35 / 41
この期に及んで何を言う
しおりを挟む
突然、ガシャンと重たい金属がぶつかる音がした。
皆が不思議そうに音がした方を見ると、護衛官に押さえ付けられているデージーの首に重たそうな鎖が絡み付き、その先は床に固定されていた。
「なによ、コレ」
「お前が何度も過去に行くせいでこの世界が乱れ、壊れ掛けていた」
ファルシオンが冷たい視線でデージーを射抜く様に見る。
ファルシオンの言葉にエリンジウム達だけでなく、会場を埋める生徒や生徒の親達までもデージーを睨み付けた。
「この鎖はお前が抗うとも過去には戻れ無い証だ」
「いや、いやよ。なら後一回だけ。エリンのルートに戻して。エリン、今度はちゃんと王太子妃の勉強もするし、毎日ドレスや宝石が欲しいなんて言わない」
泣き叫ぶデージーをエリンジウムは冷ややかに見る。
「ハンサムな護衛が欲しいなんて言わない。ちゃんとエリンだけ見るから」
この期に及んで何を言うのだろう。
エリンジウムだけで無く周りのもの達も冷ややかにデージーを見た。
「断る。お前の様な存在、この世界には不必要だ」
エリンジウムの断罪にデージーは拘束する男達に抵抗し、めちゃくちゃに暴れたがそのまま引き摺られるように会場から連れ出された。
「あれ、本当ですか?」
小さい声でランタナがファルシオンに尋ねると
「無駄な魔力を俺が使うと思うか?」
と、返されランタナやマロウは笑い転げた。
「やっぱり。どうせアイツはたいした魔力を持ってないから1人じゃ時間迷路に入れないんでしょ」
「いや、弱い奴でも入るだけならできるが、大体の人間は時間迷路を踏破出来ないだけだ」
ファルシオンも体験した時間迷路は、誰も踏破できないものなのだ。
「えっ?でもアリッサやファルシオン先生は……」
「迷路を簡単に抜ける方法を知ってるか?」
ランタナだけでなく、エリンジウム達もファルシオンを息を呑んで見詰める。
「迷路に入らず、上を飛ぶ事だ」
「ある意味詐欺ですね」
「裏技じゃ無いんだ」
「落ちたら大変です」
と、彼等の緊張感が一気に無くなり、そばに居た者達も肩透かしを食らった様な顔をした。
「真面にやる場所じゃ無いんだよ。それに過去に戻ってどうする。俺達は未来に向かって進むだけだろ」
ファルシオンの言葉に皆、頷いた。
過去は思い出すぐらいがちょうど良い。
浸り過ぎるのも、戻るのも人として歪なのだろう。
冬のパーティーはその後、一部の人間を除けば和やかで、楽しい交流会となり無事終わった。
幻覚魔法に踊らされた者達は自分たちの言動を恥じ、それ以降は大人しくなりエリンジウム達はサラッと卒業を迎えた。
アリッサ達はそのまま学園を後にしても良かったのにランタナ達が卒業する迄学園に留まり、彼女達の卒業式を見てから魔法使いの塔に戻った。
皆が不思議そうに音がした方を見ると、護衛官に押さえ付けられているデージーの首に重たそうな鎖が絡み付き、その先は床に固定されていた。
「なによ、コレ」
「お前が何度も過去に行くせいでこの世界が乱れ、壊れ掛けていた」
ファルシオンが冷たい視線でデージーを射抜く様に見る。
ファルシオンの言葉にエリンジウム達だけでなく、会場を埋める生徒や生徒の親達までもデージーを睨み付けた。
「この鎖はお前が抗うとも過去には戻れ無い証だ」
