隠居した車屋の食べ歩記

みのる

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ー8ー

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ーまた更に日曜日ー
(はて?今日の「仕入れたてプチプチ♡テレビ」の訪問先は何処じゃったかいのぉ?)
ワシはふと疑問を抱きながら、今日も例の番組が始まるのを楽しみに待っとったのじゃ♪

そして番組が始まった途端!

ワシはクルマを走らせておった。


ーぐゎらっ!ー

『カクラぁっ‼』

そこには家族団らんでまさに!今から"lunch TIME"なの♡と言わんがばかりのカクラふぁみりーの姿があった。

孫のキヨラは瞳をキラキラと輝かせながら昼飯を口にしながらワシにそのまなざしを送る。
キヨナさんは「まぁた!来たわね?」と言わんがばかりの形相でワシを睨む。
そこで、一家の主であるカクラが代表してワシに問うのじゃ。

『…………親父、今日は誰に用事なんだ?』

そこで!ワシは何時もの如くに‼標的たぁげっとに狙いを定めて♪

『今日の晩には戻ると思うからのぉぉぉおおおおお~!(遠ざかるカズマの声)』

さぁて!今日の標的はだぁれ?(謎)


ワシがクルマを走らせたのは、とある港。

『じぃじ、これからどこへ行くのぉ???』

今回の標的も不思議ガオである。
海から流れる潮風とウミドリの鳴き声が、「何時もの場所」との違いを物語るのじゃ。

『ん?コレからワシらは船に乗るのじゃよ☆』

そう、ワシはふたりの今後の予定について標的に話す。

(てか………本日の標的はもう!皆様にはバレバレかの?)

『わぁ~!りくがどんどん小さくなるよぉっ?』

キヨラは初めての「お船体験」に希望でワクワクがいっぱいなようじゃ。

かく言うワシもかなり!ご無沙汰な島への渡航になるのぉ……(遠い目)


本土から離れ、だんだんと近づく懐かしい島。

『キヨラ、あそこが「獅子シシ島」じゃよ』

ワシが子どもの時にオヤジに連れて来て貰って以来じゃの♪(激懐)

オヤジに釣りの仕方とか教わったものじゃったのぉ………………

船を降りたワシらを待ち受けていたのは……………
ほんの少しだけ、昔の面影を残して…すっかり変わり果てた島の姿じゃった。


『ここにあったのは……小さなスーパーじゃったのにのぉ……』

何十年ぶりかに見た、そのスーパーはやや立派になってワシを迎え入れてくれた。

『ここの長ァい階段の上には……神社があって……いつか登ってみたいと思っておったのじゃが………』

こんなにも神社への階段は短かったのかいのぉ?

『ここは!ワシのオヤジとの思い出の釣りすぽっと☆なのじゃ♪キヨラ、先に行って見るかの?』

『うん!あたし、行ってみたい♪』

石で作られた、少し険しい足場。それがどこまでも続く海へと伸びている。


……………が!

『き…………キヨラ‼すすすす……すとっぷ‼……ワシ………ちょお~~~っと!この足場、歩くの………無理かも………(ド滝汗)』

かつては!「瞬釣のカズちゃん」と呼ばれたこのワシ。

まさか………………
釣りの絶好すぽっと☆までも!
辿り着く事が出来ぬようになったとわ……………OTL

『え~~~!じぃじ、あたしだけで先に行っても良い?』

そう不満気に言うキヨラを連れて、ワシらは泣く泣く‼今しがた来たばかりの船に乗って、トンボ帰りするハメとなった………(合掌)
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