弱小国の王太子に転生したから死ぬ気で国を生き残させる

糸井嵜諸常

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税制改革は波乱だらけ

そうだ、中継地になろう

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今、この世界では、西大陸の国々が貿易でボロ儲けをしている。彼らは、新たに発見した新大陸に、軍を派遣し制圧し、植民地とする事で多大な財を獲ているのだ。新大陸から入ってくる金銀財宝に香辛料、新大陸へ送る日用品などの貿易は何をやっても儲ける、という状況で、商業の中心は西大陸へと確実に移行している。

 そんな中で、港を持っていないレシツィア王国は、この流れに完全に乗り遅れていた。というか、大陸中東部各国は、西部の商業化と共に不足した食糧を輸出する農業国になっていた。これでさは、他国と差を着ける事は至難の技だ。それこそ、村に行ったら村にじゃがいもがあった!?だとかトマトがあった!?ぐらいの奇跡が起こるしかない。だが、生憎この世界の神はクソロリの如く信用出来ない。そんな奇跡など起こしやしないだろう。
 だからといって、植民地を獲得する力も余裕も今のレシツィアには存在しない。

 そこで考えたのが、西から東への通商、その中継地としてお零れを貰おう、という事だ。
 幸いレシツィア王国には、大陸の背骨、アベリア山脈を挟み東西を結ぶ二つの大陸主要道、北大街道、南大街道の内の北大街道が通っているのだ。

 だがこの道も、主要道だからといって安全な訳では無い。常に盗賊や野生動物に襲われる危険もあるし、関所で足止めを食らうこともある。
 その為現状、東西の通商は、様々なルートに分裂してしまっている。これをレシツィア王国内を通るルート、つまり北大街道に集約したいのだ。
 そこで早速、昨日使者として来て、そのまま泊まっているタシューベルトを爺に呼ばせた。

 二回目の外交の始まりである。


「どうしたんですか一体、急に私を呼びつけて。昨日の会談の内容になんか不満でも?」

 突然呼ばれた事を、タシューベルトは訝しげに思っているようで、不信感を滲ませた声で俺に疑問を投げかけた。

「いやいや、昨日の内容に不満なんかありませんよ」

 誤解されては困るので、慌てて否定する。

「では一体何があって私を呼びつけたんですか?」

 そう言うタシューベルトに、東西通商の現状について話した。
  そうすると、流石昨日俺を完璧に丸め込んだだけあるのか、瞬時に俺の言いたい事を理解したようだ。

「成程、それで我々の協力関係の中に、通商の保護を入れる、という事ですか?」

「ああ、その通りだ。通商の商人が増えれば途中で鐘を落とすし、人も集まる。そうすれば税収も増えるし、決してどの国にとっても悪い話しじゃ無いんじゃないか?」

 そう言うとタシューベルトは、口角を上げ、ニヤッと一瞬だけ笑った。その笑みを見て、俺は若干緊張する。首筋に一滴の汗が滴った。

「いいでしょう、詳細はまた国に帰ってから此方が煮詰めましょう。」

 そうタシューベルトは了承した。



その後最終的にまとまった内容は、思惑通り、とまではいかないが、十分納得出来るないようだ。
 アルシャープス通商条約と名付けられたこの条約では、当初伝えられていた国々に、イレジア伯国を加えた国々の間で結ばれた物となり、内容は相互国間を通る通商人の手厚い保護に、関税の優遇、百年間の相互不可侵を定めた物となった。
  今まで周辺国との結ばれた条約が無かったレシツィアにとっては大きな進歩になった。

後、中継地としてより発展する為、北大街道の整備と宿場町の建設を行った。費用は浮いた分の軍費だけでは賄えず、アイヒシア商会に「投資」してもらった。
 また金がねぇ、と部屋で悶絶してたら救世主の様にルーグスが現れたのである。マジでルーグス様様だ。
 
良い弟を持ったもんだ。これで十年もしたら、レシツィアは通商中継地として栄え、そうすれば税収がガッポリ貰えるのだ。
 ちょっとだけ、国の滅亡からは遠ざかったのかもしれない。
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