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030 ダニエルの姉襲来
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リリーが、ダニエルの屋敷でお世話になってから三ヵ月の月日が経った。季節は、夏から秋に変わっている。グヴィネズ国は、ヴォリック国よりも北に位置するのでいつも感じていた秋よりも寒い気がする。
聞くところによると、冬が来るのもリリーが暮らしていた国よりも早いみたいだ。
リリーは、すっかりマーティン伯爵家に馴染んでいた。使用人が板につき、貴族令嬢だったのが嘘のようだ。
それに結局、最初のままずっとダニエル付きのメイドとして働かせてもらっている。顔を合わせるのが多いからか、ダニエルは常にリリーを気にかけてくれた。
偶に夕食を一緒に摂ったり、初めてお休みを頂いた日はグヴィネズ国を案内してくれたりもした。
リリーの中で、遊んだり何処かに出掛けて楽しんだりすることに抵抗がある。自分は、そんなことをしている場合ではないという思いが常に付きまとうのだ。
だけど、ダニエルはそんな気持ちを抱えるリリーに気づいているようで上手に楽しませてくれる。
複雑な心境を抱えて屋敷を出たはずなのに、帰ってくる頃には自然と笑顔にされていた。何かに押しつぶされそうになっていた心の重しが、少しだけ軽くなったみたいだった。
リリーの中でダニエルという人間が大きな存在になっている。でもあくまでも、雇用主としてだと固く心を閉ざす。絶対に一線は越えてはいけないのだと、リリーは常に言い聞かせていた。
でもリリーは、ちょっとだけ、ダニエルに戸惑いを覚えている。雇用主として、使用人に良くして頂けるのは本当に嬉しい。だけど、自分のことを恩人だからと過剰に気を遣われているのではないかと心配になるのだ。
リリーは、マーティン家で雇って貰えるだけで充分だ。それ以上は何も望まない。だから最近は、ダニエルがリリーに優しくしてくれると気が引ける。恩返しだと言うけれど、貰い過ぎている気になるのだ。
リリーは、何かを考えだすと頭がパンクしそうになる。余計なことを考えない為に、がむしゃらに働いた。そうすれば、夜も疲れてすぐに寝てしまう。
夜、思考の海に嵌ってしまうと暗く落ち込んでしまうのだ。特に、アレンのことを考える時間が多い。
今日も元気にしているだろうか? もう、ピーターソン家には慣れただろうか? 不自由な思いはしていないだろうか? 顔が見たいと泣きたくなる。
そんな時は、眠りに落ちてしまえば余計なことを考える時間がなくなる。
仕事に熱中していたリリーだったが、色んなことに接するうちに自分の中の視野が少しずつ広くなっていった。きっと、マーティン家での自分の存在が少しずつ認められて、心に余裕が出てきたからかもしれない。
アレンのことばかりではなく、両親たちのことも気になりだした。グレンに探されるのを恐れて、国を出てきた訳だが……。
グレンは、フローレス家に自分を探しに行ったのだろうか? そうだとしたら、両親に何て言ったのだろう? 色々な疑問ばかりが頭に浮かぶ。
考えれば考えるほど、自分は親不孝な子供で何て不出来な娘なのだと怒りを覚える。でもだからと言って、どうすればいいのかわからない。
一つ落ち着いたと思ったら、また新たな不安が胸の中に生まれて自分でも嫌になりつつあった。
ある日、いつものようにリリーが屋敷の掃除をしている時だった。その日は、図書室の担当で圧倒される書籍の数にただただ感動していた。
床を箒ではいていたところに――――。
突然、バンッと図書室の扉が勢いよく開け放たれた。
リリーは、驚いて扉の方に目をやった。
「あなたが、ダニエルが連れて来た子なの?」
気品さと高貴さを兼ね備えて、圧倒的な存在感を放つ女性が仁王立ちして立っている。
(この光景、前にも見た気がするのだけど……)
リリーは、何と答えていいのか分からずに右往左往していた。
「ちょっと、聞いているのだけれど?」
女性は、リリーが何も言わないのに痺れを切らしているようだ。リリーは、慌てて返事をした。
「ッリリーと申します。ダニエル様の紹介で働かせて頂いています」
リリーは、助けたくだりから説明すると長くなると思い省略した。女性は、リリーをジーっと観察している。
