
「おいおい、アステラルまでそんな顔をするなよ。居たとしても、俺達は海賊だ。狙われることはねぇよ…たぶん」
「す、すみません…」
「よし!もう考えるのをやめだ!んで、ユクのおっさん島ってまだなのか?」
「切り替えるの早ぇな…まぁあと何時間かで着くはず」
ラグナはとりあえずは吹っ切れたようですが
気になっているのは同じですよね…
恐らく、昼ぐらいまで時間が過ぎた時です
「お、見えたぞ!あそこだ!」
ユクさんが指を指した先に見えたのは
かなりの大きい島が見えました
「………あそこが俺達が住んでいる島だ…」
「さぁて…ラグナとアステラルぅ…島に着いたらとりあえずだなぁ…まぁそこに居る海賊共に挨拶ぐらいはしとけぇ…わかったかぁぁ!!!」
「おう!」
「は、はい!?」
と、突然な大きな声で驚いてしまいました…
「小さぁい!!もう一度だぁ!」
「おおおおおおっ!!!」
「はい!!??」
「それでいぃ…さぁて……島まで待っとけ…」
ビレスートさん…小さい声の時の大きな声の時の差が激しいです…
そして数分後……
私達は船を降り……島へと上陸し、辺りを見渡しました
辺りには……何人をも海賊…船……
さっきの村とは全く違う雰囲気でした
「此所が俺達の島だぁ……まずは…あ~…おい、ステイルぅ…。こいつらの寝床を探してやれぇ……挨拶は歩きながらしとけぇ…」
「……わかった。ついて来い」
「おう!」
ラグナと私はステイルさんの跡をついて行き
島を歩いていきました
「お、ステイルじゃねぇか。つうことはビレスートは帰ってきたのか?」
道中に他の海賊らしき人が話を掛けてきました
「あぁ……会いに行くなら港に居るぞ…」
「へいよ。ってそうや……後ろの嬢ちゃん二人はなんだ?まさか、拾ってきたのか?」
「ユクと一緒にするな…新しい家族だ…」
家族…ですか……
思えば、私も家族と関わっていたのは
兄さんだけでしたね……
「まじか!?女が海賊にぃなるとはすげぇことだな」
「ラグナだぜ!これから、よろしく頼むな!」
ラグナが笑いながら自己紹介をしました
「私はアステラルです。同じく、よろしくお願いします」
「おう、よろしく頼むぞ」
皆さん、愉快な人達のような気がします…
「今は何処に行くんだ?」
「部屋を探しに拠点へと行くところだ…。空いてる部屋はあるか?」
「んなもの、腐るほどあるぞ」
部屋が腐ったらダメかと思うのですが……
「あ、部屋なら出来れば…狭くも広くもない二人部屋とかないかな?」
ラグナが部屋のリクエ……え?二人部屋?
「ら、ラグナ…なぜ二人部屋なのですか?」
「そりゃ!アステラルと一緒に寝るからだろ!」
「え、ええええっ!?」
ラグナとはホワードさんとの島の拠点などで一緒に寝てましたけど…
さ、流石に部屋となると……
「んー………普通の部屋ならあるけど、そんな二人部屋はないなぁ…。ベッドを大きくしてやるから二人で一つの部屋を使ってくれないか?」
「おう!それでいいぜ!やったな、アステラル!」
「そ、そ、そうですね…」
嫌という訳ではありませんが……
少し緊張しますよ…もう……
「場所は………よし、このメモを渡しておくから。管理人に見せたら良いと思うぞ」
海賊の人は何かを紙に書いて
ステイルさんに渡しました
「感謝する…」
「お前に感謝されても心が込もってねぇな。ま、行ってこい」
「……行くぞ」
海賊の人と別れをし…先にへと進みました
そういえば……管理人と言っていましたが
海賊が住んでいる島に
管理人なんて居るのでしょうか…?
