世界最強の魔法使いは転生して魔剣士になり無双するようです

一話 転生

「お疲れ様です！エールの兄貴！！」

「……おう」

 見た目こそ、肌が綺麗で髪もサラサラな完璧な容姿なため、誰もが成人したばかりだと思う容姿だが、実際は不老魔法を使っているため、40を越えている
 
 彼は世界最強の魔法使いと称されるエール・ハンマート

 勇者顔負けの、たった1人で魔王を降伏させ、ドラゴンをも絶滅させた最強の魔法使いである

 1人での魔王討伐に世界の人々、魔王、魔物達は尊敬し、恐れ、すれ違うたびに挨拶をされる

 (居心地悪ぃな…あの手を使うしかないのか…)

 エール・ハンマートは魔王討伐後はこのような事になると予知していたため、世界最強の魔法使いであるエールは魔王討伐後に研究していた魔法がある

 それが『転生魔法』である。この転生魔法は1万年後に同じ容姿で転生すると設定されている

 1万年後の世界に転生する理由は、魔法がさらに発達していて新たな剣術、武術などが発達して強敵だらけだと思っているからだ

「お世話になった人達には一応、連絡魔法で連絡しておこう…」

 連絡魔法を使い、お世話になった人達への連絡を終えると、転生魔法を使うことを決める

「あばよ！」

 キュイーン！！！！！！

 転生魔法が展開される

「うぉぉぉー！？！？」

 エールの体に白色のオーラが纏われ、体が薄れていく

 そして、1万年後の世界に送り出されるように飛ばされる

「……ん」

 約10秒と言う時間で目が覚める

 目が覚めた場所はボロボロの小屋のようだ
 
「ん？なんだこれ」

 エールは机に置いてある一冊の本を発見する
 見出しには『魔剣士』と書いてある

「魔剣士…聞いた事ないな。1万年経ったから新しい言葉が出来ていてもおかしくないか」

 パラパラと本を開くと、目の前が眩しく光り、頭の中がピカっと光る感覚が起きる

 すると、本の内容がどんどんと頭の中に入り、魔剣士とはどのようなものなのかを即座に理解する

「なるほど…新しい戦闘スタイルか…面白い！これをこの世界では目指そう」

 すると、もう1つ新たな物を発見する。それは剣だ
 横に看板が置かれていて、内容は『これ自由に使いな』という内容だった

 ズコォンズコォン！！

 看板を読むと、大きな足音がエール方面に向かってくる

 見つけた剣を片手に小屋から出ると、巨大なサイクロプスが現れる

「おぅおぅ。こんな大きなサイクロプスは見た事ないな」

 自分の身長の10倍はある大きなサイクロプスに感動をする

 ちなみに、エールが居る場所は森だ

「久しぶりに使うか！フェニックス！！！！」

 エールは魔法陣を展開し、世界で一人しか使えない炎魔法の上位『フェニックス』を使う
 フェニックスのような炎がサイクロプスに突撃して行く

 それをサイクロプスは近くの巨大な木を抜き取り、相殺しようとする

「この時代のサイクロプスは知能が働くんだな！？木を抜き取って相殺しようとするなんて……」

 しかし、炎魔法最強格には耐えることができるはずも無く、一撃で丸焦げにしてしまい、倒す

 サイクロプスの跡形は何も残っていない

「…ん？これで終わり？」

 エールは一瞬で決まってしまった戦闘に戸惑いを隠せなかった
 だが、長年の戦闘で養った経験でサイクロプスはもう動けないと分かっている

「…街とか目指すか…」

 まずは森を目指すことにエールは決めた

 一方で

「総員！準備は良いか！？」

「はい！！」

 およそ500人は居るだろう人間が、ガチガチの武装で、魔物を討伐しようとしている
 リーダーはベテランの威厳に満ちた顔で、国の第一騎士団長のエベル・アルマー

「もう一度確認だ！俺達は今から星八級の突然変異サイクロプスを討伐しに行く！死者は必ず出るだろう！それでも着いてくると言う者は黙って着いてこい！」

 誰一人逃げ出そうとしない

 第一騎士団は最近、街を破壊しまくっている災害級の魔物、突然変異サイクロプスを討伐しようとしている
 この突然変異サイクロプスにいくつもの有名なパーティは壊滅させられている

 そして、国はこのサイクロプスを星八級と認定し、騎士団で最強の第一騎士団に支援を求めたのだ

 星八級は魔物中で4番目に危険な魔物と認定される位だ
 強さ順で言うと

神話級

伝説級

星九級

星八級

星七級

星六級

星五級

星四級

星三級

星二級

星一級

協力級

初心者級

 に分かれている。冒険者の位も同じように分かれている

「全長は約20m！一目で分かる大きさだろう！見つけたら構わず先制攻撃をしろ！行くぞぉぉぉ！！」

「おおおう！！！」

 第一騎士団はエールの居る森に向かう