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第35話-世界を巡る旅-
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最初の目的地は、ヨーロッパの古都・パリ。セーヌ川のほとりに突如出現したポータルが、黒い靄を放ち、街に不穏な影を落としていた。
研究所が用意した特別機で私たちはパリへと向かった。機内では、白石先生がパリのポータルに関する詳細なデータと、バリキーの侵蝕パターンについて説明してくれた。
「パリのポータルは、これまででも特に侵蝕が深刻です。ポータルから出現する存在は、精神的な影響を人々に与えると報告されています」
「精神的な影響……」
私は思わず身構えた。かつてのクラゲ型のモンスターのように、意識そのものに干渉してくるのだろうか。
パリに到着すると、街は厳重な警戒態勢が敷かれていた。ポータルの周囲は封鎖され、軍やダンジョン対策機関の車両が並んでいる。街全体に黒い靄が立ちこめ、人々の顔にも不安の色が浮かんでいた。
私たちは現地チームと合流し、ポータルへと向かった。入り口は黒い渦のように歪み、低いうなり声が響いている。植物は枯れ、地面は黒く変色していた。
「花梨さん、無理はしないでください。異変を感じたら、すぐに知らせてください」
白石先生の言葉に、私は頷きながらグローブを握りしめた。
ポータルの中に足を踏み入れると、そこにはパリの美しさとはかけ離れた、陰鬱で冷たい空間が広がっていた。空気は重く、視界は靄に包まれている。足元には黒曜石の破片が散らばっていた。
「まるで……バリキーの意識が、この空間全体を支配しているようだ」
健太が計測器を見ながら呟く。
そのとき、黒い靄の中から、不定形の黒い塊がいくつも現れた。その一つ一つが、冷たく邪悪なエネルギーを放っている。
「精神的影響を与える存在……あれね!」
美咲が麻痺胞子の袋を構える。
黒い塊はゆっくりと近づいてきた。私たちの精神に語りかけるように、不安や恐怖が心に広がっていく。
私は光をグローブに集中させ、奔流を放った。だが、それは一時的に敵を散らしても、すぐに形を取り戻してしまう。
「物理攻撃が通りにくい!精神への干渉かもしれない!」
白石先生が叫ぶ。
その瞬間、私の頭の中に、バリキーの意志が直接響いた。
『……光の導き手……お前は闇の前に無力……絶望こそが、宇宙の真実……』
その声は、私の過去の後悔や未来への恐怖を増幅させ、体から力が抜けていく。
「くっ……!」
私は膝をつきかけた。
「花梨さん!しっかり!」
遠くで白石先生の声が聞こえる。美咲と健太も心配そうに見ている。
『……諦めろ……お前の光は闇に飲み込まれる……』
そのとき、私の内なる光が再び輝き出した。デーモンの言葉、仲間たちの姿が心に浮かぶ。
『……光は、繋がり……』
私は一人じゃない。仲間がいる。
目を閉じ、繋がりを意識すると、光はさらに強く輝き、バリキーのテレパシーを押し返した。
「私は、諦めない!」
私は立ち上がり、より強くなった光を放った。それは黒い塊を焼き払い、靄を払った。
だが、奥から次々と現れる黒い塊。
「キリがありません!花梨さん、ポータルの核心部を探してください!」
私は光で敵を退けながら、ポータルの奥へ。美咲と健太も援護してくれる。
そこには赤いクリスタルが鎮座していたが、黒い靄に覆われ、脈動していた。
「これが核……バリキーの力が浸食してる!」
核に触れようとすると、強力なエネルギーに弾き飛ばされる。
「くっ……!」
白石先生が新たなデバイスを投げ渡してくれた。
「これを使ってください!光の力を増幅できます!」
私はそれをグローブに装着し、再び核へ。光は増幅され、黒い靄を焼き払っていく。
やがて、核と共鳴した私の光が空間を満たし、ポータルは完全に浄化された。
パリの空に、再び穏やかな光が戻る──
だが、バリキーの最後の声が、私の心に残っていた。
『……光の導き手……我は決して、諦めない……』
戦いは、まだ終わっていない。