「あの、管理人なんて居るのですか?」
「……同じ海賊だが、俺達の家を管理している奴だ。島から出ることはないだろうが…主に、掃除や皆の食事を作ることなどをする…」
なんか想像出来ませんね……
海賊ってごちゃごちゃしているイメージがあったのですが……
意外にも綺麗なのですかね…?
「こっちだ…」
ステイルさんに案内されながら、道を辿っていくと…
「…あれが俺達の家だ……」
そこに見えたのは……
とてつもなく、巨大な………船?
「あそこで生活をしている…」
地上に巨大な船………ま、まさか動かせるとか……?
「すげぇぇぇー!!なぁ!あの船も動かせるのか!?」
「何かがあった時だけ動かせる……あんな大きな船を毎日動かしてたら船員がな…」
確かに……何百万人の船員が必要となるのでしょうか……?
「元々は、俺達の海賊の先代達が使っていた船と言われているが…今では島などを離れて新たな拠点を目指す時だけ海にへと浮かせて動かすようにしている…。そもそも、大きい為…目立つから…戦いには的にしかならない…。大きくても良いものはない…」
海賊の先代………
この海賊達は種族的な生活になっているのですね
けど、もし昔にあの船が使われていたとしたら
どんな旅をしていたのでしょうか?
っと考えているうちに大きな船へと近づきました
近づくと……もっと大きく見えて
とても力強い船だと思いました……!
「でけぇなー!」
「……この船の名前は「ビッグ・ランド」だ…」
一体、どれだけの部屋などがあるのでしょうか…
「………掴まれ」
船には扉などなく
イカリを使ってエレベーターのように上に上がっていくそうです
……って言っても、私はエレベーターの実物なんて
見たことがないんですけどね……
イカリのロープを掴みながら、私達は上へと上がっていく
そして、船の甲板へと到着しました
「うわぁ!?あ、アステラル!此処からの眺めを見てみろよ!?」
ラグナが驚いた声をしながら、向かって言っていたことは
甲板から見た島や海の眺め………
凄く広くて……綺麗な光景です……
「夜になって夜空を見ると、また違った光景が見えるかもしれませんね」
「だな!夜にまた来てみようぜー!」
「………そろそろ行くぞ」
ステイルさん…口数とか少ないし
ユクさんとは幼なじみとシャースさんは言っていましたが……
気になりますね…
「…ステイルさん」
「なんだ?…」
「ユクさんとは幼なじみなのでしたっけ?」
船内を歩きながらステイルさんに尋ねてみました
「……女将かユクから聞いたのか?」
「は、はい…」
「…ユクとは3歳からの付き合いか…思えば、もうあれから30年は経つのか…」
あれから……?子供の頃に何かあったのでしょうか?
って3歳からの付き合い!?
「もしかして、ステイルのおっさんとユクのおっさんって…兄弟なのか!?」
「絶対にありえんな」
ら、ラグナの質問を即答ですか……
「大体、俺とあいつが兄弟だと思うか?髪色も違う…性格も全く似ていない…ユクはそれに変態だ」
あ、あれ?ステイル…さん?
「あんな変態と俺を一緒にされては困る。ユクは変態だが、俺は何事にも興味はない…。あの変態……この前も前も前も…どれだけ女の胸を見て……!」
す、ステイルさんの口数が増えて…声も大きくなっているような……?
「何時も止めるのは俺で、それをあいつは何時も次からはしない次からはしないと何度も嘘をばかりを…!!」
「…ぷっあっははっははははははは!!w」
ら、ラグナ!?
「……おかしいか?」
「だってさ、ステイルのおっさんってユクのおっさんのことすげぇー見てるんだなって!」
「…………嫌でも長い時間居ればそうなる…」
「それに、本当に嫌いならとぉーっくに!別れてると思うぜ!あんたは、なんで海賊になったんだ!?」
も、もう!ラグナらしい単刀直入な言い方ですけど
時々は入り方とか……あーもう!
最近の私は一体、何を言ってるのでしょうか!?
