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第二十六章
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大地と明とのラインを終えてスマホを閉じる。
(……いっくんからは……来ないかな)
こんな夜中だから仕方ない。
来ない事実を突きつけられるより先に自分で完結した。
(もしかしたら……明日の朝とかにくるかも)
そう思いながら、部屋の電気を消した。
朝起きて一番にどきどきしながらスマホを見る。
しかし、なんの通知も来ていなかった。
「まだ、寝てるのかもね」
ベッドの隅に寝ているティラミスに向かって言い、ふうと小さく息を吐く。
「今日は夏期講習あるのかな」
高校では夏期講習が何教科か行われている。今までは一度も出たことはなかったはずだが、今年は申し込んでいるようだ。
そういう僕はバイトをするわけでもなく、夏休みの課題をしながらほとんど家で過ごしていた。
大学に入学して、幾つか同じ教科を履修している何人かと話すようになったが、まだ友人と呼べるほどではない。サークルにも入っていなかった。
(バイトでも……しようかな。でも、僕に出来ることってなに?)
未だに人見知りな僕はそんなとこでも尻込みしてしまう。
あれこれ考えていたら、七時近くになっていた。母と姉は仕事だ。何処に行く予定はなくても朝食だけは早めに食べなければ迷惑になる。
急いで着替えていると、ベッドの上でピコンと通知音が鳴った。
もしかしてと期待して慌ててラインを開く。
『ナナ、お誕生日おめでとう』
『あとで玄関の前見て』
『俺、今日学校だから』
閉じるのもそこそこに階段を駆け下りる。
姉はもう朝食を終え出掛けようとしているところだった。
「おはよー、どうしたの? 慌てて」
「おはよう。うん、ちょっと」
バタバタと外に出ると、玄関の前に。
「それは?」
外に置いてあったものを両手で抱えて中に入る。
姉がちょうど靴を履こうとしているところだった。
「あ、うん」
何故か答えるのに躊躇してたら、さっさと靴を履いて「行ってきまーす」と出て行ってしまった。
「可愛いお花ねぇ、どうしたの?」
僕が抱えていたのは。
丸いフォルムの白い鉢に植えられた、白い小さな花をたくさんつけた植物だった。
『ユーフォルビア・ダイアモンドフロスト』
そう書かれた紙が鉢に刺さっている。
初めて聞く名前。初めて見る花だった。
「うん。いっくんから誕生日プレゼント」
「へぇ」
と母が感心したような声を漏らす。
「さすが、イケメンはやることが違う」
「だねぇ~」
と笑って同意したけど。
(僕にお花って似合わなくない?)
朝食を済ませ母を見送ると、スマホを開いた。
『可愛いお花をありがとう』
『大事にするね』
「僕にお花って……」そう送ろうとして止めた。
(こんな、お花知ってるなんて。女の子にもあげたことあるのかな……)
言葉だけでも良かったのにプレゼントを用意してくれたのは勿論すごく嬉しい。それなのに、そのプレゼントを見て溜息を吐いてしまう自分が嫌だった。
僕の誕生日の翌日が樹の誕生日。
本当は零時を過ぎて一番に『おめでとう』を言いたかった。
でも。
(彼女じゃあるまいし。こんな時間迷惑だよね)
樹がそうしたように、僕も朝になってからメッセージを送った。
『いっくん、お誕生日おめでとう』
『玄関の前見てね』
『サンキュー、ナナ』
(……いっくんからは……来ないかな)
こんな夜中だから仕方ない。
来ない事実を突きつけられるより先に自分で完結した。
(もしかしたら……明日の朝とかにくるかも)
そう思いながら、部屋の電気を消した。
朝起きて一番にどきどきしながらスマホを見る。
しかし、なんの通知も来ていなかった。
「まだ、寝てるのかもね」
ベッドの隅に寝ているティラミスに向かって言い、ふうと小さく息を吐く。
「今日は夏期講習あるのかな」
高校では夏期講習が何教科か行われている。今までは一度も出たことはなかったはずだが、今年は申し込んでいるようだ。
そういう僕はバイトをするわけでもなく、夏休みの課題をしながらほとんど家で過ごしていた。
大学に入学して、幾つか同じ教科を履修している何人かと話すようになったが、まだ友人と呼べるほどではない。サークルにも入っていなかった。
(バイトでも……しようかな。でも、僕に出来ることってなに?)
未だに人見知りな僕はそんなとこでも尻込みしてしまう。
あれこれ考えていたら、七時近くになっていた。母と姉は仕事だ。何処に行く予定はなくても朝食だけは早めに食べなければ迷惑になる。
急いで着替えていると、ベッドの上でピコンと通知音が鳴った。
もしかしてと期待して慌ててラインを開く。
『ナナ、お誕生日おめでとう』
『あとで玄関の前見て』
『俺、今日学校だから』
閉じるのもそこそこに階段を駆け下りる。
姉はもう朝食を終え出掛けようとしているところだった。
「おはよー、どうしたの? 慌てて」
「おはよう。うん、ちょっと」
バタバタと外に出ると、玄関の前に。
「それは?」
外に置いてあったものを両手で抱えて中に入る。
姉がちょうど靴を履こうとしているところだった。
「あ、うん」
何故か答えるのに躊躇してたら、さっさと靴を履いて「行ってきまーす」と出て行ってしまった。
「可愛いお花ねぇ、どうしたの?」
僕が抱えていたのは。
丸いフォルムの白い鉢に植えられた、白い小さな花をたくさんつけた植物だった。
『ユーフォルビア・ダイアモンドフロスト』
そう書かれた紙が鉢に刺さっている。
初めて聞く名前。初めて見る花だった。
「うん。いっくんから誕生日プレゼント」
「へぇ」
と母が感心したような声を漏らす。
「さすが、イケメンはやることが違う」
「だねぇ~」
と笑って同意したけど。
(僕にお花って似合わなくない?)
朝食を済ませ母を見送ると、スマホを開いた。
『可愛いお花をありがとう』
『大事にするね』
「僕にお花って……」そう送ろうとして止めた。
(こんな、お花知ってるなんて。女の子にもあげたことあるのかな……)
言葉だけでも良かったのにプレゼントを用意してくれたのは勿論すごく嬉しい。それなのに、そのプレゼントを見て溜息を吐いてしまう自分が嫌だった。
僕の誕生日の翌日が樹の誕生日。
本当は零時を過ぎて一番に『おめでとう』を言いたかった。
でも。
(彼女じゃあるまいし。こんな時間迷惑だよね)
樹がそうしたように、僕も朝になってからメッセージを送った。
『いっくん、お誕生日おめでとう』
『玄関の前見てね』
『サンキュー、ナナ』
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