The Secret Super Girls〜心を救うヒーローはいかがですか?~

CHIKA(*´▽`*)

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ゲームセンター狂想曲~神隠しの謎を解け~

雪が降っていると、なんかロマンティックに感じるよね。夜だともっと良き!

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 はーい。ここからはあたし、ヘアサロン『ハニー』の店長のこときゃんが説明していくわね。
 こういうのは第三者から聞いたものより、本人から聞いた方が分かりやすいでしょっ。





 真希と初めて出会ったのは、今から二か月前。2月14日、バレンタインの日のこと。
 あの日は今まで生きて来た中でもTOP3に入るくらい、印象的な日だったわ。


 その日は雪が降っていた。少し積もるくらいの、ね。お店は人が数名くらい訪れていたわ。
 今居る従業員だけでどうにか出来そうだったから、銀行に行くことにしたの。
 何故かというと、自分自身や従業員たちにあげるチョコレート代を降ろしに行く為に。


 毎年、毎年、あげているの。買う店はいつも違っているけどね。時々、同じ店になったりする時もあるけど。
 予約は一ヶ月前からしていた。今年は生チョコにしたの。凄く迷ったわ。
 年を重ねていくにつれて、どんどん種類が増えるもの。


 選んだきっかけ、それはキャッチコピーだったわ。『とろけるようなくちどけ、それはまるで恋のよう』
 そんな素敵なキャッチコピー見たら、買うしかないじゃない! 見た瞬間に、購入を決めたわ。
 代金は当日払いで。


 事前払いも勿論、あったわ。でも当日払いにしたの。
 もしかしたら何かしらの事情で、キャンセルしなくてはいけなくなるかもしれないから。
 普段ならそんなこと全然、思わないのに。今年はそう思ったの。


 だからなんとなくその通りにしたわ。特に困ることもなかったしね。
 ここから銀行は15分ほど。14時半に職場を出て、45分くらいに到着する。
 もう少し遅くても良かった。けどお店を空けても良いタイミングが来たから、そうしたわ。


 ということで銀行に到着。人は思ったより多かった。休日だったから、仕方ないわね。
 さっさと用を済ませて、お金を払いに行こう、そう考えていた。
 とりあえず受付番号を貰いに行こうとしたその時。


 誰かとぶつかった。勢いは結構強かったわ。
 「いたっ」
 相手は何事もなかったように、ひたすら受付へと歩いてゆく。


 謝られなかったことは特に気にしていなかったわ。気付かない時や余裕のない時って、人間生きていればあるもの。
 ただ少し気になったのは、番号札を受け取らずに受付に向かったこと。
 もしかして銀行に来るのが、初めてなのかしら。


 なんて思っていたわ。彼は腕にかけていた大きなカバンから、何かを取り出したしていた、その時。
 「あぁぁぁぁっ! もうすぐで15時になっちゃううううっ!」
 女の子の声が聞こえて来たわ。足音がどんどん大きくなっていく。


 そうこの声の人物こそ、真希。まだ彼女はあたしに名乗っていないけど、今からは真希って呼ぶわね。
 その方が分かりやすいから。


 「やばい、間に合わないかもぉぉぉぉ!」
 自動ドアが開き、姿が見えた。走っていて、目の前には彼が居たわ。
 「あっ危ないっ! でっでも……止まらな~いっ!」


 彼も声が聞こえきたことに気を取られていて、まだ中にあったものを出していなかった。
 勿論、彼が避けられることはなく、女の子と彼は衝突したわ。


 ぶつかった時に彼が取り出そうとしたものが、宙に舞った。それは、なんと拳銃だったの。
 どうやら彼は銀行強盗をするつもりだったみたい。
 そのまま床に倒れたわ。真希の方はあたしが床に倒れる前に支えた。


 みんなまさかの事態の連続で、呆然と立ち尽くしていたわ。
 そうなっても仕方ないわ。あたしもまだ心の整理が落ち着いていなかったもの。でもな何故か咄嗟に体が動いたの。それにずっとこのままでは、居られないわ。


 彼が銀行強盗をしようとしていた。あくまで可能性に過ぎないけど。
 持っていたということは、その可能性が考えられる。
 このまま目が覚めると、実行するかもしれないわ。


