齢1200の龍王と精を吸わないオタ淫魔

三崎

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無垢と笑えよサイコパス

その頃

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 レイバックはイースとともに農場の片隅に腰を下ろしていた。2人とも、膝には中央食堂で購入してきた弁当を載せている。時は昼食時、午前中を農場視察と農機具の視察に充てたレイバックとイースは、小さな物置の陰に腰を据えて腹を満たしているところだ。早朝よりはいくらか気温が上がったものの、通り抜けていく風は身を切るように冷たい。見上げる空に太陽の姿はなく、薄灰色の雲が広がるばかりだ。

「冷えるわねぇ。昨日はあんなに暖かかったのに」

 イースは弁当を抱え込むようにして身を竦めた。購入当初は暖かかった弁当は、冷風に晒されすっかり冷えてしまっている。2人が寒さを耐え忍びながら冷めた弁当を食べているのは、他でもなくレイバックの容姿に原因がある。

 魔導大学内には、2人が弁当を購入した中央食堂を除き6つの食堂がある。うちの一つは視察員が日頃利用する教養棟内部の食堂―通称北部食堂で、一つが農場視察時に昼食を取ったカフェぽぷらだ。残りの4つの食堂は、工学部を含む比較的在籍人数の多い研究棟内に位置している。食堂の他にも研究棟の中には購買を有している建物が多く、平日の昼食時であれば特定の食堂に人が殺到するということは滅多にない。
 しかしここで問題となるのは、今日が週に一度の魔導大学の公休日であるということだ。公休日には当然研究棟に滞在する研究員の数が激減するため、先に述べた研究棟内の4つの食堂は休店となる。利用できる食堂は中央食堂、北部食堂、カフェぽぷらの3つに限られるのだ。このうちカフェぽぷらはどちらかといえば観光客向けの店舗であり、北部食堂はメインストリートの北端という多少不便な立地だ。即ち公休日である今日は、魔導大学の中心部に位置する中央食堂に人が殺到するのである。殺到する人とは、公休日でありながら研究に精を出す熱心な研究員であったり、図書館で課題を片付ける学生であったり、料理をすることが面倒だからと遥々赴く寮生であったり、はたまた観光のために魔導大学を訪れる観光客であったりと様々だ。そしてレイバックとイースが寒空の下冷えた弁当をつつく理由は、この観光客の食堂利用にあった。

 魔導大学在籍者には、ドラキス王国からの視察員の訪問は事前に周知されている。例え緋髪緋眼という人間とはかけ離れた容姿を持つレイバックが傍にいたとしても「例の魔族のお客様ね」という各々の理解で話が済むのである。しかしこれが事情を知らぬ観光客となると厄介だ。彼らは国家の中枢機関である魔導大学に魔族が招かれているなどと想像もしない。だからこそ魔族の容姿を持つレイバックは、昼食をとるために訪れた中央食堂で奇異の眼差しを向けられたのだ。「お母さん、見て。赤い眼のお兄ちゃんがいる。変なの」観光客の少女にそう指を指され、レイバックとイースは逃げるようにして食堂を後にした。緋髪は染髪だとごまかせても、瞳の色はどうしようもない。そうして相談の末に、中央食堂の2階にある売店でイースが2人分の弁当を買ってきたという経緯である。

「レイさん、午後はどうする?この気温じゃ一日中外にいるのは辛いわよ」

 そう言って、イースは瓶入りの茶を飲み干した。購入当初は温かかったはずの茶は、今はすっかり冷茶となっている。

「どうしようか。農場視察は粗方終えたし、可能ならば技術交流の具体的交渉に進みたいところだ。しかしイース一人相手では然して話も進まないだろう」
「そうねぇ。農機具の件だけで良いのなら、私が技術交流の要望をまとめて上に提出しても良いんだけどね。農機具は共同開発の品目に入っているから、レイさんが立ち会わなくても交渉に支障はないと思うわ。問題は改良種子の件よねぇ。種子改良の研究室は、私とは所属する学科が違うのよ」

 2度目となる農場視察を終えて、レイバックがイースに出した要望は2つだ。一つはロシャ王国で使用されている農機具を、何らかの形でドラキス王国内でも使用できるようにして欲しいとの要望。ドラキス王国の農耕は未だに人の手が主流となっており、種苗や散水に農機具を使用できるとなれば生産効率は飛躍的に上がる。朝から晩まで農作業に当たる農村地帯の人々の生活は、かなり楽になるはずだ。そしてこの要望に関しては恐らく簡単に受け入れられるであろう、とのイースの判断だ。魔導大学で開発される農機具は、広義では魔導具に分類される。2国の農機具の技術的格差を考えれば共同開発品目とするのは難しいだろうが、一方的な技術伝達や農機具の販売は十分に可能だろうと言うのである。
 そしてレイバックのもう一つの要望は、生育に有利な改良を施された改良種子を交易品に追加することである。農機具の案件とは対照的に、イースはこの提案に関しては渋い表情を作った。「不可能ではないかもしれないが、改良種子の研究開発にあたる研究室に話を通してもらわねばならない」と言うのだ。イースの所属する農学部は、魔導大学内でも在籍人数の多い学部の一つで、研究室の数も数十に及ぶ。イースの専門はあくまで農機具。改良種子に関しては最低限知識があるだけの素人なのだ。そして改良種子はそもそも共同開発の品目に入っていないから、交易を希望するのであれば一からの交渉が必要になる。