「……細かくは言えないが、成り行きだな…」
「成り行きって?」
「………行くぞ」
なぜか、その時のステイルさんの顔は
怒っているようにも見え……悲しくも見え……嬉しそうにも見えました
……一体、過去に何が…
「着いたぞ……管理人には俺から言っておく…部屋の扉にある上の番号を見て辿っていけば何とか着くだろう…お前達の部屋は381号室だ。部屋で荷物などを整理したらビレスートの所に戻るといい」
そう言って、ステイルさんは階段を降りて行きました
「……探しましょうか」
「どんな部屋だろうな!」
ラグナと私は廊下を進みながら、道中にすれ違う
海賊さん達に挨拶もして進みました
ほとんどの皆さんが笑顔や険しい顔で挨拶を返してくれました
なんというか…本当に世の中って広いですよね
私が思っている海賊とは違いましたから
数分後……
「……379号室…380号室…381号室…あ、此処ですね!」
「やっとかぁぁー!よし、入ろうぜ!アステラル!」
ラグナと私は扉を開け、中に入ると……
宮殿の部屋とは違い、広くも狭くもない部屋で
ベッドはまだ普通のサイズでした
他にも、机やタンスまであるようです
……普通、此所まで部屋を用意してくるのは
海賊として大丈夫なのでしょうか…?
「おぉ!そうそう、こういう部屋に私は憧れていたんだよな~!」
そう言いながら、ベッドへと飛び込むラグナ……
嬉しそうで良かったのですが…
……海賊のこともですが、貴族アサシンのこと………
………なんでしょう?凄く胸騒ぎがします…
この感覚……前にもあったような気が…
「アステラル?」
「…あ、どうしました?」
いつの間にか、ラグナは心配そうな顔で私を見ていました
「そうや、昨日からかなり動いていたもんなぁ…少し休憩してから行こうぜ?」
「そうですね…」
「アステラルは寝ないのか?」
「………では、少しだけ…」
私はラグナの横に倒れ…
「……なんか、落ち着きます…」
「だな…そういえば、アステラル」
「はい?」
「アステラルの夢ってどうするんだ!?」
そういえば、まだホワードさんのことで答えてなかったですね…
「まだ私の夢は…わかりません。けど……」
「けど?」
「……私は、これから夢を見つけてみようと思います…!」
「…わかった!夢に年齢とか関係ないしな!一緒に探してみるのも良いかもな!アステラルが私と一緒に来てくれたように!」
関係ないとか言ってくれるのはラグナは…優しいですね…
………これは、夢というより願いですが……
これからも…ラグナと一緒に居たいです………
「………ぐぎゃあああぁ……」
「すがぁ……美女ぉぉ………」
「…ひぐっ…ら、ラグナの馬鹿ぁぁ…!…ひぐっ…」
うぅ…目眩がします……
頭も回って……しゃっくりも止まりません……
ラグナや周りの人達は呑気に眠って……もう……
「大丈夫ですか!?アステラルさん!?」
目の前に、シャースさんが立っているようです
「……は、はい…何とか……ひぐっ…おぇぇ…」
「い、今すぐお薬と袋を持ってきます!」
そう言って、シャースさんは部屋に戻って
直ぐに私の所へと戻ってきました
「お水、飲めます?」
「いただきます………ごくっ……ごくっ………」
薬を飲んで、少しすると
頭がスッキリしたようになり、しゃくりも落ち着いてきました
「もう大丈夫です……はぁ…シャースさんは何時も海賊の皆様と付き合わされているのですか?」
「一週間に3回は付き合わされてますね。もう慣れてますけど!」
「……一週間…あ、すみません。シャースさん、カレンダーや年を見れる物はありますでしょうか?」
今の言葉で思い出しましたが
ラグナと私はどれだけの時間を島でホワードさんと共に
過ごしたのでしょう?
