島流しされた悪役令嬢は、ゆるい監視の元で自由を満喫します♪

鼻血の親分

文字の大きさ
37 / 105

37.運命

しおりを挟む
※ジェラール視点

コツン、コツンと監獄の地下をビソンと歩く。私は国王陛下の弟君であるルーク様と面談するために大礼服を着て望んでいた。

「殿下、二年ぶりですね」
「そうだ。私があの御方と接触するのは余り宜しくないとの判断で、会わないでいたが…」
「方針の転換でしょうか?」
「教えを乞いたいのだ」
「教え…ですか」

それ以上、ビソンは何も言わなかった。言わなくても理解してるのだろう。彼は賢い。そして彼もルーク様を尊敬している。

「ビソン、まだ諦めないのか?」
「はて、何のことで?」
「クーデターだよ。私が知らないとでも?」
「ははは…流石は殿下。そう思っても肝心の御方にその気がないので諦めかけていますよ」
「そうか」
「ただ、殿下とお会いすれば、お考えが変わるかもと、若干の期待をしております」
「私も、とだけ言っておこう」

だから教えを乞いたいのだ。


特別室の前で専属の執事が待っていた。彼は王都から仕えていた人だ。

「ジェラール殿下。どうぞ、此方へ」
「うむ」

三重の扉を開けて中へ入る。私は一対一を望んでいたので、最後の扉で執事とビソンは退席した。

あの御方は私に背を向け、花に水やりをしている。

「お久しぶりです。ルーク様」
「…ジェラールか」
「はい」
「お前が訪ねてくるとは、よっぽどのことだろうな。何かあったのか?」
「不安でなりません」
「ほう」
「二十年後の私は貴方の様になってるのでしょうか?」

彼はゆっくりと振り返り、笑みを浮かべた。白髪の髭が随分と伸びているのに若干の驚きを覚えたが、眼光の鋭さは変わっていなかった。

「特別室に入りたくないのか?」
「一生をこの島に捧げたいのです」
「ケヴィンではそうもいかないだろうな」
「押し寄せる貴族を島に入れない様にします」
「それは無理だ」
「現に今はそうしてます」
「訪れる客はお前を担ごうとする者ばかりではない。殺しを目的とする者も居る。いくら警備を強化したところで必ず掻い潜って来るだろう」
「いや、しかし…」

思わず言葉に詰まった。では、私は運命を変えられないのか?自分の未来は『監獄』だと言うのか?

「生き残ることに意義がある。この特別室は完璧な要塞だ。安心出来る。それに慣れれば快適な生活だぞ?ははは…」
「今の私には心構えが出来てません。国を乱したくはないし、命も守りたい。だからと言って…」
「まだ先は長い。儂も此処へ至るまで様々な葛藤があった。焦るな。考えて、考えて、考え抜け」

そうは言っても貴方は答えを出している。その答えに納得したいから“教えを乞いたい”のだ。だが、自分で探せと仰る。

「私なりに答えを見つけて、またお伺い致します。ルーク様」

退席しようとしたら思わぬ言葉が耳に入った。

「あ、そう言えば島に王都から面白い男が来てるそうだな」
「…罪人の監視官ですか?」
「うむ、彼は儂の命を狙ってるらしい。未だにな。これが王都のやり方だ」
「そうはさせません。ご安心ください」
「まあ、彼を懐柔すれば運命が切り開けるかもしれんぞ。…但し、慎重にな」

ブリスを味方に?仰る意味が…?

私はルーク様と面談して、益々悩むことになった。









しおりを挟む
感想 20

あなたにおすすめの小説

断罪の準備は完璧です!国外追放が楽しみすぎてボロが出る

黒猫かの
恋愛
「ミモリ・フォン・ラングレイ! 貴様との婚約を破棄し、国外追放に処す!」 パルマ王国の卒業パーティー。第一王子アリオスから突きつけられた非情な断罪に、公爵令嬢ミモリは……内心でガッツポーズを決めていた。 (ついにきたわ! これで堅苦しい王妃教育も、無能な婚約者の世話も、全部おさらばですわ!)

