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そこのモンスター社員、今すぐ退職届を書きなさい!
第6話 痴漢⑥
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で……で、今に至る。
社員による痴漢被害のタレコミを元に係長が調査を重ね、金曜夕方の電車内で痴漢することを突き止めたらしい。それが今日なのです。
警察に相談すればよいのに。でもそれでは世に知れ渡るからブランドイメージが……なのか。いやいや、だからって私が囮になるなんて、私は婦人警官でもなく一般人でございますよ。決定的瞬間を捉え、捕まえるなんてできるのかしら?
そんな思考を巡らせる余裕はもう無かった。痴漢の手が太腿に忍び寄って来てるのだ。
ひぃぃ……だからさっさと助けなさいよ。もう被害に遭ってますっ。大声出しますよ! 係長ってば!
けれども係長は中々助けない。
この仕事が成功したらお前の評価は鰻登りだな……そんな彼の言葉でつい引き受けてしまったことに、激しく自責の念に駆られる。
ですが。やはりこんなやり方おかしいです。係長、パンティまで触れられたら私は貴方を訴えます!
ーーと、決意したその瞬間、痴漢の手が何者かによって掴まれた。
「痴漢の現行犯で逮捕する」
係長の声だ。そして痴漢の胸ポケットから社員証を引っ張り出した。
「A社の社員だな。観念しろ。次の駅で降りるんだ」
はぁぁぁぁー、助かった。遅いですよぉー、係長……
社員による痴漢被害のタレコミを元に係長が調査を重ね、金曜夕方の電車内で痴漢することを突き止めたらしい。それが今日なのです。
警察に相談すればよいのに。でもそれでは世に知れ渡るからブランドイメージが……なのか。いやいや、だからって私が囮になるなんて、私は婦人警官でもなく一般人でございますよ。決定的瞬間を捉え、捕まえるなんてできるのかしら?
そんな思考を巡らせる余裕はもう無かった。痴漢の手が太腿に忍び寄って来てるのだ。
ひぃぃ……だからさっさと助けなさいよ。もう被害に遭ってますっ。大声出しますよ! 係長ってば!
けれども係長は中々助けない。
この仕事が成功したらお前の評価は鰻登りだな……そんな彼の言葉でつい引き受けてしまったことに、激しく自責の念に駆られる。
ですが。やはりこんなやり方おかしいです。係長、パンティまで触れられたら私は貴方を訴えます!
ーーと、決意したその瞬間、痴漢の手が何者かによって掴まれた。
「痴漢の現行犯で逮捕する」
係長の声だ。そして痴漢の胸ポケットから社員証を引っ張り出した。
「A社の社員だな。観念しろ。次の駅で降りるんだ」
はぁぁぁぁー、助かった。遅いですよぉー、係長……
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