平民に憑依してしまったようですわ

一章

3話 さみしいです

◇真の友達◇
私は最も身分の高い家に生まれた皇女だからか本当の友達はいなかった。
皇女でも友達くらいできる。そう思う人がほとんどだと思う。だけど、みんな少しでも皇宮の人達に気に入られたいのか、それともびびってるのか、私とわざと趣味や行動を被せてくる。
本当に好きなことを偽り私の趣味にあわせる。別にあわせなくたっていいのに。私は読書と刺繍が好き。というかそれ以外やっていいことがない。外で走り回ったり木登りしたり…そんなことはやってはいけない。
これが庶民と貴族の違いかー前世は楽しかったのに。
伯爵や公爵でさえも私が読書が好きだからと、普段は読みもしない本を持ってきて私と読んでいた。でも読むのが遅すぎて普段読んでいないのがまるわかり。なぜそんなに合わせるのだろう。
もちろん皇女だから社交会みたいなことはあるのよ？上級貴族のパーティーとか。
でもこの14年間生きてきて社交パーティーなどに出たことは4回。
普通のパーティーだってたったの6回なのよ！？皇女なのに！！頭おかしいんじゃないのもう！あ、父は頭おかしいんだった(笑)おかげでちょっと気になる子にも会えないし同じくらいの身分の友達をつくることもできない。
「はあ…皇女なんてやめちゃいたい。…………….なんてね………」だめだよね。こんなこと言っちゃ！さあ仕事仕事！