白銀のたてがみはもうありません

さくら乃

文字の大きさ
10 / 17
えちすると……☓☓☓(ぺけぺけぺけ)

 10 *R18

しおりを挟む
 つんと、後口を爪で引っ掻かれた。
「ん……っ!」
 あからさまに言われ、言葉を返すことすらできない。全身が紅く染まっていそうな気さえした。
 イオが身動きをする音がしたかと思うと、あっという間に抱き竦められ、更に反転させられる。後頭部は、ふかふかの枕の上だった。
「でもーーまだ、足りない。お前に痛い思いをさせたくないからな」
 たらたらと自分の掌に小瓶の中味を垂らしている。その油は、掌から零れ、トールの腹の辺りをも濡らしている。


 あれ……いつの間に……。


 抱き竦められた時には、持っていなかったような気がした。今イオがいる場所からだと、衣装棚の上の小瓶には届かないような……そんな疑問も、イオの行為により霧散する。
 イオのぬるついた手で、後口も再び熱を持ち始めた昂りもこすられ、背筋が甘く痺れる。
「ん……あぁ……ん」
 長い指が狭い入口から体内に入り込んでくる。
「あぁぁんっ」
 その指はゆっくりと抜き差しを繰り返す。軽く壁をり、時には強く押す。時間をかけ、丹念に解されていく。
 は、いきなり貫かれた。それでも何の痛みもなく、ただ快楽だけを与えられた。どんなに激しく揺さぶられても、だ。

『神は快楽だけを与える』

 そう言ったイオの言葉通りに。
 今はその力もない。それ故痛みをなるべく与えぬように、こうして準備をしてくれている。それは、神の快楽よりも、いっそう甘さを感じさせた。
『もう持ちそうにない』という言葉が嘘としか思えない。そんな余裕すら感じさせるくらい、長く長くその行為は続けられた。逆に、トールのほうがそれに耐え切れなくなる。
「イ、イオ。も、ダメ。また、出ちゃう。出してい?」
 可愛くおねだりしてみるが。
「駄目だ。今度は俺と一緒に」
 厳しい口調で阻まれたことに、驚きを感じた。「え?」とさえ言う間もなく、しゅるるーっと今にも爆発しそうなそれに、何かが巻きついた。吐き出すこともできないくらいに、根元の辺りはよりきつく締めつけられている。


 な、なに?


 自分の昂りに視線を向けると毛の生えた細長い紐のようなものが巻きついていたーー 一番先に房のある……色は、白銀。


 これって何だか……。
 白銀の獅子のしっぽに似てる……。
 だいぶ、長いけど。

    
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる

結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。 冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。 憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。 誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。 鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。

後宮の男妃

紅林
BL
碧凌帝国には年老いた名君がいた。 もう間もなくその命尽きると噂される宮殿で皇帝の寵愛を一身に受けていると噂される男妃のお話。

俺にだけ厳しい幼馴染とストーカー事件を調査した結果、結果、とんでもない事実が判明した

あと
BL
「また物が置かれてる!」 最近ポストやバイト先に物が贈られるなどストーカー行為に悩まされている主人公。物理的被害はないため、警察は動かないだろうから、自分にだけ厳しいチャラ男幼馴染を味方につけ、自分たちだけで調査することに。なんとかストーカーを捕まえるが、違和感は残り、物語は意外な方向に…? ⚠️ヤンデレ、ストーカー要素が含まれています。 攻めが重度のヤンデレです。自衛してください。 ちょっと怖い場面が含まれています。 ミステリー要素があります。 一応ハピエンです。 主人公:七瀬明 幼馴染:月城颯 ストーカー:不明 ひよったら消します。 誤字脱字はサイレント修正します。 内容も時々サイレント修正するかもです。 定期的にタグ整理します。 批判・中傷コメントはお控えください。 見つけ次第削除いたします。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

敗戦国の王子を犯して拐う

月歌(ツキウタ)
BL
祖国の王に家族を殺された男は一人隣国に逃れた。時が満ち、男は隣国の兵となり祖国に攻め込む。そして男は陥落した城に辿り着く。

処理中です...