「はい!ありますよ。ほら、あそこに!」
シャースさんが指を指した場所には
カレンダーが置いてありました
「………………………」
時間を見てみると……どうやら、あの日から
10年の時間が過ぎたようです…
……そっか…ラグナは19歳で…私は21歳なのかな…
「時間って早いですよね…」
「そうですねー…私もお母さんかー…」
皆、いろんな人達が…時間の中を生きていく……
仕事…生活…自由…戦場…
それが…世界の生き方……なのでしょうか…?
「アステラルさんは、ラグナさんと幼なじみでしたっけ?どんな人なのですか?」
「…子供の転からずっとやんちゃで、大人になってからも何時も何かを求めるように走っている…そんな感じですかね…」
もう長い時間一緒に居るけど…もしも……
ラグナが走るのを止めてしまったら…どうなるのでしょうか?
ドンッ!
突然と、店のドアが開く音がして…ドアを見てみると……
「おぉめぇらぁぁぁぁ!!そろそろおきやがれぇぇぇぇ!!!」
そこに居たのは、ビレスートさんでした
起こしに来たのでしょうか?
「……んぁ…?ビレスートのおっさんかぁ…おはよう……」
「ラグナぁ!おはようじゃねぇぇ!おめぇらもさっさと起きろ!」
「んだよ、ビレスート…お前だって夜まで飲んだらべろぉんべろだろ…」
「うっさぁぁい!ともかく行くぞ!もう朝は始まってんだよぉ!」
「へぇーい…」
私も行くとしましょうか…
気になることもありますが……今はまだやめておきます…
海賊の皆さんは起き上がり、店から出て行きました
「みなさぁーん!お気をつけてー!」
シャースさんの声と共に、海賊の人達は笑顔で見送られました
「んで、ビレスートのおっさん。何をしたら良いんだ?」
「やることはぁまだあるがぁ…とりあえず、これ着けとけ…海賊の証だぁ…」
ラグナと私に渡されたものは
黒い布でした
「それを頭に巻くなり腕に巻くなり何処か見易い所に着けなぁ…海賊だとわかんねぇからなぁ…」
「なるほどな!んじゃ、腕に巻いとくぜ!」
「私は何処に巻きましょうか……」
頭だともしもローブを被る時に見にくいですし…
…腰に巻いておきましょうか
それと、ついでにマフラーを今のうちに外しておきましょう
私は腰に巻いていた白いマフラーを外し
黒い布を巻きつけました
……この白いマフラーは冬桜家の証でした
まだ使ってはいましたけど…もう外しておきます…
「ん……?白い布…?」
「どうした?ビレスート?海の水でも飲んだのか?」
「馬鹿言うんじゃねぇ…もう何年、海賊してると思ってるんだぁ…?」
「ま、そうだな!俺はステイルを探してくるわ!」
ユクさんはどうやら、ステイルさんを探しに何処かに走って行きました
「巻いたぜ!ビレスートのおっさん!」
「私も巻けました」
「よぉし…海賊になったからにはぁ…それなりに言うことがあるがぁ……お前らは海賊をなんだと思ってるぅ…?」
「自由気ままにに生きる!宝を奪うとか!」
「まぁ確かになぁ…だがよぉ、ラグナ……俺ら海賊は自由だが…自由にも自由の代償つうことがあるのを忘れるなぁ…?」
代償……ですか……
「例えば?」
「俺らのルールだぁ…まず……武器をねぇ人間を一方的に殺すなぁ…海賊には命の殺り合いもあるんだ…武器があってそれを手に取った奴はそいつの選んだことだぁ……だが、武器もねぇ奴らを殺すつうことは…テロを起こすのと同じ事だと思っとけぇ…!」
海賊のルール…私は正直、人の命を無差別に奪ってしまう人達だと
思っていましたが…
実際に見てみると、違うのですね
テロ……そういえば…
何処かの別の話に…テロって人が居ましたね…
「……むきゃ!」
「アステラル?急に可愛い声だしてどうしたんだ!?」
「…あっいえ!な、な、なんでもありません!?」
何を言ってるのですか私は!?こんな時に!?
