桑原さん家の裏情事

みのる

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本編

入院

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この冬、俺は急激に忙しくなった。
(仕事がタダでさえ倍増し、忙しいのに…)
渉外行員が融資の件で大きな失敗をし、ご迷惑をおかけした方々に謝罪参りの毎日。俺は疲れがたまっていた。
家に帰っても家事も出来ずに、布団に直行→
ツインズとも、遊んでやる事すら出来ない。

ある朝、かあちゃんが心配げに俺を見つめる。
(いつもの俺なら(キュン死)だけども…)

『あなた、どこかわるいんじゃないの?かおいろ…わるいよ?』

俺を案じてくれるかあちゃんに、

『心配ないよ(空元気)俺は大丈夫♪…それより、かあちゃんと子ども達はちゃんと食べてる?』

最近全く家事が出来ていない俺はそっちが心配だった。

『わたしたちは、ちゃんとたべてるからだいじょうぶ。…きょおはおやすみしたら?』

かあちゃんは本気で心配そうだった。

『大丈夫大丈夫!…いってくるね』

かあちゃんに「いつもの」を行い元気を分けて貰う。
ツインズも、心配そうに俺を見送った。


…気がついたら、ここは病院のベッドの上だった。焦る俺。どうしてこうなったのか?

『あぁ、良かった。気がついたかね』

か、課長⁉(慌)課長は続ける。

『君は、今日の朝礼中、倒れたのだよ?』

腕には、点滴がされている。最近、働き過ぎてたからなぁ。。。

『医者が言うには、数日は安静にしている事が今の君に出来る事だそうだ』

そう言って課長は出ていった。

入れ替わりに入ってきたのは…我が愛する家族。かあちゃんが一言。

『だからやすめといったのに…(心配MAX)』

幼稚園にいるはずのツインズも園を早退させたらしい。
蒼空が、

『とうちゃん、だいじょおぶ?』

今にも泣きそうな顔で俺を見つめる。
大地も、

『とうちゃん、いっぱいいたいの?』

と聞いてくる。
心配そうなみんなに、

『ほんの少しだけ休んだら、またとうちゃん、頑張るから!』

弱々しく笑った。

それから、3人は面会時間ギリギリ迄病室に居てくれた。子ども達を連れて病室を出るかあちゃんが一言。

『とうちゃんばかり、はたらかせてごめんね…』

清美の瞳に光るモノがあったのを、俺は見逃さなかった。

独り、病室に残された俺。点滴だけで、物を食べる力もないらしい。俺は布団を頭迄被る。いつの間にか眠ってしまっていた。

夜中に目が覚めた。夜勤の看護師さんかな?俺を見つめている。
(しかもちょっと俺好みの美人さん♪)

『夜勤、お疲れ様です』

俺が話しかけると黙って微笑み、部屋を出ていった。

俺の体力の回復力が半端ないようで、翌日から、食事は「普通食」になった。
(今頃、家族はどうしているのだろう?)
急に心配になった。ごはんを食べながら。


ー一方ー
桑原家では父親がいない代わりに、ばぁばがピンチヒッターとしてやって来てくれた。姑が嫁に、料理の仕方を伝授する。
~嫁に頼まれたからだ~
(清美は、やる時にはやれる子なんです…多分(汗))

桑原家(実家)では、朝はごはんだ。今日からツインズには初めての「朝ごはん」が始まる。ごはんの炊き方から、お味噌汁の作り方。何もかも清美には新しい事だ。
でも懸命に覚えようとした。

1つ新しく覚えたことがある。「洗濯」の仕方だ。色物の服と、白い服を分けて洗濯機に入れ、スタートボタンを押して、「完了」を待つのみ♪
清美はやりきった感を覚えた。

朝ごはんの時間。ツインズは「パン」でない事に些か不満そうだったが、美味しそうに「ごはん」を食べてた。

洗濯が完了し、洗濯物を干す清美。おぼつかない手つきで。
母親が、

『シワを伸ばして干すんだよ』

と教えてくれる。
(下着は、部屋の中にね)
洗濯は、問題無いかな?

ツインズは、今日はお休み。土曜日だ。早速、かあちゃんにせがむ。

『とうちゃんとこにいきたい!』

かあちゃんは、

『きがえももっていくから、きょおもいくよ?』

とうちゃんに会うのがやはり嬉しそう♪
母親がいう。

『面会時間は9時から夜の7時までだからね』

かあちゃんは、

『わかりましたです。ありがとうございます!』

と敬語はやはりおかしい(笑)

着替えをして、支度をして出かける3人。
仲良くお手々繋いで。(とうちゃんも入れて)

ノックもしないで病室に入って来るのは…かあちゃんとツインズしか居なかった(滝汗)

『とうちゃん、すこしはげんきになった…?』

やはり心配なかあちゃん。(オレハウレシイ)

『それときがえもってきたから。』

俺は、

『なんか、少しずつ元気になってるよ。今朝から点滴じゃなくてごはん食べれるようになったし!』

少し元気な俺に安心したのか

『よかった…はやくかえってきてね。』

頬を赤らめ、じっと俺を見つめてくる。こ、これは!清美からのオネダリポーズ‼(照)
ツインズが見てる中、そっと清美に唇を重ねた。軽く、音を立てる。…まだこれまでしか出来ないけど(ツインズも居るし)

ツインズが

『いぃなー!(羨)おれにも!』

『わたしにもぉっ!』

と2人もせがんで来るので、ほっぺに軽くチュッ♪

俺たち家族はささやかながら『幸せ』を感じていた。
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