「種子改良の研究室に在籍する者と話をすることはできないだろうか。できる限りの交渉は滞在期間中に済ませてしまいたいんだ」

 一度帰国してしまえば、魔族であるレイバックがロシャ王国に立ち入る機会など次はいつになるか想像もつかない。文でのやり取りでは互いの要望を伝えるのにも難儀する。レイバックの憂慮はイースも正しく理解しており、膝に食べかけの弁当を載せたまま悩ましげに唸る。

「私もレイさんの希望を叶えてあげたいとは思っているのよ。でも今日は公休日だから、研究室に滞在している研究員がどれほどいるか…。明日以降はまた予定が詰まっているから、面会の機会を取り付けることも難しいだろうし」
「とりあえず種子改良の研究室に人がいるかどうか覗いてきてもらうことはできるか?責任者ではなくとも、研究室の人間と面識を作っておくだけでも後の交渉は大分楽になる」
「それもそうねぇ。それならお弁当を食べ終わったら農学部棟を一巡りしてこようかしら。レイさんはここで待っていてもらえる?研究棟には外部の人を入れてはいけない決まりになっているの」
「それなら中央食堂付近で待っていても良いか」
「中央食堂?良いけど、何か気になるものがあった?」
「いや…食堂付近にいれば会えるかもしれないから…」
「誰に?」
「…ゼータ」

 沈黙。3時間前に別れたばかりの人物に会うために、わざわざ人の出入りの多い中央食堂付近に身を置くのだと言うレイバック。幼子に「赤い眼のお兄ちゃん」呼ばわりされた出来事を忘れたのかと、イースは驚愕の表情である。

「ちょっとレイさん。ゼータさんをクリスに取られたこと、まだ根に持っていたの?知らない土地で友達と離れて心細い気持ちはわかるけれど、少しは自重しなさいよ。貴方の眼と髪は目立ち過ぎるの」
「だから帽子を被って来たじゃないか。目元はこう…帽子のつばで上手く隠すから」
「そういう問題じゃないんだってば。第一中央食堂でゼータさんと出くわしたとして、それからどうするのよ。改良種子の技術交流交渉に付き合えとでも言うつもり?折角クリスと仲直りして念願の魔導人形制作に当たっているんだから、放っておいてあげなさいよ」

 正論を繰り出すイースに、レイバックは段々とむくれ顔になる。イースとレイバックの間でこのやり取りがなされるのは、実は初めてではない。朝、集合場所である教養棟玄関口に立ち入ったイースは、傘立ての横に座り込むレイバックを見つけ悲鳴を上げたのである。不機嫌のあまり風船のような面持ちとなったレイバックが言うには「ゼータがクリスと仲直りをして魔導人形の制作に行ってしまった。折角の公休日に客室詰めは哀れと思い、イースにゼータ同行の許可を願い出た俺の気遣いは一体どうなる」とのことである。それに対してイースは「仲直りできたなら良かったじゃないの。折角の公休日なんだから、お互いにやりたい事をやりなさいな」と返し、不貞腐れ顔のレイバックを半ば引き摺るようにして農場へと向かったのである。
 農場視察中レイバックがゼータの名を口に出すことはなく、てっきりその件は心の整理が付いたのだと考えられていた。しかしイースの予想も虚しく、レイバックはしつこい性格であった。

「交渉に同席せよと言うつもりはないが、魔導人形の進捗状況を聞くくらい良いじゃないか。どのみちどこかでイースの帰りを待たねばならないんだ。それなら別に中央食堂付近にいたって同じこと…」
「前から思っていたけれどレイさん、結構粘着質よね」
「ね、粘着質!?」

