アブノーマル・ラプソディー

星ノ宮幻龍

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第184話「自慰なる少年は乙女による乙女への強姦に興奮する」

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  六月十三日(月)十九時十一分 真希老獪人間心理専門学校・男子寮

「はぁ……はぁ……」
 部屋に戻るなり、電気を点けるよりも先に鍵を掛けていた。
「はぁ……はぁ……」
 気が付いたら机に叩きつけていたエロ漫画の開かれたページ。
「はぁ……はぁ……」
 そこに描かれているのは、二人の女性。乙女。
 少女が二人、絡み合っていた。
「はぁ……はぁ……」
 この漫画のあらすじはこうだ。
 引きこもりの女の子が、同級生で幼馴染の女の子に学校のプリントを持ってきてもらい、性的に襲われる。
「はぁ……はぁ……」
 エロ漫画らしく強引かつ有り得ない展開。
 しかし。
「はぁ……はぁ……」
 興奮は止まない。
 というのも、だ。
 まず、二人の容姿が、組み合わせ的に完成されている。
「はぁ……はぁ……」
 引きこもりの少女は、茶髪ショートカット耳元を出し、赤い眼鏡を掛けている。むっちりした体型に巨乳で、上には桃色のパーカー、下には黒い短パンを着用し、当然、太もも周りもムッチムチ。
「はぁ……はぁ……」
 髪型から服装、着こなし、眼鏡のワンポイントに至るまで、むっちり巨乳の全てを引き出す最高のエッセンスっ‼
 そして、そんな少女の相手を務める女の子。
「はぁ……はぁ……」
 艶やかな黒髪ロングに、健康的な白い肌。黒いブレザーと暗い赤色のミニスカート、黒いタイツという学校指定アイテムが、華奢な体を包み込んでいる。
 勿論、体型に相まって胸も控え目。俗に言う貧乳だ。
「はぁ……はぁ……」
 そんな二人が絡む百合本。
 なにより重要なのが、巨乳の子が受けで、貧乳の子が攻めということ‼
「はぁ……はぁ……」
 巨乳が貧乳に良い様にされ、しかもそこには少女が少女に抱く複雑な恋愛感情と思春期ならではの先走りがある。
 これら全てを抑えているこの本は、百合作品としての完成図とも言えよう‼
「はぁ…はぁ…」
 当然、おてぃんてぃんをシゴく俺の右手は加速する。
 二人の戸惑いから始まるプレイ! その後、徐々に浮き出てくる貧乳の子のSっ気! 快楽に溺れ始める巨乳の子! 二人の表情がたまらなくたまらないっ‼
「はぁ…はぁ…」
 特にこの描写! 巨乳が貧乳に押され潰れ、密着してのベロチュー! この芸術的エロス‼ ルーブル美術館に贈呈したいくらいだ‼
「はぁ…はぁ…」
 しかし、この作品。本当に絶妙なバランスで神になっている奇跡的な神だ。
 なんせ、もしもこの二人の関係が先輩後輩だった場合。俺の中で一つの葛藤が生まれることとなる。
「はぁ…はぁ…」
 というのも、俺は百合作品において貧乳の子が巨乳を攻めるという展開にこの上ない興奮を覚え、その展開を匂わされただけで我慢汁がとめどなく大洪水なわけなのだが!
 戦費後輩という関係性が生じた場合、先輩は貧乳で後輩は巨乳でなければ我慢ならないのだ!
「はぁ…はぁ…」
 しかし! 百合作品では先輩攻めよりも後輩攻めの方が俺は好物(別に逆でも抜けるが)!
 仮に後輩攻めだった場合、巨乳が貧乳を攻める展開になる!
「はぁ…はぁ…」
 これは由々しき事態である!
 ………と、思ったけど、ぶっちゃけ巨乳攻めでも抜けるっちゃ抜けるか。
「はぁ…はぁ…」
 とにかくこの作品は神! 俺のこだわりを絶妙に突いてくれるキング・オブ・ズリネタ!
 神より神な神作品であり神漫画であり神シチュであり‼ それ以上ではあってもそれ以下とは決してなり得ない‼
「はっ…はっ…」
 と、最高のオカズでシコり始めたわけだし、実際に気持ち良いのはいいんだが……。
 あんな事・・・・があった直後で何故、何故俺はオナニーしてるんだ‼
「はっ…はっ…」
 いつもそうだ! 俺ってやつは!
 嫌なことがあればすぐオナニー! 嫌なことなくってもすぐオナニー!
「はっ…はっ…」
 あの時。”Pepper“に殺されかけたあの時。俺は走馬灯を見た。
 全部オナニーの記憶だった。
「はっ…はっ…」
 俺の人生オナニーか!
 ここまで自分をけなしてんのに、ちんこは何でこんなにそそり勃つ⁉ 我慢汁出す⁉ ヌルヌルになる⁉ あっ♡ 気持ちいい///
「はっはっはっ」
 眼下の漫画。
 切なそうな表情の少女が二人。
 華奢な背を反らせる少女とムチムチのお腹を丸める少女…うっ! 出るっ‼
「あぁっ‼ っ‼ っ‼」
 土踏まずを渾身の力で曲げ、肛門括約筋を閉める。
 瞬間、跳び行く数億の息子たち。
 白い……
 あ、またちんこ勃ってきた……
 ぼー……………
「そういえば…変な記憶も混じってたな……覚えてないやつ……」
 あれ、なんだったっけ? いつのだっけ?
 変な風に見えた・・・・・・・のも、あの後だったんだよな。
「……っ⁉ くっせぇっ‼」
 机の板の下に絡みつき、塗りついた精子の臭いがようやく鼻孔を突き抜けた。
 片付けねぇと。めんどくせぇ。
 その直後だった。
「っ⁉」
 何かが折れたみたいな嫌な不協和音が響いてきた。背後から。
 慌ててパンツを上げつつ振り返る。

「鍵なんざ意味ねぇって…なぁ?」

 破壊された扉。
 鍵を掛けてたのに……蹴破られた⁉
 いや、それよりも!
 男が立ってる。一人の男が。
 その男は、まず、半裸だった。筋骨隆々の肉体が露わになっている。その筋肉を無視したってまずでかい。身長。褐色気味の肌。一番目を惹くドレッドヘアー。ひらひらした布みたいなうっすいズボンはどうでもいい。さらしを巻いてるのは気になる。
 なんだこいつ⁉
「お」
 男は首に手を当てると、左右に揺すって鳴らし始めた。
「お楽しみ中だったか……悪ぃことしたなぁ?」
 威圧感。ふてぶてしさ。恐怖感が襲い来る。
「なん」
「お前だろ? 『鍵』ってのは。」
 ようやく絞り出した声。言葉を、男は軽く遮る。
「そんじゃまぁ…早速」
 僅かに膝を曲げ、そして男は一直線に跳んできた。
「———っ⁉」

「殺し合おうぜ」
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