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「魔気解放かなんだか知らねぇが……その程度か」
「強がりたいお年頃ね♡王炎弾!」
ほう………魔気解放の影響か?魔法発動スピードが上がっている。だが……
「何も変わんないぞ」
「ふんっ!無駄よ!この王炎弾は魔気解放の影響で威力が5倍跳ね上がっているわ!」
「オーラブレード」
ユーズは成長したソウルによって具現化したオーラブレードを持って向かってくる王炎弾を真っ二つにする。
「う、嘘でしょう!?!?!?」
「な、なんと!どこからか現れた謎の剣によってナーコ様の最高魔法の王炎弾が意図も簡単に無効化されてしまいました!!!」
「な、なんだあいつは!?化け物か!」
観客はどよめく。そしてーー
「な、な、なにをやっとるのか!!!!さっさとあのガキを殺さんか!!」
ジザード公爵はひどく怒っていた。負けることなど微塵とも思っていなかった相手に苦戦どころか押されている光景に耐えれなくなり、顔が火山の噴火のように真っ赤になる。
そしてその様子に気付いたのか、ナーコ・プリズムの動きに焦りが見えてくる。
「避けてばっかも性にあわないんでな。そろそろ攻めさせてもらうぞ。ソウルソード弐式『流斬』」
「は、はや…………」
流れるような美しく、無駄がないソウルソードの剣術『流斬』は常人では防ぐことが非常に困難な技だ。恐らく素人の観客には何が起こったのか分かっていないだろう。
「よくも!!高貴なる私の右腕を切り落としてくれたわね!!!」
「ど、どういうことでしょうか!?!?ナーコ・プリズム様の右腕が切り落とされています!」
「……………………」
もはや観客は声などを発することが出来ていない。それほどの衝撃と驚愕を与えているのは先程までは野次を飛ばされまくっていた13歳の少年ユーズ・ジリデア。彼の美しい戦闘に観客は野次など飛ばす気が無くなっていた。
そしてナーコ・プリズムは必死に睨むが右腕を失って何もできていない状態だ。最後の足掻きと言ったところだろう。
「終わりだナーコ・プリズム」
「ふふ………良いのかしら?これは模擬戦よ、私を殺すとどうなるか分かるかしら?」
「関係ない」
(や、やばい……この目は本気だわ!死ぬ!こんな所で!?)
「そこまでだ」
全員が一斉に声の主に視線を移動する。その声の主は威厳にある厳つい顔にいかにも高貴な地位の人物が着るような服装をした、公爵家のジザード公爵だ。
(なっ!?あの男、生きていただと?あれで生き残るほどの実力は無いはずだが……となると、俺が知らない技術をこの世界は持っているのだろうか?)
となると、この先は下手に動くことは出来ないな。単純な武功で言ったら完成し切ったソウルマスターにこの世界の者が勝てることはほぼ不可能に近いだろう。しかし、もしもその不可能を可能にできるような技術を所有していたら?そうなったら、どうしようもできない。まずはこの世界について色々知るべきだったな。
そんなことより…
「これは模擬戦だ、仲介人が止めたらこの戦いは終わりだ」
「ふぅ………めんどくさいことしてくれるなぁ…」
「あっ!ははははは!!残念だったわね!待ってなさい!必ずあなたを私の足元に転ばせてやるわ!」
そう言って、ナーコ・プリズムはジザード公爵と一緒にどこかへ消えてしまった。
「凄かったぞ!少年!」
「あのナーコを見事に敗北まで追い込んだな!やるなぁ!」
観客はユーズに向かって拍手を送る。この戦いを見た者はもう誰もユーズを馬鹿にすることは無いだろう。むしろ、ナーコの危険行為の数々によって、ユーズへの同情の声が上がることになる。
「強がりたいお年頃ね♡王炎弾!」
ほう………魔気解放の影響か?魔法発動スピードが上がっている。だが……
「何も変わんないぞ」
「ふんっ!無駄よ!この王炎弾は魔気解放の影響で威力が5倍跳ね上がっているわ!」
「オーラブレード」
ユーズは成長したソウルによって具現化したオーラブレードを持って向かってくる王炎弾を真っ二つにする。
「う、嘘でしょう!?!?!?」
「な、なんと!どこからか現れた謎の剣によってナーコ様の最高魔法の王炎弾が意図も簡単に無効化されてしまいました!!!」
「な、なんだあいつは!?化け物か!」
観客はどよめく。そしてーー
「な、な、なにをやっとるのか!!!!さっさとあのガキを殺さんか!!」
ジザード公爵はひどく怒っていた。負けることなど微塵とも思っていなかった相手に苦戦どころか押されている光景に耐えれなくなり、顔が火山の噴火のように真っ赤になる。
そしてその様子に気付いたのか、ナーコ・プリズムの動きに焦りが見えてくる。
「避けてばっかも性にあわないんでな。そろそろ攻めさせてもらうぞ。ソウルソード弐式『流斬』」
「は、はや…………」
流れるような美しく、無駄がないソウルソードの剣術『流斬』は常人では防ぐことが非常に困難な技だ。恐らく素人の観客には何が起こったのか分かっていないだろう。
「よくも!!高貴なる私の右腕を切り落としてくれたわね!!!」
「ど、どういうことでしょうか!?!?ナーコ・プリズム様の右腕が切り落とされています!」
「……………………」
もはや観客は声などを発することが出来ていない。それほどの衝撃と驚愕を与えているのは先程までは野次を飛ばされまくっていた13歳の少年ユーズ・ジリデア。彼の美しい戦闘に観客は野次など飛ばす気が無くなっていた。
そしてナーコ・プリズムは必死に睨むが右腕を失って何もできていない状態だ。最後の足掻きと言ったところだろう。
「終わりだナーコ・プリズム」
「ふふ………良いのかしら?これは模擬戦よ、私を殺すとどうなるか分かるかしら?」
「関係ない」
(や、やばい……この目は本気だわ!死ぬ!こんな所で!?)
「そこまでだ」
全員が一斉に声の主に視線を移動する。その声の主は威厳にある厳つい顔にいかにも高貴な地位の人物が着るような服装をした、公爵家のジザード公爵だ。
(なっ!?あの男、生きていただと?あれで生き残るほどの実力は無いはずだが……となると、俺が知らない技術をこの世界は持っているのだろうか?)
となると、この先は下手に動くことは出来ないな。単純な武功で言ったら完成し切ったソウルマスターにこの世界の者が勝てることはほぼ不可能に近いだろう。しかし、もしもその不可能を可能にできるような技術を所有していたら?そうなったら、どうしようもできない。まずはこの世界について色々知るべきだったな。
そんなことより…
「これは模擬戦だ、仲介人が止めたらこの戦いは終わりだ」
「ふぅ………めんどくさいことしてくれるなぁ…」
「あっ!ははははは!!残念だったわね!待ってなさい!必ずあなたを私の足元に転ばせてやるわ!」
そう言って、ナーコ・プリズムはジザード公爵と一緒にどこかへ消えてしまった。
「凄かったぞ!少年!」
「あのナーコを見事に敗北まで追い込んだな!やるなぁ!」
観客はユーズに向かって拍手を送る。この戦いを見た者はもう誰もユーズを馬鹿にすることは無いだろう。むしろ、ナーコの危険行為の数々によって、ユーズへの同情の声が上がることになる。
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