リリーは、一体どなたなのだろうと戸惑う。髪は金髪で、綺麗なロングウェーブ。瞳の色がオレンジで、とても華やかな印象を受ける。年齢は、リリーの姉と同じくらいだろうか……。
「ダニエルの婚約者じゃないの? 何で働いてなんかいるのよ? ひょっとして虐められているの?」
女性は、ハッとした顔をしたかと思ったら怪訝そうな表情に変わる。表情がコロコロ変わってとても忙しい人だ。
「ちっ違います。滅相もありません。ダニエル様とは、そういった関係ではなく只の雇用主です」
リリーは、大きくかぶりを振って全否定する。女性の表情が、思いっきり疑いの眼差しに変わる。すると、扉の後ろから誰かが駆けてくる足音が聞こえた。
「ねーさん、いきなり何なんだよ」
駆けてきたのはダニエルだった。息を切らせていて、肩で息をしている。
「ちょっとダニエル、どういうこと? 他国で死にそうになって、助けてくれた女性を連れて来たのではないの? それって惚れちゃったってことでしょ?」
ダニエルは、物凄く動揺している。
「ばっ。ちがっ。いや、ちがくもないと言うか……。いや、でも……」
リリーは、これと同じ光景をこの前も見た気がする。マーティン伯爵に初めて会った時と同じなのだと思い出す。
お姉さんって言っていたから、きっとマーティン伯爵に似ているんだ。
「何なの? この子。はっきりしないで気持ち悪いんだけど?」
ダニエルの姉は、冷ややかな視線を弟に向けている。姉弟仲が良さそうで、見ていてなんだか可笑しくなってくる。
「ふふふ、お二人は仲がよろしいんですね」
リリーは、堪え切れなくて笑いをもらしてしまう。
「ははーん。ダニエルさては……かた」
姉がしゃべっている途中で、ダニエルが彼女の口を塞いでしまう。
「ちょっと!」
もがもがと、ダニエルの姉が塞がれた口を必死で解こうとしている。
「もーいいから、ねーさんは黙ってくれ!」
ダニエルも、これ以上余計なことを言わないように必死だ。そんな光景を、リリーはキョトンとしながら見ていた。一体二人とも、何を言い争っているのだろう?
ダニエルが、とにかく場を仕切り直して姉を黙らせる。
「わかったわよ。もう言わないから、説明しなさいよ! リリーだっけ? ちょっと休憩して三人でお茶でも飲むわよ」
姉の一声で、リリーとダニエルはしていた仕事を中断してお茶を飲むことになった。三人で図書室から、居間へと移動した。
聞くところによると、冬が来るのもリリーが暮らしていた国よりも早いみたいだ。
リリーは、すっかりマーティン伯爵家に馴染んでいた。使用人が板につき、貴族令嬢だったのが嘘のようだ。
それに結局、最初のままずっとダニエル付きのメイドとして働かせてもらっている。顔を合わせるのが多いからか、ダニエルは常にリリーを気にかけてくれた。
偶に夕食を一緒に摂ったり、初めてお休みを頂いた日はグヴィネズ国を案内してくれたりもした。
リリーの中で、遊んだり何処かに出掛けて楽しんだりすることに抵抗がある。自分は、そんなことをしている場合ではないという思いが常に付きまとうのだ。
だけど、ダニエルはそんな気持ちを抱えるリリーに気づいているようで上手に楽しませてくれる。
複雑な心境を抱えて屋敷を出たはずなのに、帰ってくる頃には自然と笑顔にされていた。何かに押しつぶされそうになっていた心の重しが、少しだけ軽くなったみたいだった。
リリーの中でダニエルという人間が大きな存在になっている。でもあくまでも、雇用主としてだと固く心を閉ざす。絶対に一線は越えてはいけないのだと、リリーは常に言い聞かせていた。
でもリリーは、ちょっとだけ、ダニエルに戸惑いを覚えている。雇用主として、使用人に良くして頂けるのは本当に嬉しい。だけど、自分のことを恩人だからと過剰に気を遣われているのではないかと心配になるのだ。
リリーは、マーティン家で雇って貰えるだけで充分だ。それ以上は何も望まない。だから最近は、ダニエルがリリーに優しくしてくれると気が引ける。恩返しだと言うけれど、貰い過ぎている気になるのだ。
リリーは、何かを考えだすと頭がパンクしそうになる。余計なことを考えない為に、がむしゃらに働いた。そうすれば、夜も疲れてすぐに寝てしまう。
夜、思考の海に嵌ってしまうと暗く落ち込んでしまうのだ。特に、アレンのことを考える時間が多い。