婚約破棄で悪役令嬢を辞めたので、今日から素で生きます。

黒猫かの
恋愛
「エリー・オルブライト! 貴様との婚約を破棄する!」 豪華絢爛な夜会で、ウィルフレッド王子から突きつけられた非情な宣告。 しかし、公爵令嬢エリーの心境は……「よっしゃあ! やっと喋れるわ!!」だった。

断罪中、味方が多すぎて王子が孤立している件について

夏乃みのり
恋愛
バーンスタイン伯爵家の令嬢ラミリアは、魔力も剣の才能もない「ごく普通」の地味な女性。 ある日のパーティーで、婚約者であるジェラルド第二王子から「地味で無能で嫉妬深い」と罵られ、身に覚えのない罪で婚約破棄を突きつけられてしまう。 しかし、断罪劇は予想外の展開へ。

婚約破棄だ!と言われ実家に帰ったら、最推しに餌付けされます

黒猫かの
恋愛
王国の第一王子クレイスから、衆人環視の中 で婚約破棄を言い渡されたローゼン侯爵令嬢ノエル。

悪役令嬢ですが、兄たちが過保護すぎて恋ができません

由香
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢・セレフィーナに転生した私。 破滅回避のため、目立たず静かに生きる――はずだった。 しかし現実は、三人の兄による全力溺愛&完全監視生活。 外出には護衛、交友関係は管理制、笑顔すら規制対象!? さらに兄の親友である最強騎士・カインが護衛として加わり、 静かで誠実な優しさに、次第に心が揺れていく。 「恋をすると破滅する」 そう信じて避けてきた想いの先で待っていたのは、 断罪も修羅場もない、安心で騒がしい未来だった――。

[完]本好き元地味令嬢〜婚約破棄に浮かれていたら王太子妃になりました〜

桐生桜月姫
恋愛
 シャーロット侯爵令嬢は地味で大人しいが、勉強・魔法がパーフェクトでいつも1番、それが婚約破棄されるまでの彼女の周りからの評価だった。  だが、婚約破棄されて現れた本来の彼女は輝かんばかりの銀髪にアメジストの瞳を持つ超絶美人な行動過激派だった⁉︎  本が大好きな彼女は婚約破棄後に国立図書館の司書になるがそこで待っていたのは幼馴染である王太子からの溺愛⁉︎ 〜これはシャーロットの婚約破棄から始まる波瀾万丈の人生を綴った物語である〜 夕方6時に毎日予約更新です。 1話あたり超短いです。 毎日ちょこちょこ読みたい人向けです。

「僕が望んだのは、あなたではありません」と婚約破棄をされたのに、どうしてそんなに大切にするのでしょう。【短編集】

長岡更紗
恋愛
異世界恋愛短編詰め合わせです。 気になったものだけでもおつまみください! 『君を買いたいと言われましたが、私は売り物ではありません』 『悪役令嬢は、友の多幸を望むのか』 『わたくしでは、お姉様の身代わりになりませんか?』 『婿に来るはずだった第五王子と婚約破棄します! その後にお見合いさせられた副騎士団長と結婚することになりましたが、溺愛されて幸せです。 』 『婚約破棄された悪役令嬢だけど、騎士団長に溺愛されるルートは可能ですか?』 他多数。 他サイトにも重複投稿しています。

【完結】冷遇され続けた私、悪魔公爵と結婚して社交界の花形になりました~妹と継母の陰謀は全てお見通しです~

深山きらら
恋愛
名門貴族フォンティーヌ家の長女エリアナは、継母と美しい義妹リリアーナに虐げられ、自分の価値を見失っていた。ある日、「悪魔公爵」と恐れられるアレクシス・ヴァルモントとの縁談が持ち込まれる。厄介者を押し付けたい家族の思惑により、エリアナは北の城へ嫁ぐことに。 灰色だった薔薇が、愛によって真紅に咲く物語。

処理中です...