二人分働いてたのに、「聖女はもう時代遅れ。これからはヒーラーの時代」と言われてクビにされました。でも、ヒーラーは防御魔法を使えませんよ?

小平ニコ

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第二部 獣人武闘祭

第261話(ミャオ視点)

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「き、きみ、本当にネルロちゃんニャ? よく見ると、今日はあんまりぬめぬめしてないニャ」

 ネルロちゃんは、こくんと頷いた。

「昨日はごめんなさい……久しぶりに同年代の女の子と会ったから、興奮しちゃって……私、興奮すると、いっぱい濡れちゃうの……」

「な、なんか嫌な言い方ニャ……」

「行動も、少しおかしかったでしょう? でも大丈夫。一晩中、カーテンの隙間からミャオちゃんの寝顔を見てたから、今は落ち着いてお話ができるわ……」

「そ、それもなんか嫌ニャぁ……」

「まあ、私のことは置いておくとして……、今、ミャオちゃんがディーナさんに抱いている感情は、子供のワガママ以外の何物でもないわ。大好きな先生を他の人に取られて、ヤキモチを焼いているのね」

「んにゃっ!?」

 な、なんてストレートに核心を突いてくるニャ。
 ストレートすぎて、反論のしようがない。
 僕は、黙り込んでしまった。

「仲直り、した方がいいわ。強い絆で結ばれた家族も、些細なことで、すれ違い、永遠に会えなくなることもあるんだから……」

 ネルロちゃんは、僕にではなく、自分に言い聞かせるように言った。

「ネルロちゃん……?」

 ネルロちゃんは、じっと僕を見た。
 何かを話したがっているのがすぐわかった。

 今度は、僕が彼女の話を聞く番だと思った。

 ネルロちゃんはさっき、一方的な僕の愚痴を、文句も言わずに全部聞いてくれた。その気持ちに報いるべきだ。僕は黙って、ネルロちゃんが話し出すのを待った。

「私のママはね……スライムなの」

「スライムって、あのモンスターのスライムニャ?」

「そう、あのモンスターのスライム」

 僕は、ネルロちゃんが冗談を言っているのかと思い、軽く吹き出しそうになったが、口を閉じてそれをこらえた。どう見ても、冗談を言っている顔じゃなかったからだ。

「パパは熊柔道の修行のために山籠もりをしているとき、一匹のスライムと出会ったの。そのスライムは、山のお堂で座禅を組むパパを、襲うでもなく逃げるでもなく、じっと見てたんだって」

 めずらしいスライムだニャ。

 僕もこれまで、何度かモンスターと出くわしたことがあるけど、モンスターのとる行動は、普通、二つに一つ。襲ってくるか、逃げるかだからニャ。
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