6 / 17
えちすると……☓☓☓(ぺけぺけぺけ)
6
しおりを挟む寝室には運ばれたが、実は陽が射し込んでいて明るい。トールが何か言いだす前に、イオは二か所ある窓の両方とも、外側の扉を閉めた。それから、寝台の傍らの低い衣装棚の上にあるランプに火を灯した。
ぼんやりと二人の姿が浮かびあがった。
寝台の上にトールを寝かせたまま、イオは部屋を出て行った。
「イオ……」
文句ばかり言うから嫌になったんだろうかと、少し不安になる。
いやなわけじゃないんだ。ただ……。
こういうことは、あの日一度切り。前の世を合わせても、たった二度。
ーーといっても、あの日は、何度も何度も……。
あの時の様々なことを思いだして、恥ずかしくなり、考えるのをやめた。
扉が開き、何かを手にしてイオが戻って来た。液体の入った小瓶だった。それを衣装棚の上に置いた。
「なに?」
「木の実を絞って作った油だ」
「油? 料理に使う?」
「まぁ……本来は」
益々不思議になる。
「もう、俺には神の力はないからなぁ」
脈絡もない言葉に、とりあえず「うん」と相槌を打つ。
「そのままだと、痛みを伴う」
「そのまま?」
訳がわからないと思っていると、シーツと尻の間に手が忍び込んでくる。
「俺のをここに入れる時だ」
「え……」
先程もちらっと思いだしていた、あの日のことがまた脳裏に浮かんできた。それと同時にあの時の感覚までが甦ってくる。
あの……今までに感じたことのない……。
まだ何もされていないのに、身体が騒ついてくる。
「花嫁……今日が初夜だ……優しくする」
また……そんなこと。
花嫁じゃないし……。
夜でもないし……。
口には出さず、頭のなかでふわふわ考える。とてつもなく甘い雰囲気のなかに呑まれていく。
「そこを舐めて、この油でゆっくり解す……痛みを感じないくらいに」
想像しただけで頭がかっとなった。
寝台の上に二人、向かいあって座る。
もう一度初めからというように、小さな口づけから始まる。ちゅっちゅっと、髪、額、頬、耳朶、項、全てに口づけの雨を降らせる。最後に、唇にもちゅっと小さな音を立てる。
一旦離れ、イオは上を脱いだ。鍛えられた逞しい胸や、割れた腹が露になる。
子どもの頃は、一緒に風呂に入っていた。でもいつの日か羞恥を覚え、共にしなくなった。時折着替えの瞬間に出会した時など、妙にどきどきしてしまったのを覚えている。
今はそれ以上にときめいている。
11
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
俺にだけ厳しい幼馴染とストーカー事件を調査した結果、結果、とんでもない事実が判明した
あと
BL
「また物が置かれてる!」
最近ポストやバイト先に物が贈られるなどストーカー行為に悩まされている主人公。物理的被害はないため、警察は動かないだろうから、自分にだけ厳しいチャラ男幼馴染を味方につけ、自分たちだけで調査することに。なんとかストーカーを捕まえるが、違和感は残り、物語は意外な方向に…?
⚠️ヤンデレ、ストーカー要素が含まれています。
攻めが重度のヤンデレです。自衛してください。
ちょっと怖い場面が含まれています。
ミステリー要素があります。
一応ハピエンです。
主人公:七瀬明
幼馴染:月城颯
ストーカー:不明
ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
内容も時々サイレント修正するかもです。
定期的にタグ整理します。
批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる