みんな襲われてるのに、どうやら俺は相手にされてないようだ。

鼻血の親分

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みんな襲われてるのに、どうやら俺は相手にされてないようだ。

11. 上様

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 ふーむ。

 これまでマァンティスに相手にされてないと思ってちょっぴり複雑な心境だったけど、とんだ勘違いをしてた様だ。相手にされてないのではなく、恐れられていたんだ。そう思うと嬉しくも感じる。

 だが……、

 だが、俺には剣術の技能がない。果たして上手く立ち回れるだろうか? 硫酸はかけられないのか?

 心配ごとは絶えない。だってもみこは剣道の心得があると言っていた。そんな彼女の前で無様な真似はできないよな。

「ねえ、青葉っち」
「何だ、のりお?」

 ウザいヤツだ。考えごとしてるのによく邪魔をする。まぁいい。ちょっと彼には強気でいかねば。年下だしサポーターだしな。

「おかしいと思ってたんだ。急にモテ出したし」
「お前、カマキリと交尾して喜んでいたのか?」
「だって、いい女に見えたんだもん。ほんと、生身の女だよ」

 ふん。幸せなヤツだ。

「でも行為が終わっていつも噛まれてたし二度と現れないし、きっと僕の血を吸って気分が悪くなったんだろうね」
「お前は“おとり”かもしれないな」
「うん、それでもいいや。幻覚だけどいい思いしてるからさ」

 まぁ、童貞の俺としては羨ましい気持ちもないことはない。……いやいや、カマキリだよ! やっぱ気色悪いわい!

「皆さん、上様のお屋敷が見えましたよー」
「おおーー!」

 富士山の麓にぽつんと古民家がある。周りは田畠が広がりノスタルジーな雰囲気を醸し出していた。

「上様は、かなり変わった御方なのでびっくりしないでくださいね」

 その古民家の玄関先で仁王立ちしてる戦国武将の様な輩と、その配下らしき人の姿を捉えた。

 ーーなんかヤバそうなやつじゃん。

 俺はちょっぴり後悔の念に駆られた。
 
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