平民に憑依してしまったようですわ

一章

１話 父や私の日常

◇なんですの！お父様！◇
「皇帝陛下、朝食の準備が整いましたわ。」
「わかった。今行こう」
これは朝いつも聞くメイドの声、そして私の父の声
毎朝言ってることは同じ。朝食の準備が整ったことをしらせると父が返事をする。
テンプレートかよ！ってくらい毎朝同じセリフなの。
で、私は今皇室にいる。
なぜかって？私が問いたいくらいだわ。毎朝呼び出されるのよ。"お父様"に。
私の身支度が整ったら呼び出され父と宰相のなんか難しい話(興味がないので聞いてない)を聞かされる。正直なんで呼び出されてるのか分からないけど。私と喋るために呼び出すならまだしも宰相と話をして私と雑談しようなんて気は全くないみたい。なんなの？本当！
用が無いのに呼び出さないでよね！私は部屋で本が読みたいのに！！！
まあ、それなら皇帝に直接言えって思うでしょ？
でもね…私の父はちょっと…というかかなり狂ってるの。私がそんなことを言ったところで睨まれるだけ。一応これまでに何度か話したことはあるのよ？用がないなら呼び出すなって。まあ、聞く耳もたず。顔を傾けて私の方を見ることだけはしたけど宰相とずっと話して私のお願いに口を挟んでくれることはなかった。酷いと思わない？なんて醜いのよ。
宰相も宰相よね。普通私のこと気にしない？
それとも私が過剰なだけ？
今から私の父がどれほど狂ってるか教えるわ。