「いや、いやよ。なら後一回だけ。エリンのルートに戻して。エリン、今度はちゃんと王太子妃の勉強もするし、毎日ドレスや宝石が欲しいなんて言わない」
泣き叫ぶデージーをエリンジウムは冷ややかに見る。
「ハンサムな護衛が欲しいなんて言わない。ちゃんとエリンだけ見るから」
この期に及んで何を言うのだろう。
エリンジウムだけで無く周りのもの達も冷ややかにデージーを見た。
「断る。お前の様な存在、この世界には不必要だ」
エリンジウムの断罪にデージーは拘束する男達に抵抗し、めちゃくちゃに暴れたがそのまま引き摺られるように会場から連れ出された。
「あれ、本当ですか?」
小さい声でランタナがファルシオンに尋ねると
「無駄な魔力を俺が使うと思うか?」
と、返されランタナやマロウは笑い転げた。
「やっぱり。どうせアイツはたいした魔力を持ってないから1人じゃ時間迷路に入れないんでしょ」
「いや、弱い奴でも入るだけならできるが、大体の人間は時間迷路を踏破出来ないだけだ」
ファルシオンも体験した時間迷路は、誰も踏破できないものなのだ。
「えっ?でもアリッサやファルシオン先生は……」
「迷路を簡単に抜ける方法を知ってるか?」
ランタナだけでなく、エリンジウム達もファルシオンを息を呑んで見詰める。
「迷路に入らず、上を飛ぶ事だ」
「ある意味詐欺ですね」
「裏技じゃ無いんだ」
「落ちたら大変です」
と、彼等の緊張感が一気に無くなり、そばに居た者達も肩透かしを食らった様な顔をした。
「真面にやる場所じゃ無いんだよ。それに過去に戻ってどうする。俺達は未来に向かって進むだけだろ」
ファルシオンの言葉に皆、頷いた。
過去は思い出すぐらいがちょうど良い。
浸り過ぎるのも、戻るのも人として歪なのだろう。
冬のパーティーはその後、一部の人間を除けば和やかで、楽しい交流会となり無事終わった。
幻覚魔法に踊らされた者達は自分たちの言動を恥じ、それ以降は大人しくなりエリンジウム達はサラッと卒業を迎えた。
アリッサ達はそのまま学園を後にしても良かったのにランタナ達が卒業する迄学園に留まり、彼女達の卒業式を見てから魔法使いの塔に戻った。
280
あなたにおすすめの小説
ガリ勉令嬢ですが、嘘告されたので誓約書にサインをお願いします!
荒瀬ヤヒロ
恋愛
成績優秀な男爵令嬢のハリィメルは、ある日、同じクラスの公爵令息とその友人達の会話を聞いてしまう。
どうやら彼らはハリィメルに嘘告をするつもりらしい。
「俺とつきあってくれ!」
嘘告されたハリィメルが口にした返事は――
「では、こちらにサインをお願いします」
果たして嘘告の顛末は?
虐げられ続けてきたお嬢様、全てを踏み台に幸せになることにしました。
ラディ
恋愛
一つ違いの姉と比べられる為に、愚かであることを強制され矯正されて育った妹。
家族からだけではなく、侍女や使用人からも虐げられ弄ばれ続けてきた。
劣悪こそが彼女と標準となっていたある日。
一人の男が現れる。
彼女の人生は彼の登場により一変する。
この機を逃さぬよう、彼女は。
幸せになることに、決めた。
■完結しました! 現在はルビ振りを調整中です!
■第14回恋愛小説大賞99位でした! 応援ありがとうございました!
■感想や御要望などお気軽にどうぞ!
■エールやいいねも励みになります!
