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友情のアカシ

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『あたしとマキとの"友情の証"として何か記念になるモノが欲しいんやけど……』

そう言ってユウカは私の部屋を物色し始めた。

えぇっ!?何故に……そこで私のモノを進呈する事になるの?(謎)

素朴な疑問を抱きながらも考えた挙句、

『…………じゃ、じゃあ………コレ………』

彼女の気迫に圧されてか、私は1枚のCDを差し出していた。

ー大好きなアーティストのCDで、同じ曲だけど特典映像が違うモノを2枚購入したけども……
ほとんど鑑賞していない代物ー


『うわぁ!CDだ♪貰ってもえぇの?』

そう言いながらも、ユウカの表情は何処か微妙そうであった。

『えぇよ~何故か2枚あるし?』


私はそうして、CDを1枚手放したのであった。



ー数ヶ月後ー
私はふと、以前ユウカに進呈したあのCDの特典映像を拝みたくなってしまった。

我が家をまた訪れていたユウカに訊ねてみる。

『そういやぁ、こないだ私がユウカにあげたCDの特典映像が観たくなったんやけど……貸してくれん?』

ユウカがものすごくバツの悪そうな表情を浮かべて吐いた言葉は、


『…………ゴメン………ブックマニアに売っちゃった…………』


結果!我々の友情とはそんなモノ!?
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