今日も元気にしているだろうか? もう、ピーターソン家には慣れただろうか? 不自由な思いはしていないだろうか? 顔が見たいと泣きたくなる。
そんな時は、眠りに落ちてしまえば余計なことを考える時間がなくなる。
仕事に熱中していたリリーだったが、色んなことに接するうちに自分の中の視野が少しずつ広くなっていった。きっと、マーティン家での自分の存在が少しずつ認められて、心に余裕が出てきたからかもしれない。
アレンのことばかりではなく、両親たちのことも気になりだした。グレンに探されるのを恐れて、国を出てきた訳だが……。
グレンは、フローレス家に自分を探しに行ったのだろうか? そうだとしたら、両親に何て言ったのだろう? 色々な疑問ばかりが頭に浮かぶ。
考えれば考えるほど、自分は親不孝な子供で何て不出来な娘なのだと怒りを覚える。でもだからと言って、どうすればいいのかわからない。
一つ落ち着いたと思ったら、また新たな不安が胸の中に生まれて自分でも嫌になりつつあった。
ある日、いつものようにリリーが屋敷の掃除をしている時だった。その日は、図書室の担当で圧倒される書籍の数にただただ感動していた。
床を箒ではいていたところに――――。
突然、バンッと図書室の扉が勢いよく開け放たれた。
リリーは、驚いて扉の方に目をやった。
「あなたが、ダニエルが連れて来た子なの?」
気品さと高貴さを兼ね備えて、圧倒的な存在感を放つ女性が仁王立ちして立っている。
(この光景、前にも見た気がするのだけど……)
リリーは、何と答えていいのか分からずに右往左往していた。
「ちょっと、聞いているのだけれど?」
女性は、リリーが何も言わないのに痺れを切らしているようだ。リリーは、慌てて返事をした。
「ッリリーと申します。ダニエル様の紹介で働かせて頂いています」
リリーは、助けたくだりから説明すると長くなると思い省略した。女性は、リリーをジーっと観察している。
リリーは、一体どなたなのだろうと戸惑う。髪は金髪で、綺麗なロングウェーブ。瞳の色がオレンジで、とても華やかな印象を受ける。年齢は、リリーの姉と同じくらいだろうか……。
「ダニエルの婚約者じゃないの? 何で働いてなんかいるのよ? ひょっとして虐められているの?」
女性は、ハッとした顔をしたかと思ったら怪訝そうな表情に変わる。表情がコロコロ変わってとても忙しい人だ。
「ちっ違います。滅相もありません。ダニエル様とは、そういった関係ではなく只の雇用主です」
リリーは、大きくかぶりを振って全否定する。女性の表情が、思いっきり疑いの眼差しに変わる。すると、扉の後ろから誰かが駆けてくる足音が聞こえた。
「ねーさん、いきなり何なんだよ」
駆けてきたのはダニエルだった。息を切らせていて、肩で息をしている。
「ちょっとダニエル、どういうこと? 他国で死にそうになって、助けてくれた女性を連れて来たのではないの? それって惚れちゃったってことでしょ?」
ダニエルは、物凄く動揺している。
「ばっ。ちがっ。いや、ちがくもないと言うか……。いや、でも……」
リリーは、これと同じ光景をこの前も見た気がする。マーティン伯爵に初めて会った時と同じなのだと思い出す。
お姉さんって言っていたから、きっとマーティン伯爵に似ているんだ。
「何なの? この子。はっきりしないで気持ち悪いんだけど?」
ダニエルの姉は、冷ややかな視線を弟に向けている。姉弟仲が良さそうで、見ていてなんだか可笑しくなってくる。
「ふふふ、お二人は仲がよろしいんですね」
リリーは、堪え切れなくて笑いをもらしてしまう。
「ははーん。ダニエルさては……かた」
姉がしゃべっている途中で、ダニエルが彼女の口を塞いでしまう。
「ちょっと!」
もがもがと、ダニエルの姉が塞がれた口を必死で解こうとしている。
「もーいいから、ねーさんは黙ってくれ!」
ダニエルも、これ以上余計なことを言わないように必死だ。そんな光景を、リリーはキョトンとしながら見ていた。一体二人とも、何を言い争っているのだろう?
ダニエルが、とにかく場を仕切り直して姉を黙らせる。
「わかったわよ。もう言わないから、説明しなさいよ! リリーだっけ? ちょっと休憩して三人でお茶でも飲むわよ」
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