 どうにかしなくちゃ。
 「あの誰か、ロープとか縛れるようなものを持っている人はいないかしら。拳銃を持っていたみたいだし、念のために縛っていた方が良いと思うの」


 あたしの言葉を聞き、銀行員の人がロープを持ってきてくれた。
 そしてお客さんのうちの一人が彼を縛ってくれたわ。
 とりあえず彼女は椅子に寝かせておき、通常通りに銀行の運営をしてもらうことに。


 このまま待っているよりも、引き続き動いていた方がお互いにとって良いからね。
 提案した時にはみんな戸惑っていたけど、確かにその方が良いかもと納得してくれたわ。



 まるで少し前の出来事がなかったみたいに、銀行は動いている。彼女は長椅子に寝かせてある。
 あたしの番はすぐに来たのだけど、彼女のことが気になり、近くに座っていたわ。


 手続きをすぐに済ませて、従業員たちに起きたことを説明した。
 と同時に着くのが遅れることも連絡したわ。


 時計が15時5分を示した頃、先に彼の方が目覚めたわ。彼は部屋の真ん中に置いてある観葉植物の隣に、移動させていた。


 「……ん……なっ、なんだこれ! 何で俺が縛られてるんだ! まっまさか計画がバレたのかっ」
 ご丁寧に、自ら白状してくれたわ。まだ拳銃が本物かは分かってないけど。
 少なくとも何かしようとしていたことは分かったわ。


 「やっぱり、あんたはあれで何かしようとしていたのね」
 縄を解こうと必死に暴れている。そんなことしても無駄だと言うのに。


 何故ならこの中で力が一番強い人に縛ってもらったから。まさかラグビー部出身の人が居るなんてね。良いガタイしていたわ。ついジロジロ見てしまいそうになったわ。


 「あれは本物なの?」
 とりあえず一番気になるのはそれ。内容によっては、もっと大事になるから。
 「あ? そんなもの、本物に決まってるだろ。誰が偽物なんて持ってくるかよ」


 あら生意気な態度。ちょっと軽く股間を蹴りたくなるわね。
 「どうしてこんなことをしようと、思ったの?」
 次は動機。周りの人々はほとんどがあたし達のことをスルーして、それぞれのことをしていたわ。



 「そんなもの決まってるだろ? 金だよ、金。金があれば何でもできるからな」
 「それは分かっているわよ。どうしてお金が必要なのか、聞いているんだけど」
 その言葉を聞いたとたんに、大げさにため息をつく。



 「お前は想像以上の温室育ちみたいだな。頭お花畑で人生楽しそうだな」
 本当に口が悪い子だこと。でもイライラはしないわ。
 ここまで来ると、小さい子供が何か言っているわね、程度しか思わないわ。


 「あんたさ、敬語使わなくてもいいけど、せめてもう少し優しい言葉遣いできないの?」
 後ろから声が聞こえた。振り向くと、真希が目を覚ましていた。
 それどころかこっちに向かってくる。


 「てか、あんた銀行強盗するつもりだったの? 一人で? 度胸あるねぇ」
 手にもっている拳銃をチラッと、彼女は見た。すぐに視線を前に戻し、彼の目の前にしゃがむ。


 「あんたは何でこんなことをしようと思ったわけ?」
 「てか、お前いつ目が覚めたんだよ」
 「あんたが目を覚まして、このお方と会話し始めてからよ。かなり大きくて目が覚めちゃったわよ」


 あのあたりからもう起きていたのね。まぁ確かに、結構声は大きかったからね。目覚めても変じゃないわ。
 「それよりお前、急に走ってくるなよな! 結構痛かったんだぞ」


 そう言えばあの子たちがぶつかった時、結構痛そうな音がしていたわね。
 「あ~。その件に関しては、ほんっとうにごめんなさい!」
 勢いよく頭を下げていた。突然の出来事に、彼はギョッとしていたわ。


 「ちょっと、いやかなり急いでいて……ん? 待てよ……」
 彼女は立ち上がり、あたしの方を見てきた。
 「あの、今って何時か、分かりますか」


 壁にかかってある時計を見る。時刻は15時15分過ぎだった。
 「15時15分過ぎよ」
 「なんですとぉっ?!」


 あまりにも大きな声で叫ぶので、周りの人たちもあたしたちに注目した。次第にざわざわし始める。
 「あれ? あの子、ぶつかって気絶した子じゃない?」
 「本当だ。いつの間にか目が覚めていたのね」


