はたらくひとたち

みのる

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『第2のお仕事』編

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『らっしゃあーい!何にするんだ?』

威勢よくネジリハチマキをしめた俺は、さっきからずっと黙ってメニューを睨んでいたふたりに言う。

『えとーーー、えーと、、、智裕、どれにする?』

店口に掲げてあるメニューを見ながら若いカップルは悩む。

デートだな。

時刻は夜の九時過ぎ。俺は昼間のいわゆる『本業』を終えて『第2の仕事』に勤しむ。
おっと、本業は何かは言えねぇよ?

生クリームをたっぷりと搾って果物を飾り付けたあまぁいクレープや、喉の乾きを潤すシュワシュワラムネ。
イチゴやメロン、レモンなんかのかき氷もあるぜ?

『じゃあ、、、チョコクレープひとつとラムネひとつお願いします』

髪の毛の色が派手なオレンジのねぇちゃんはオーダーした。

『へい、毎度アリィ!』

俺は颯爽とクレープの皮を熱々の鉄板に滑らせる。
俺の華麗な捌きをじぃっと見学なカップル。

夜のこの時間、割とオトナの客が多い。
まぁ、俺の狙った通りなんだがな?
子ども向けではないスウィーツ屋さんが世の中にあってもイィだろ?

溢れんばかりの生クリームとチョコソースを。
べ、別にねぇちゃんが俺好みだったワケじゃあねぇぞ?

『お待ちィ!』

ホカホカのクレープと冬の北の大地並に冷えたラムネを差し出す。

『ありがとう♪』

ふたりはそれぞれのオーダーの品を受け取る。

『400円だ!』

···妥当な値段だと思うが?

支払いを済ませるとふたりは少し冷たくなった夜風を受けながら闇に溶けていった。

どんな背景でもしっかり目立つ、ピンク色したプレハブの小屋で俺は今夜も、ちょっと甘さが欲しくなったオトナたちを待っている。
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