ぬるく熟した『恋愛』を食べる瞬間(とき)は、

第五章 おまけ

ある年の夏※

ある日のうだるように太陽の照りつける休日。

1人で家にいても両親のラブラブっぷりを見せつけられて鬱陶しいだけなので！俺はぶらり街の「涼しい場所」巡りをしていた。

本屋に立ち寄り、雑誌なんぞを立ち読みしてみたり…ゲーセンにちょっと寄って、どんなクレーンゲームがあるのか覗いてみたり…

……どうも……美月アイツがいねぇとつまんないな……

俺はそろそろ街で1人で涼を求めるのにも飽きて来たので家にでも帰ろうと駐輪場に向かった。

そこに、視界の隅をひらひら舞う影が横切った。

ーアゲハ蝶ー

その蝶は悠然と空を泳ぎ……暫し俺の周りを舞い続けたかと思うと、何処かに飛び立って行ってしまった。

美月アイツの元にも飛んで行くのかな？

そんな事を考えながら駐輪場にぶらぶら歩いた。

『じゃあ……買い物お願い出来る？ミツキちゃん』

私はそう、カグラさんから買い物カゴを受け取った。

『ハイ♡ミルクとお嬢様のオヤツのボーロを買ってくるんですよね？じゃあ…行ってきます！』

外を休む暇なく照りつける太陽。私は日傘を差し、「何時ものお店」に向かう。
お屋敷の庭の小道で、ふと真っ青な空を横切る華やかな動体。

ーアゲハ蝶だー

ふと私のこころに飛び込んで来た智裕の笑顔…

そういえば……また暫く家に帰れてないな……(※半年くらいです！)
あの蝶になれたら、今すぐに智裕の元に行けるのにな？

私はアゲハ蝶にそんな思いを馳せながら空を見上げていながらふと、「自分のすべき事」を思い出した。

「まだお店は閉まらないとは思うけども！急がなきゃ💦」

早くお買い物済ませて、お屋敷に戻らないとね。お仕事頑張って、智裕のところに帰るんだ！