白銀のたてがみはもうありません

さくら乃

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えちすると……☓☓☓(ぺけぺけぺけ)

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 寝室には運ばれたが、実は陽が射し込んでいて明るい。トールが何か言いだす前に、イオは二か所ある窓の両方とも、外側の扉を閉めた。それから、寝台の傍らの低い衣装棚の上にあるランプに火を灯した。
 ぼんやりと二人の姿が浮かびあがった。
 寝台の上にトールを寝かせたまま、イオは部屋を出て行った。
「イオ……」
 文句ばかり言うから嫌になったんだろうかと、少し不安になる。


 いやなわけじゃないんだ。ただ……。


 は、あの日一度切り。前の世を合わせても、たった二度。


 ーーといっても、は、何度も何度も……。


 の様々なことを思いだして、恥ずかしくなり、考えるのをやめた。
 
 扉が開き、何かを手にしてイオが戻って来た。液体の入った小瓶だった。それを衣装棚の上に置いた。
「なに?」
「木の実を絞って作った油だ」
「油? 料理に使う?」
「まぁ……本来は」
 益々不思議になる。
「もう、俺には神の力はないからなぁ」
 脈絡もない言葉に、とりあえず「うん」と相槌を打つ。
だと、痛みを伴う」
「そのまま?」
 訳がわからないと思っていると、シーツと尻の間に手が忍び込んでくる。
ここに入れる時だ」
「え……」
 先程もちらっと思いだしていた、のことがまた脳裏に浮かんできた。それと同時にあの時の感覚までが甦ってくる。


 あの……今までに感じたことのない……。


 まだ何もされていないのに、身体がざわついてくる。

「花嫁……今日が初夜だ……優しくする」 


 また……そんなこと。
 花嫁じゃないし……。
 夜でもないし……。


 口には出さず、頭のなかでふわふわ考える。とてつもなく甘い雰囲気のなかに呑まれていく。
を舐めて、この油でゆっくり解す……痛みを感じないくらいに」
 想像しただけで頭がかっとなった。

 
 寝台の上に二人、向かいあって座る。
 もう一度初めからというように、小さな口づけから始まる。ちゅっちゅっと、髪、額、頬、耳朶、項、全てに口づけの雨を降らせる。最後に、唇にもちゅっと小さな音を立てる。
 一旦離れ、イオは上を脱いだ。鍛えられた逞しい胸や、割れた腹があらわになる。
 子どもの頃は、一緒に風呂に入っていた。でもいつの日か羞恥を覚え、共にしなくなった。時折着替えの瞬間に出会でくわした時など、妙にどきどきしてしまったのを覚えている。
 今はそれ以上にときめいている。
 
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