「まぁなんだ……話を進めるぞぉ…次に……地上の宝は盗るなぁ…俺らは海賊…海の宝を奪え…地上の宝を奪うんなら山賊にでも泥棒にでもなりな…」
「名前的におかしいもんな!」
「海賊と山賊を一緒にする奴が多いが…一緒にしちゃあいけねぇ……」
海賊と山賊……
お互いの仲などはあるのでしょうか?
「最後に…俺らの海賊になるからにはぁ……家族であり、兄弟であり……海賊だぁ…その海賊のことで危険になるのはぁいいが…個人の理由で誰かを巻き込んで危険に晒してはいけないことだぁ…わかったかぁ…!」
「兄弟…兄弟かぁー!」
その言葉を聞いたラグナの顔は
凄く嬉しそうでした
「ま…お前さんらは……姉妹か…今までに女が海賊になったことは希でなぁ…」
「ビレスートぉー!ステイルを見つけたぞぉー!」
離れた場所でユクさんが手を振ってました
「おい……大声で話すことでもないだろ…」
「最近釣れないなぁ女にでも振られたのか?」
「…それはそっちだろ……」
「ま、まぁ!ステイルにも女は何時か来るだろ!」
「無理やり話を押し通すな…はぁ……行くぞ…」
ユクさんとステイルさんはこちらに向かっているようですね
…シャースさんが言っていた二人のこと…
幼なじみ…確かに、仲が悪そうで
仲が良さそうですね!
「さぁて…揃ったことだ……喋ることはぁ沢山あるが…今は船に乗れぇ…」
「改めて、よろしく頼むな!ラグナとアステラル!俺は副官だし、何かわからない事があれば教えてやるよ」
「ステイルだ……ユクが何かをやったのなら俺に言え…俺は周りに何かを探す偵察兵みたいなものだ…」
「なにもしねぇよ!?」
「船を動かすにはぁ…船員が必要だぁ……今は足りてるが…何時かお前らが船を動かすのも早いだろうなぁ…」
船を動く経験…このような大きな船の動かし方は
わかりませんね
「そろそろ出航だ……おぉぉおい!!おめぇら!イカリを上げろ!帆を下ろすのも遅れるなぁ!」
おおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!
ビレスートさんの言葉を聞いた海賊の皆さんは
昨日のただ酒を飲んでいた人達とは別人のように
それぞれの位置に着きました
……これが元々の姿なのでしょうか?
「おおおおおおおおおっ!」
ってラグナまで叫んでいたのですか…
「昨日の酒で頭を痛めてるかもしれねぇが、俺達の島まで持ちこたえろよ!」
「こっちも持ち場に着いた……ま、漂流物でもあれば知られる…酒は期待するな…」
俺達の島?何かの拠点でしょうか?
「島?島に出掛けるのか?」
ラグナが不思議そうな顔でビレスートさんに訪ねていました
「俺ら海賊の住んでる島だぁ…そこで宝の情報や地図、荷物なんかの情報を探すんだよぉ…」
「普段はそこの島で暮らしてるんだ。村とかだと、海上の国の奴等に目をつけられるからな」
海上………それって……
「海上………」
ラグナもユクさんの言葉を聞いた途端…
明らかに悩んでいる顔になっていました……
「いくら海賊の俺達でも、目立つ場所に居続けたらヤバ……って、どうした?ラグナ?」
「…ん?あ、何でもないぜ!?」
こんなに慌てているラグナを…
初めて見たような気がします……
「………………」
様子がおかしいです……大丈夫なのでしょうか…ラグナ…
「まーさか、今さら怖じ気ついたか?」
「…その、怖いとかじゃなく……考え事をしてたんだ」
「ま、海上の連中のことを考えていたなら心配すんな。何年か前に海上の王の娘が貴族アサシンとかいう野郎に拐われてからは海上内の警備に今でも集中している」
何年か前……恐らく、ラグナが貴族アサシンに襲われたあの日ですね…
「噂程度だし、この話に確証はないんだがなぁ~…。けど、警備が集中してることは確かだ。あの状況で海にまで厳重な警備は送れないだろ」
「……今なら安全に海は動ける…。まぁ…冒険に絶対の安全保証なんてないがな…」
何年も経った今でも……
あの日の事件のことは続いていたのですね…
「けっ…貴族アサシンかぁ……俺は貴族つうもんが大嫌いだがぁ…実際に居るんならよぉ…最悪な野郎だ…。何のために貴族の野郎を殺しているのかわからねぇよ…わかりたくもないがなぁ…!」
確かに……
なぜ、貴族アサシンは…
ラグナや貴族、騎士などを狙って殺しているのでしょうか…
それに……ホワードさんも言っていましたが…
貴族アサシンはホワードさんの元弟子であり
ホワードさんの次に守護者になるはずだった人…
……王国で何かあったのでしょうか?