 そしていつの間にかあたしたちの周りを人が囲っていたわ。
 「マジか~。どうしよっかな~。あれ、なんかいつの間にか周りに人が居る」
 「今、気付いたのかよ、鈍感」


 その言葉にムスっとする彼女。
 「あんた、いちいちつっかかってくるよね。かまちょなの? ていうか、私、あんたに聞きたいことがあるんだけど」
 「何だよ。お前に話すことなんて一ミリもねぇよ」


 彼女は彼に顔を近づける。あと数センチでキス出来てしまうくらいの距離に。
 「何でそんなに顔、近づけるんだよ」
 彼は呆れた様子。そんなことは気にせずに、彼女は口を開いた
 「あんた、何でこんなことしたの」


 「しつこいなぁ。金がなかったからだよ! これで満足だろ」
 「いいえ、何でお金がなかったの。そこも気になるわ」
 まるで圧迫面接のよう。あたしも気になっていたけど、彼女はそれ以上のように見えたわ。


 想像以上に聞いてくるから、彼は癇癪を起こしたわ。
 「あー! うるっせぇなぁ。しつこいんだよ! テレビか何かで見たんだよ。安いものは何でもいいから買えってな、俺もその通りにしてんだよ。そしたら金がなくなったんだよ。ダチと遊ぶ金がな! これはかなり本物みたいなにせもんの銃だよ。エアーガンだよ! ガキの頃にかっこよくて、買ってもらったんだよ」


 これで何故こんなことをしたのかが全て明らかになった。そしてあたしの時にはサラッと嘘をついていたのね。
 かっこつけたかったのかしら。可愛いところあるじゃない。


 ふと見てみると、彼の顔は真っ赤になっていたわ。そんな彼とは対照的に、彼女は冷静としていた。聞く前の表情と変わらずに。そして立ち上がった。


 「なるほどね~。それが動機だったのね。いや~、圧迫面接みたいな感じにしちゃってごめんね。つい動機が気になってさぁ」
 陽気に笑うと、すぐにまたしゃがんで彼に目線を合わせる。


 「んだよ。同情なんていらねぇから、やめろよな」
 「別に同情なんてしないわよ。したところで何も変わらないし、あんた自身が拒んでるなら尚更ね」


 そう言うと、即座に真剣な表情になった。
 「ただ言いたいことはあるわ。あんた、安いものはだいたい買えって、どこかから聞いたようだけど、ほとんど買っても使ってないでしょ」


 「……確かに、お前の言うとおりにほとんどいらねぇものばかりだから、買うだけ買って家のどこかに転がってる。それがどうかしたんだよ」
 「ふーん、やっぱりそうかぁ」
 軽く頷いて何かに納得しているように見える。


 「あんた、その方法はいくらお金があっても絶対に足りなくなるよ」
 「はっ……はぁ?! お前に何が分かるんだよ! 温室育ちの女にっ」


 彼は思ったより過酷な境遇で生きているのだろう。今までの生き方を否定されたみたいなもの。
 突っかかってしまうのも無理はないわね。


 「だって、あんたのその考え方ではどんなにお金を稼いでも、安ければ買えっていうことになるでしょ?」
 「……まぁ、そういうことになるな。物分かりが良いじゃねぇか」
 相変わらずの上から目線。強がりたいお年頃なのね。


 見たところ、高校生か、中学生のように見えるし。思春期ね。
 「いらないものも安ければ買うのね。安ければ、買わないでしょ?」
 「当たり前に決まってんだろ。誰かが好き好んでいらないものなんて買うかよ」

 
 彼女の発言を鼻で笑っている。ここでなんとなくだけど、彼女が言いたいことが分かったわ。
 「でしょ。だからお金を何百万も億も稼いだとしても、その考え方ではいくらあっても足りなくなるってわけよ」
 「でも、いつかは使うかもしれねぇだろ。つまりいらないものとは言い切れないわけだ」


 食い気味にそう答えていたわ。しかも言い終えた後に、どや顔まで。
 彼にとっては温室育ちの女に言い返してやったぜ、みたいな気持ちなのかしら。
 でも彼女は動揺も躊躇いもしていなかった。それはそうよね。あたしだって同じ立場だとしても、別にどうも思わないもの。


