[完結]私、物語りを改竄します。だって、女神様が全否定するんだもん

紅月

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ルートを逸脱していくマリー

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「なんでよ。如何してゲーム通りにならないのよ」

びしょ濡れのままマリーが廊下を歩いていると向こうからニール達が歩いて来た。

今の状況ではゲームみたいに攻略対象全員を落とす逆ハーは無理みたいだが、ニールだけは攻略しなければならない。

マリーはニール本人にはそれほど思い入れはないがニールルートの裏に居るダグラスは最推しキャラで、自分をこのゲーム世界に転生させた女神からは彼とは関わるな、と言われていたがもう気にしない。

「あんな奴ら要らない。女神に言われたルートとは違うけど、ダグラスはアタシのものにしなきゃ」

そう呟き、悲しげな顔をしながらニール達の前をトボトボ歩いてみせた。

「マリー嬢如何してそんなに濡れているんだ?」

フロンが驚いたように走って来た。

「アデリーン様に……」

突き飛ばされた、と言えば嘘になるからマリーは語尾を濁し俯いた。


攻略が進みニールだけでなくフロンも落とせたが、マリーはフロンを持て余していた。
いつもマリーの為に魔法騎士になって守る、と言うがフロンの権力や金に対しての執着心が透けて見える言動はゲームの攻略者でも嫌悪感が隠せない。

(やっぱりこんな金の亡者のフロンは要らないんだけど)

マリーはどこか退廃的で色気があるダグラスにしか興味が無い。

「あの女に突き飛ばされたのか。マリー嬢が可愛いからって酷いな」

フロンの慰めの言葉もダグラスの事を考えているマリーの耳を滑るだけで止まる事は無かった。
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