【桑原家外伝】入れ歯物語

みのる

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本編

豆撒き

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カクラ夫妻とワシらとクラナで、豆撒きをすることにした。
『なんか、この家で豆撒きって、久々だな♪』
とカクラ。キヨナさんに、クラナは初めてじゃの?
豆を家内が作った袋に入れてくれて、4人分、用意される。

『ばあさん、豆は3人分では…?』
とワシ。
『やあねぇ、また間違ったよ!(てへぺろ☆)』と家内。
今年は、カクラが鬼を務める事になり、ワシはクラナが居るため、豆を撒く側じゃ。
『では、始めるぞぃ?“おにはーそと!”』
と言いながらカクラに豆をぶつける。
『ひぃぃ、こりゃたまらん‼』
逃げ回るカクラ。
『ふくはーうち!』
家の中に豆を撒く。
『おにはーそと!』
豆を投げるキヨナさん。
『そんな生易しい撒き方じゃあ、オレは倒せねーぞ!』
お、鬼の復活じゃあ!!
『おにはーそと‼』
と、トドメとばかりに家内がカクラに思い切り豆をぶつける。
『痛い痛い‼こりゃあたまらん!』
と言って、外に逃げ出した。

さて、鬼も退治したし、『いーてぃんぐ  マメ』のお時間じゃ。
帰って来たカクラが、
『親父は1粒な(笑)』
何ィ!?ワシは1粒だけなのか?(悲)
『お袋は…幾つなんだ??』
家内が答える。
『アタシャ永遠のハタチよ☆』
…んな馬鹿な。
『キヨナも…知らないなぁ(汗)』
『私も永遠のハタチですぅ♪』んなアホな。
『…オレ、幾つだっけ…』
……………………
謎だらけな豆撒きでした。
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