王国に帰ることの出来なくなったホワードさん…
王国を裏切り、ラグナを狙った貴族アサシン…グティさん…
……そして、ホワードさんと何かの関係のあったシセイさん…
この三人は…何かの関係は絶対にあるはずです
……海賊の皆さんには噂としか貴族アサシンは知られていない…
けど、噂でも貴族アサシンはまだ生きている可能性があるということ……
もしも…ラグナと私が生きていると貴族アサシンが知ったら……
……生きる為に、ホワードさんに
ラグナと私に生き抜く力を教わってきました…
「……………」
「おいおい、アステラルまでそんな顔をするなよ。居たとしても、俺達は海賊だ。狙われることはねぇよ…たぶん」
「す、すみません…」
「よし!もう考えるのをやめだ!んで、ユクのおっさん島ってまだなのか?」
「切り替えるの早ぇな…まぁあと何時間かで着くはず」
ラグナはとりあえずは吹っ切れたようですが
気になっているのは同じですよね…
恐らく、昼ぐらいまで時間が過ぎた時です
「お、見えたぞ!あそこだ!」
ユクさんが指を指した先に見えたのは
かなりの大きい島が見えました
「………あそこが俺達が住んでいる島だ…」
「さぁて…ラグナとアステラルぅ…島に着いたらとりあえずだなぁ…まぁそこに居る海賊共に挨拶ぐらいはしとけぇ…わかったかぁぁ!!!」
「おう!」
「は、はい!?」
と、突然な大きな声で驚いてしまいました…
「小さぁい!!もう一度だぁ!」
「おおおおおおっ!!!」
「はい!!??」
「それでいぃ…さぁて……島まで待っとけ…」
ビレスートさん…小さい声の時の大きな声の時の差が激しいです…
そして数分後……
私達は船を降り……島へと上陸し、辺りを見渡しました
辺りには……何人をも海賊…船……
さっきの村とは全く違う雰囲気でした
「此所が俺達の島だぁ……まずは…あ~…おい、ステイルぅ…。こいつらの寝床を探してやれぇ……挨拶は歩きながらしとけぇ…」
「……わかった。ついて来い」
「おう!」
ラグナと私はステイルさんの跡をついて行き
島を歩いていきました
「お、ステイルじゃねぇか。つうことはビレスートは帰ってきたのか?」
道中に他の海賊らしき人が話を掛けてきました
「あぁ……会いに行くなら港に居るぞ…」
「へいよ。ってそうや……後ろの嬢ちゃん二人はなんだ?まさか、拾ってきたのか?」
「ユクと一緒にするな…新しい家族だ…」
家族…ですか……
思えば、私も家族と関わっていたのは
兄さんだけでしたね……
「まじか!?女が海賊にぃなるとはすげぇことだな」
「ラグナだぜ!これから、よろしく頼むな!」
ラグナが笑いながら自己紹介をしました
「私はアステラルです。同じく、よろしくお願いします」
「おう、よろしく頼むぞ」
皆さん、愉快な人達のような気がします…
「今は何処に行くんだ?」
「部屋を探しに拠点へと行くところだ…。空いてる部屋はあるか?」
「んなもの、腐るほどあるぞ」
部屋が腐ったらダメかと思うのですが……
「あ、部屋なら出来れば…狭くも広くもない二人部屋とかないかな?」
ラグナが部屋のリクエ……え?二人部屋?
