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第1章〜ご主人様のプロファイリング〜
4. ご主人様はカエルの逆襲に
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「ああ、気持ちいいーー!」
源泉かけ流しですか。何と素晴らしいお湯なのでしょう。そしてこの広がる大自然の絶景。まるで絵画の世界にいる様です。これがわたくし専用の露天風呂だなんて贅沢が過ぎますわ。
ちゃっぷん。
おや、岩陰に隠れて見えませんがどなたか入られた様です。カトリーヌでしょうか?
「ねぇこっちにおいでー」
するとキャッキャッとはしゃぐ子供の声が脱衣所から聞こえてきます。
ん? 違いますか。気のせいかな。
いえ確かに入浴する音がしました。別の子かもしれません。確かめましょう。
と、そっと岩陰から覗いてみると……
「きゃっ! さ、さるっ、お猿さんがいる!」
流石に至近距離で野性の猿を目の当たりにすると驚きます。けれどよく見れば子猿だし、目を閉じてお口は半開き。ポーッと気持ち良さそうな表情は何とも可愛らしく思えてしまいます。
「あ、あの奥様……本当に宜しいのでしょうか」
お猿さんに気を取られていたら、恥ずかしそうに三人の少女が立っていました。彼女らがわたくし付きの侍女なのでしょう。
「あ、寒いから入ってらっしゃーい」
おずおずして躊躇う侍女たちですが手招きすると勢いよく飛び込んできたのです。
ざっぶーん。
「わあーい、嬉しいよおー!」
「やったー、初めてだねー!」
「これアンナ、ウラリー! はしゃがないで二人とも奥様にご挨拶しなさい」
あらあらすっかりお姉ちゃんね。カトリーヌ。
「はーい。アンナでございます。お食事、お掃除を担当しております。十二歳です。宜しくお願いいたします」
「あい。ウラリーでございます。お手伝いしております。十歳です。宜しくお願いいたします。です」
こ、子供過ぎるな。こんなちっちい子なのに働いてる? いえ働かされてるのかしら。
「うん、ディアナ・アルベールです。宜しくね」
けれど思ったより無邪気で明るくて一安心です。
さて、余りにもいいお湯ですが逆上せてしまいます。なので洗髪、洗身に上がると侍女らがテキパキと準備を整えてくれるのです。
「あ、いいのよー。自分でするから」
「いえとんでもございません。お仕事ですから」
わたくしは三人の侍女に囲まれ、なす術もなく全身を丁寧に洗われました。
えっと。この感じ、女王様ですか? 子爵家では考えられません。けれども気持ちいいわ……。
「ありがとう。お礼に皆んなの身体も洗っちゃうわよー!」
「キャーーッ!」
「こ、困ります。奥様にそんなことして頂くなんて! それに高級な石鹸が勿体ないです!」
「いいからいいから」
カトリーヌ以外はキャッキャッとはしゃぎまくりです。そんな楽しそうなアンナとウラリーを見て彼女も段々と笑顔になっていきました。
と、その時……
「あっ、あれ!」
ウラリーが何か見つけた様です。
「アンナ、捕まえなさい」
何とカエルがピョンピョン飛んでいるのです。
「あらカエルね。どうして捕まえるの?」
「本邸に迷い込んだら処分されますので、捕まえて湖畔へ逃しているのです」
「え、処分?」
「はい。ご主人様はカエルが苦手なのです」
あ……またです。毎回苦手エピソードが出てまいりますが。
何でもご主人様が幼い頃、一匹のカエルをつついて遊んでいたら、岩陰から二十匹ものカエルが突進してきたそうで、それがあまりの恐怖で夢にうなされたとか。で、それ以来無理みたいです。(子供かっ)
カエルの逆襲ですね。
源泉かけ流しですか。何と素晴らしいお湯なのでしょう。そしてこの広がる大自然の絶景。まるで絵画の世界にいる様です。これがわたくし専用の露天風呂だなんて贅沢が過ぎますわ。
ちゃっぷん。
おや、岩陰に隠れて見えませんがどなたか入られた様です。カトリーヌでしょうか?
「ねぇこっちにおいでー」
するとキャッキャッとはしゃぐ子供の声が脱衣所から聞こえてきます。
ん? 違いますか。気のせいかな。
いえ確かに入浴する音がしました。別の子かもしれません。確かめましょう。
と、そっと岩陰から覗いてみると……
「きゃっ! さ、さるっ、お猿さんがいる!」
流石に至近距離で野性の猿を目の当たりにすると驚きます。けれどよく見れば子猿だし、目を閉じてお口は半開き。ポーッと気持ち良さそうな表情は何とも可愛らしく思えてしまいます。
「あ、あの奥様……本当に宜しいのでしょうか」
お猿さんに気を取られていたら、恥ずかしそうに三人の少女が立っていました。彼女らがわたくし付きの侍女なのでしょう。
「あ、寒いから入ってらっしゃーい」
おずおずして躊躇う侍女たちですが手招きすると勢いよく飛び込んできたのです。
ざっぶーん。
「わあーい、嬉しいよおー!」
「やったー、初めてだねー!」
「これアンナ、ウラリー! はしゃがないで二人とも奥様にご挨拶しなさい」
あらあらすっかりお姉ちゃんね。カトリーヌ。
「はーい。アンナでございます。お食事、お掃除を担当しております。十二歳です。宜しくお願いいたします」
「あい。ウラリーでございます。お手伝いしております。十歳です。宜しくお願いいたします。です」
こ、子供過ぎるな。こんなちっちい子なのに働いてる? いえ働かされてるのかしら。
「うん、ディアナ・アルベールです。宜しくね」
けれど思ったより無邪気で明るくて一安心です。
さて、余りにもいいお湯ですが逆上せてしまいます。なので洗髪、洗身に上がると侍女らがテキパキと準備を整えてくれるのです。
「あ、いいのよー。自分でするから」
「いえとんでもございません。お仕事ですから」
わたくしは三人の侍女に囲まれ、なす術もなく全身を丁寧に洗われました。
えっと。この感じ、女王様ですか? 子爵家では考えられません。けれども気持ちいいわ……。
「ありがとう。お礼に皆んなの身体も洗っちゃうわよー!」
「キャーーッ!」
「こ、困ります。奥様にそんなことして頂くなんて! それに高級な石鹸が勿体ないです!」
「いいからいいから」
カトリーヌ以外はキャッキャッとはしゃぎまくりです。そんな楽しそうなアンナとウラリーを見て彼女も段々と笑顔になっていきました。
と、その時……
「あっ、あれ!」
ウラリーが何か見つけた様です。
「アンナ、捕まえなさい」
何とカエルがピョンピョン飛んでいるのです。
「あらカエルね。どうして捕まえるの?」
「本邸に迷い込んだら処分されますので、捕まえて湖畔へ逃しているのです」
「え、処分?」
「はい。ご主人様はカエルが苦手なのです」
あ……またです。毎回苦手エピソードが出てまいりますが。
何でもご主人様が幼い頃、一匹のカエルをつついて遊んでいたら、岩陰から二十匹ものカエルが突進してきたそうで、それがあまりの恐怖で夢にうなされたとか。で、それ以来無理みたいです。(子供かっ)
カエルの逆襲ですね。
応援ありがとうございます!
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