はたらくひとたち

『はたらかざるもの』編

『コロコロは荷物になるけん、外に置いとこー』

～がぁぁぁあああああーーーっ！！～

店『イラッシャイマセーーー！』


俺は「目標」が店に吸い込まれていくのを見届けてから自動ドアの入り口に置かれた手押し車に俊敏に近寄り、誰の視線も浴びていないことを確認してから手押し車を押し、ダッシュで店から離れていった。

いわゆる、『持ち逃げ』というヤツ？

一体どんなブツが内蔵されているかはその時の目標次第だ。
俺はいつも「こんなコト」ばかりしているワケではない。実は初めてである。

全速力で走った故に乱れる息を整え、急いで玄関のドアを閉める。

一体、この中には何が？

黒い手押し車の口を鼓動を高鳴らせながら開くと、袋の中からこちらを見つめていたのは、、、

コマツナにリンゴみっつ、パンに大量のチョコレート。

。。。。。

果たして俺は犯罪に手を染めても良かったのだろうか？

暫くはリンゴ祭りだな、甘いものにも当分困らない。