 「じゃあ実際に一回でも使ったことあるの?」
 何ともない表情で彼に聞き返す。まさか聞き返されるとは思っていなかったみたいね。きょとんとした表情で彼女を見ているわ。


 「えっ…………。今、思い返してみたけど……ねぇかも」
 「でしょ? つまりはそういうことよ。あんたは安いという理由だけで、あんたにとってはいらないものまで買ってしまっていたってことよ」


 彼は何かを考えこんでいるように見える。今までの自分の行動を省みているのだろうか。
 「確かに……。ダチと遊ぶ金が無くなったのも、本当はあったけど、いつもの如く安いからってぜってぇ使わないだろうなってものを……買ったからだ」


 「そ、つまりはそういうことよ。一見、得そうに見えるその考え方は圧倒的損ってわけ。……ここで私が一番伝えたかったことは伝え終わったけど、まだ伝えたいことがあるんだけど、話してもいい?」


 「……好きにしろ」
 さっきまで噛みついていた様子が嘘みたいに思えるわ。すっかり大人しくなっている。
 まるで犬……いいえ、子犬みたいだわ。


 「ありがと。まずお金を払う時だけど、多分あ~お金が出て行っちゃう~、って出ていくお金の方にフォーカスしてるでしょ」
 「……まぁ、だいたいの人がそう思ってるだろうな」


 「確かに、そうでしょうね。ここで少しフォーカスするものを変えてみるの。それは何だと思う?」
 ここで彼に質問する。確かに、全て言ってしまうよりかは、考えた方が頭に残りやすいものね。


 「……分からねぇな。その時に買ったもの……くらいか」
 「そう、正解。まぁ気分の問題になるかもしれないけどね。少なくとも私はそうしているよ」



 なるほど。確かにあたしもほとんどお金が出て行ってしまうことばかり、気にしていたわ。
 でもお金は出て行くけど、手に入るものはある。そっちに集中してる方が気分良いものね。
 どうせお金を払うなら、気持ちよく払いたいしね。


 「確かに、お金は出て行くかもしれないけど、手に入るものはあるでしょ? だからそっちに集中するの。もしただお金払う時だけの時は、今日も経済回してやったぜ、行ってこい、お前ら! って気持ちで払うと気持ち良いよっ」


 そう言い終えると、彼はぶはっと噴出した。
 「あはははっ、お前、もうちょっと、良い表現の仕方があっただろっ」
 彼のツボにハマったみたいだった。その様子を見て、彼女も笑顔になった。


 「笑った!」
 「あはははっ、面白かったら笑うくらい、誰でも笑うだろーよ。おかしなやつだな」
 思ったよりツボに入ったみたいで、まだ笑い続けている。


 「それもそうだけど、あんた今までずーっとムスっとしていたじゃない? だからようやく笑ってくれたから、嬉しくて」
 「変なやつだな。見ず知らずの男が笑っただけでそんなに嬉しいものか? やっぱりお前、変わってるな」


 にししと笑う真希。まるで無邪気な幼い子供のように見えたわ。
 「変人上等! 変わっていることによって、誰かが元気になって、笑顔になるなら、それでいいのよ」


 「お前、本当に変わってるな。でもお前のおかげで色々分かったよ。ありがとな」
 そう言い終えると、また真希は彼に顔を近づけた。これまたかなりの距離の近さで。


 「お前、じゃなくて、真希。私の名前は真希。本名じゃないけどね~」
 そう、ここでやっと初めて名乗ったってわけ。





 「あたしと真希の出会いはそういうことがあったのよ~」
 なるほど。二人はそうやって出会ったのですね。
 二人の出会いは分かりましたたけど、まだ気になることがあります。


 「あの、あの後、どうなったのですか。あと、どうやって仲良くなったかも気になります」
 こときゃんさんとほのかさんはお互いに顔を見合わせました。
 すぐに二人ともにやにやと笑いだしました。


 「それはね、雪ちゃん」
 「あたしたちはね」
 「ソウルメイトだったのよ!」
 「ソウルメイトだったのさ!」


 最後の言葉は二人とも同時に言っていました。
 そう意気揚々に言われてましても……。
 「どういうことですか?」


 こうとかしか言いようがありません。まだまだ二人の出会いの話は続きそうですね。
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