「ら、ラグナ…なぜ二人部屋なのですか?」
「そりゃ!アステラルと一緒に寝るからだろ!」
「え、ええええっ!?」
ラグナとはホワードさんとの島の拠点などで一緒に寝てましたけど…
さ、流石に部屋となると……
「んー………普通の部屋ならあるけど、そんな二人部屋はないなぁ…。ベッドを大きくしてやるから二人で一つの部屋を使ってくれないか?」
「おう!それでいいぜ!やったな、アステラル!」
「そ、そ、そうですね…」
嫌という訳ではありませんが……
少し緊張しますよ…もう……
「場所は………よし、このメモを渡しておくから。管理人に見せたら良いと思うぞ」
海賊の人は何かを紙に書いて
ステイルさんに渡しました
「感謝する…」
「お前に感謝されても心が込もってねぇな。ま、行ってこい」
「……行くぞ」
海賊の人と別れをし…先にへと進みました
そういえば……管理人と言っていましたが
海賊が住んでいる島に
管理人なんて居るのでしょうか…?
「あの、管理人なんて居るのですか?」
「……同じ海賊だが、俺達の家を管理している奴だ。島から出ることはないだろうが…主に、掃除や皆の食事を作ることなどをする…」
なんか想像出来ませんね……
海賊ってごちゃごちゃしているイメージがあったのですが……
意外にも綺麗なのですかね…?
「こっちだ…」
ステイルさんに案内されながら、道を辿っていくと…
「…あれが俺達の家だ……」
そこに見えたのは……
とてつもなく、巨大な………船?
「あそこで生活をしている…」
地上に巨大な船………ま、まさか動かせるとか……?
「すげぇぇぇー!!なぁ!あの船も動かせるのか!?」
「何かがあった時だけ動かせる……あんな大きな船を毎日動かしてたら船員がな…」
確かに……何百万人の船員が必要となるのでしょうか……?
「元々は、俺達の海賊の先代達が使っていた船と言われているが…今では島などを離れて新たな拠点を目指す時だけ海にへと浮かせて動かすようにしている…。そもそも、大きい為…目立つから…戦いには的にしかならない…。大きくても良いものはない…」
海賊の先代………
この海賊達は種族的な生活になっているのですね
けど、もし昔にあの船が使われていたとしたら
どんな旅をしていたのでしょうか?
っと考えているうちに大きな船へと近づきました
近づくと……もっと大きく見えて
とても力強い船だと思いました……!
「でけぇなー!」
「……この船の名前は「ビッグ・ランド」だ…」
一体、どれだけの部屋などがあるのでしょうか…
「………掴まれ」
船には扉などなく
イカリを使ってエレベーターのように上に上がっていくそうです
……って言っても、私はエレベーターの実物なんて
見たことがないんですけどね……
イカリのロープを掴みながら、私達は上へと上がっていく
そして、船の甲板へと到着しました
「うわぁ!?あ、アステラル!此処からの眺めを見てみろよ!?」
ラグナが驚いた声をしながら、向かって言っていたことは
甲板から見た島や海の眺め………
凄く広くて……綺麗な光景です……
「夜になって夜空を見ると、また違った光景が見えるかもしれませんね」
「だな!夜にまた来てみようぜー!」
「………そろそろ行くぞ」
ステイルさん…口数とか少ないし
ユクさんとは幼なじみとシャースさんは言っていましたが……
気になりますね…
「…ステイルさん」
「なんだ?…」
「ユクさんとは幼なじみなのでしたっけ?」
船内を歩きながらステイルさんに尋ねてみました
「……女将かユクから聞いたのか?」
「は、はい…」
「…ユクとは3歳からの付き合いか…思えば、もうあれから30年は経つのか…」
あれから……?子供の頃に何かあったのでしょうか?