■こちらの他にいくつか話を書いてますのでよろしければ、登録コンテンツから是非に。
※一部サブタイトルが文字化けで表示されているのは演出上の仕様です。お使いの端末、表示されているページは正常です。
[完結]私、物語りを改竄します。だって、女神様が全否定するんだもん
紅月
恋愛
病気で死んだけど、生まれ変わる前に号泣する女神様に会った。
何やらゲームのパッケージを見て泣きながら怒っている。
「こんなの私の世界で起こるなんて認めない」
あらすじを読んでいた私に向かって女神様は激おこです。
乙女ゲームはやった事ないけど、この悪役令嬢って書かれている女の子に対してのシナリオ、悲惨だ。
どのストーリーを辿っても処刑一択。
ならば私がこの子になってゲームのシナリオ、改ざんすると女神様に言うと号泣していた女神様が全属性の魔力と女神様の加護をくれる、と商談成立。
私は悪役令嬢、アデリーン・アドラー公爵令嬢としてサレイス王国で新しい家族と共に暮らす事になった。
ゲームには参加しません! ―悪役を回避して無事逃れたと思ったのに―
冬野月子
恋愛
侯爵令嬢クリスティナは、ここが前世で遊んだ学園ゲームの世界だと気づいた。そして自分がヒロインのライバルで悪役となる立場だと。
のんびり暮らしたいクリスティナはゲームとは関わらないことに決めた。設定通りに王太子の婚約者にはなってしまったけれど、ゲームを回避して婚約も解消。平穏な生活を手に入れたと思っていた。
けれど何故か義弟から求婚され、元婚約者もアプローチしてきて、さらに……。
※小説家になろう・カクヨムにも投稿しています。
【完結】姉を追い出して当主になった悪女ですが、何か?
堀多 ボルダ
恋愛
「お姉様、このマクレディ伯爵家は私が後を継ぎます。お姉様は邪魔なので今すぐこの家から出ていってください」
両親の急逝後、伯爵家を切り盛りしていた姉を強引に追い出して妹ダリアは当主となった。しかし、それが原因で社交界からは稀代の悪女として嫌われるようになった。
そんな彼女の元を訪ねたのは、婿に来てほしい男ナンバーワンと噂される、社交界で人気の高い幼馴染だった……。
◆架空の世界にある架空の国が舞台の架空のお話です。
◆カクヨムにも掲載しています。
私を見下していた婚約者が破滅する未来が見えましたので、静かに離縁いたします
ほーみ
恋愛
その日、私は十六歳の誕生日を迎えた。
そして目を覚ました瞬間――未来の記憶を手に入れていた。
冷たい床に倒れ込んでいる私の姿。
誰にも手を差し伸べられることなく、泥水をすするように生きる未来。
それだけなら、まだ耐えられたかもしれない。
だが、彼の言葉は、決定的だった。
「――君のような役立たずが、僕の婚約者だったことが恥ずかしい」
乙女ゲームっぽい世界に転生したけど何もかもうろ覚え!~たぶん悪役令嬢だと思うけど自信が無い~
天木奏音
恋愛
雨の日に滑って転んで頭を打った私は、気付いたら公爵令嬢ヴィオレッタに転生していた。
どうやらここは前世親しんだ乙女ゲームかラノベの世界っぽいけど、疲れ切ったアラフォーのうろんな記憶力では何の作品の世界か特定できない。
鑑で見た感じ、どう見ても悪役令嬢顔なヴィオレッタ。このままだと破滅一直線!?ヒロインっぽい子を探して仲良くなって、この世界では平穏無事に長生きしてみせます!
※他サイトにも掲載しています
【完結】異世界から来た聖女ではありません!
五色ひわ
恋愛
ミシュリーヌは、第四王子オーギュストの妃としてフルーナ王国の王宮で暮らしている。しかし、夫であるオーギュストがミシュリーヌの寝室に訪れることはない。ミシュリーヌは聖女の力を持っていたため、妻に望まれただけなのだ。それでも、ミシュリーヌはオーギュストとの関係を改善したいと考えている。
どうすれば良いのかしら?
ミシュリーヌは焦っていた。七年間かけて国中の水晶を浄化したことにより、フルーナ王国は平穏を取り戻しつつある。それは同時に聖女の力がこの国に必要なくなったことを意味していた。
このまま、オーギュストの優しさに縋ってお飾りの妻を続けるしかないのだろうか。思い悩むミシュリーヌの前に現れたのは、オーギュストの恋人を名乗る女性だった。
・本編141話
・おまけの短編 ①9話②1話③5話
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる