異世界でも介護するんだってさ〜王宮の魔法と絆〜

ロキ

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異世界でも介護するんだってさ 

第三十二話「魔導書の真実〜禁断の研究と心の解放〜」

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早朝の王立図書館、薄暮の中でリリスは古い魔導書に向き合っていた。エルドリッチから託された禁断の魔導書からは、強い魔力の残滓が漂い、その重みが彼女の心を圧迫する。

暗部との対面
「この魔力の痕跡…まるで祖父様の…」
震える指でページをめくるたび、衝撃的な事実が明らかになっていく。〈従属の首輪〉の原型となった研究、そして数々の失敗の記録。実験体となった魔法使いたちの名前が、無機質に並んでいた。
「これが、あの時の真実…」
リリスの脳裏に、大魔導師バルトの最期が蘇る。制御を失った魔力に苦しみ、自ら命を絶った祖父の姿。その背景には、この研究の影があったのかもしれない。

エルドリッチの告白
「やはり気付いたか、リリス」
静寂を破る足音と共に、エルドリッチが姿を現す。その表情には、これまで見せたことのない深い悔恨の色が刻まれていた。
「この研究は、私の最大の過ちであり、贖罪の証でもある」
エルドリッチは重い口を開く。二十年前、彼は完全なる魔力制御を目指していた。魔力暴走で命を落とす魔法使いたちを救うための研究。しかし、その過程で多くの犠牲者を生み出してしまった。

真実の重み
「実験体となった者たち…彼らは皆、魔力制御に苦しむ魔法使いたちだった」
エルドリッチの声が震える。
「私は彼らを救えると信じていた。しかし、結果は…」
次々と魔力暴走で命を落とすか、廃人となっていった被験者たち。そして最後に完成したのが、〈従属の首輪〉という歪んだ制御装置だった。

新たな光明
「しかし、今なら違う方法がある」
リリスは立ち上がる。悠斗の心理潜航の技術が、新たな可能性を示していた。
「魔力は心の表れ。だからこそ、心理潜航を応用すれば…」
魔導書の余白に、リリスは新たな術式を描き始める。それは従来の制御術式とは全く異なる、心と魔力の調和を目指すものだった。

研究の転換
エルドリッチもリリスの傍らに座り、共に研究を始める。古い魔導書の知識と、心理潜航の理論が融合していく。
「この部分に心理潜航の原理を組み込めば…」
「そうだ、魔力の流れを強制的に制御するのではなく、導くんだ」
二人の研究者の息が徐々に合っていく。過ちの償いと、新たな希望が交差する瞬間だった。

夜明けの誓い
夜が明けようとする図書館で、リリスとエルドリッチは新たな決意を固める。
「この研究を、正しい形で完成させましょう」
「ああ、もう誰も犠牲にはしない」
朝日が図書館の窓から差し込み始める中、リリスは静かに祈るように呟いた。
「祖父様、私たちはようやく正しい道を見つけました。シルビアも、きっと解放できる…」
魔導書は、もはや禁断の書ではない。それは希望への道標となり、新たな魔法の歴史を刻み始めようとしていた。
〈従属の首輪〉からの解放。その道は、確実に開かれつつあった。そして、それは同時にリリス自身の心の解放でもあったのだ。
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