って3歳からの付き合い!?
「もしかして、ステイルのおっさんとユクのおっさんって…兄弟なのか!?」
「絶対にありえんな」
ら、ラグナの質問を即答ですか……
「大体、俺とあいつが兄弟だと思うか?髪色も違う…性格も全く似ていない…ユクはそれに変態だ」
あ、あれ?ステイル…さん?
「あんな変態と俺を一緒にされては困る。ユクは変態だが、俺は何事にも興味はない…。あの変態……この前も前も前も…どれだけ女の胸を見て……!」
す、ステイルさんの口数が増えて…声も大きくなっているような……?
「何時も止めるのは俺で、それをあいつは何時も次からはしない次からはしないと何度も嘘をばかりを…!!」
「…ぷっあっははっははははははは!!w」
ら、ラグナ!?
「……おかしいか?」
「だってさ、ステイルのおっさんってユクのおっさんのことすげぇー見てるんだなって!」
「…………嫌でも長い時間居ればそうなる…」
「それに、本当に嫌いならとぉーっくに!別れてると思うぜ!あんたは、なんで海賊になったんだ!?」
も、もう!ラグナらしい単刀直入な言い方ですけど
時々は入り方とか……あーもう!
最近の私は一体、何を言ってるのでしょうか!?
「……細かくは言えないが、成り行きだな…」
「成り行きって?」
「………行くぞ」
なぜか、その時のステイルさんの顔は
怒っているようにも見え……悲しくも見え……嬉しそうにも見えました
……一体、過去に何が…
「着いたぞ……管理人には俺から言っておく…部屋の扉にある上の番号を見て辿っていけば何とか着くだろう…お前達の部屋は381号室だ。部屋で荷物などを整理したらビレスートの所に戻るといい」
そう言って、ステイルさんは階段を降りて行きました
「……探しましょうか」
「どんな部屋だろうな!」
ラグナと私は廊下を進みながら、道中にすれ違う
海賊さん達に挨拶もして進みました
ほとんどの皆さんが笑顔や険しい顔で挨拶を返してくれました
なんというか…本当に世の中って広いですよね
私が思っている海賊とは違いましたから
数分後……
「……379号室…380号室…381号室…あ、此処ですね!」
「やっとかぁぁー!よし、入ろうぜ!アステラル!」
ラグナと私は扉を開け、中に入ると……
宮殿の部屋とは違い、広くも狭くもない部屋で
ベッドはまだ普通のサイズでした
他にも、机やタンスまであるようです
……普通、此所まで部屋を用意してくるのは
海賊として大丈夫なのでしょうか…?
「おぉ!そうそう、こういう部屋に私は憧れていたんだよな~!」
そう言いながら、ベッドへと飛び込むラグナ……
嬉しそうで良かったのですが…
……海賊のこともですが、貴族アサシンのこと………
………なんでしょう?凄く胸騒ぎがします…
この感覚……前にもあったような気が…
「アステラル?」
「…あ、どうしました?」
いつの間にか、ラグナは心配そうな顔で私を見ていました
「そうや、昨日からかなり動いていたもんなぁ…少し休憩してから行こうぜ?」
「そうですね…」
「アステラルは寝ないのか?」
「………では、少しだけ…」
私はラグナの横に倒れ…
「……なんか、落ち着きます…」
「だな…そういえば、アステラル」
「はい?」
「アステラルの夢ってどうするんだ!?」
そういえば、まだホワードさんのことで答えてなかったですね…
「まだ私の夢は…わかりません。けど……」
「けど?」
「……私は、これから夢を見つけてみようと思います…!」
「…わかった!夢に年齢とか関係ないしな!一緒に探してみるのも良いかもな!アステラルが私と一緒に来てくれたように!」
関係ないとか言ってくれるのはラグナは…優しいですね…
………これは、夢というより願いですが……
これからも…ラグナと一緒に居たいです………
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