この世界には、まだ多くの浸食されたポータルが存在している。
私たちは、次の戦いへと歩みを進めた。
世界を救う旅は、まだ始まったばかりだ──。
研究所が用意した特別機で私たちはパリへと向かった。機内では、白石先生がパリのポータルに関する詳細なデータと、バリキーの侵蝕パターンについて説明してくれた。
「パリのポータルは、これまででも特に侵蝕が深刻です。ポータルから出現する存在は、精神的な影響を人々に与えると報告されています」
「精神的な影響……」
私は思わず身構えた。かつてのクラゲ型のモンスターのように、意識そのものに干渉してくるのだろうか。
パリに到着すると、街は厳重な警戒態勢が敷かれていた。ポータルの周囲は封鎖され、軍やダンジョン対策機関の車両が並んでいる。街全体に黒い靄が立ちこめ、人々の顔にも不安の色が浮かんでいた。
私たちは現地チームと合流し、ポータルへと向かった。入り口は黒い渦のように歪み、低いうなり声が響いている。植物は枯れ、地面は黒く変色していた。
「花梨さん、無理はしないでください。異変を感じたら、すぐに知らせてください」
白石先生の言葉に、私は頷きながらグローブを握りしめた。
ポータルの中に足を踏み入れると、そこにはパリの美しさとはかけ離れた、陰鬱で冷たい空間が広がっていた。空気は重く、視界は靄に包まれている。足元には黒曜石の破片が散らばっていた。
「まるで……バリキーの意識が、この空間全体を支配しているようだ」
健太が計測器を見ながら呟く。
そのとき、黒い靄の中から、不定形の黒い塊がいくつも現れた。その一つ一つが、冷たく邪悪なエネルギーを放っている。
「精神的影響を与える存在……あれね!」
美咲が麻痺胞子の袋を構える。
黒い塊はゆっくりと近づいてきた。私たちの精神に語りかけるように、不安や恐怖が心に広がっていく。
私は光をグローブに集中させ、奔流を放った。だが、それは一時的に敵を散らしても、すぐに形を取り戻してしまう。
「物理攻撃が通りにくい!精神への干渉かもしれない!」
白石先生が叫ぶ。
その瞬間、私の頭の中に、バリキーの意志が直接響いた。
『……光の導き手……お前は闇の前に無力……絶望こそが、宇宙の真実……』
その声は、私の過去の後悔や未来への恐怖を増幅させ、体から力が抜けていく。
「くっ……!」
私は膝をつきかけた。
「花梨さん!しっかり!」
遠くで白石先生の声が聞こえる。美咲と健太も心配そうに見ている。
『……諦めろ……お前の光は闇に飲み込まれる……』
そのとき、私の内なる光が再び輝き出した。デーモンの言葉、仲間たちの姿が心に浮かぶ。
『……光は、繋がり……』
私は一人じゃない。仲間がいる。
目を閉じ、繋がりを意識すると、光はさらに強く輝き、バリキーのテレパシーを押し返した。
「私は、諦めない!」
私は立ち上がり、より強くなった光を放った。それは黒い塊を焼き払い、靄を払った。
だが、奥から次々と現れる黒い塊。
「キリがありません!花梨さん、ポータルの核心部を探してください!」
私は光で敵を退けながら、ポータルの奥へ。美咲と健太も援護してくれる。
そこには赤いクリスタルが鎮座していたが、黒い靄に覆われ、脈動していた。
「これが核……バリキーの力が浸食してる!」
核に触れようとすると、強力なエネルギーに弾き飛ばされる。
「くっ……!」
白石先生が新たなデバイスを投げ渡してくれた。
「これを使ってください!光の力を増幅できます!」
私はそれをグローブに装着し、再び核へ。光は増幅され、黒い靄を焼き払っていく。
やがて、核と共鳴した私の光が空間を満たし、ポータルは完全に浄化された。
パリの空に、再び穏やかな光が戻る──
だが、バリキーの最後の声が、私の心に残っていた。
『……光の導き手……我は決して、諦めない……』
戦いは、まだ終わっていない。
この世界には、まだ多くの浸食されたポータルが存在している。
私たちは、次の戦いへと歩みを進めた。
世界を救う旅は、まだ始まったばかりだ──。
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