 突然投げ込まれた散々な評価に、レイバックは目を剥いた。イースはやれやれと首を横に振り、握りしめていた箸を弁当の蓋に置いた。

「レイさん、奥さんに対してもその調子なら結婚生活が思いやられるわよ。奥さんが外出すると言えばべったり傍に張り付いて、それができなければ『どこに行った』だの『誰と会った』だのと問いただす姿が目に浮かぶようだわ」
「そんなことはしていない…が…」
「結婚したからって、突然全ての価値観が同一になるわけじゃないのよ。一緒に生活する以上ある程度足並みを揃えなければならない部分もあるけれど、ときには所詮他人なのだと一線を引くことも大事よ」
「一線を引くとは、例えばどのような…」
「例えば今回の一件で、ゼータさんをレイさんの奥さんであると仮定するならば、客室に閉じこもることが哀れと決めつけるのは駄目よ。ゼータさんは本好きでしょう。一日中読書に耽るなんて最高の贅沢と考えているかもしれないわよ。強引に外出予定を立てるのではなく、『一応イースに同行の許可は取ったから気が向いたら来ると良い』くらいの誘いに止めるのが無難ね。誘いを断られて露骨に拗ねるなんて持っての他よ。そして別行動をすると決めたのならば、相手の行動について必要以上に問い質さない。自分が語るのは構わないし、相手が語るのならば耳を傾ければ良いわ。でも相手の行動をしつこく問い質しては駄目よ。気にしない人なら良いけれど、人によっては行動を監視されていると捉えかねないわ。楽しかったかと尋ねて、楽しかったと答えがあればそれで終わり。互いの不可侵領域には無暗と足を踏み入れないことが、夫婦生活平穏の秘訣よ」

 イースが語るうちに、レイバックは朝と同様むくれ顔になってゆく。風船に等しい面持ちとなり、今にも曇り空に浮き上がって行きそうなレイバックを眺めながら、イースは冷めた弁当に再び箸を付けた。

***

 泥のような眠りから覚めた。頭が朦朧として思考がうまく働かない。綺麗に塗り直されたばかりの天井を眺めながら、ゼータはこの場所がどこであったかと懸命に記憶を辿る。
 そうだ、ここはクリスの地下研究室。好奇心に負け隠し扉を潜り、罠紐を踏んで鉄杭を受けた。鉄杭に仕込まれた魔喰虫に魔力を喰われ、命の危険に晒されていたところをクリスに発見されたのだ。注射された殺虫薬の効果で眠りに落ち、恐らくそのままベッドに寝かされていた、

 ゼータは柔らかな布団から身体を起こし、部屋の中を見渡した。小さな部屋だ。目を覚ましたゼータが驚かぬようにとの配慮のためか、天井には灯りがともされたまま。部屋の入口と思われる扉の横には年代物のタンスが置かれ、その横には木製の衣類掛け、一人掛けの机と椅子が置かれている。机の上には盆にのった一人分の食事があり、具たくさんのスープからはまだ湯気が立ち昇っていた。クリスが食堂から運んできてくれたのだ。昼食を食べ損ねたゼータの腹がきゅるりとなった。
 ゼータは肌掛け布団を捲り、身体の状態を確認する。血に濡れた衣類は全て着替えさせられている。今ゼータが来ているのは、クリスの物と思われるTシャツと半ズボンだ。右脚のすそを捲り上げれば、鉄杭を受けた太腿にはきっちりと包帯が巻かれていた。注射は初めてと述べていたクリスであるが、どうやら怪我の手当てはお手の物のようだ。手足に付いた血も全て綺麗に拭きとられている。
 太腿意外に目立った外傷がないことを確認したゼータは、傷に障らないようにとゆっくりベッドを下りた。壁を伝いながら、部屋の出入り口と思しき扉まで移動する。ゼータの寝かされていたベッドは部屋の奥側に位置していて、扉に辿り着くためには部屋を横断する必要がある。歩けば数歩の距離が、右脚の不自由な今のゼータにとっては大変な距離だ。

 扉には鍵がかかっておらず、取っ手を引くと簡単に開いた。扉の向こうは、ゼータが手当てを受けた地下研究室だ。実験用の石台があり、地下牢へと続く強固な扉がある。ならばゼータのいた小部屋は、地下室滞在中のクリスが身体を休めるための休憩室というところか。換気機能が整っていて、地下牢に立ち入ったときのような黴臭さや獣臭さは微塵も感じられない。ここで暮らせ、と言われれば十分に暮らせる環境だ。

 ゼータは扉を閉め、壁際に置かれた机と椅子に向かう。机の上には食事をのせた盆の他に、木製の小洒落た置時計と薬瓶が置かれていた。薬瓶にはメモ紙が添えてある。
―鎮痛剤、食事後に2錠飲むこと。明日朝に来るからくれぐれも余計な行動は慎んで

 メモ紙を3度読み返したゼータは、はぁと大きな息を吐いた。酷く疲れている。少しの距離を歩いただけなのに、全力疾走の後のように息が弾む。頭の芯がずきずきと痛み、両手足は鉛のよう重たい。魔力切れの影響だろうか。しかしたっぷりと睡眠をとったのだから、魔力はとうに回復しているはずだ。ならばクリスの手により打ち込まれた殺虫薬の副作用か?あれこれと悩むゼータの指先は、何となしに首筋に触れた。

「…あれ?」

 指先に知らない感触があたる。ゼータは顎を引き、首筋にある不可解な物体の正体を探る。
それは首輪だ。細身で目立った凹凸はなく、鈍く輝く銀の首輪。途端に鼓動が跳ねる。その首輪に見覚えがあったからだ。興味本位で踏み入った地下空間、鉄格子の向こうですすり泣く女、左脚を切り落とされた魔族の男、その男の首筋に光る銀の首輪。
 幽閉された魔族がつけていた物と同じ首輪が、ゼータの首にあった。
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