【完結】初恋の女神の弟がなぜか俺にちょっかいを出してくるんだが? ~恋、始まり今いずこ~

上杉

文字の大きさ
38 / 53
3 Side 慧

37 暗雲?

しおりを挟む

「……はあ」
 中間考査が終わり、俺は思わず自分の席でそうため息をついた。その理由はもちろんテストに関することではない。打倒誉史のために、毎日取り組んでいる例のだ。
 俺の想像としては、はじめ慣れるまで大変で、ある程度感覚に慣れてしまえば、そこからは簡単だと思っていた。
 すでに挿れるもののサイズはわかっていたので目安は理解していたし、最初挿れる指の違和感はあったものの、いまではすっかりなくなっていたから。
 そんな俺だが、何より大変だったのが狭くならないように毎日手をかけないといけないことだった。
 しょうがないとはいえ準備に時間がかかるし、そのたびゴミが出る。それを母に隠れてこそこそ処理することがかなりストレスになっていた。
 ――でも……だからこそ少しずつ柔らかくなっている。
 俺がそう思えるほど、もうすこしで誉史のあれを挿れることができるくらいにはなっていた。
 俺はまだ頑張れる、そう思いながら机に突っ伏していると、前の席の誉史は突然振り返って言う。
「慧、テストお疲れ。……最近、体調とか大丈夫か?」
「ん……どうして?」
「いや、連絡しても返信遅いから」
 そのことばに俺はすこし考えて気付く。返信が遅れるのは、誉史のために夜な夜な穴を広げているからだった。
 俺はそれを勘付かれないように、落ち着いて答える。
「………勉強に集中してて……スマホを確認するのが遅くなるんだ」
 すると誉史は少し考えてから、
「……あのさ、テストも終わったことだし、慧の家また遊びに行ってもいい?あずささんに会いたいんだけど」
 と言った。
 誉史の言うあずささんとは、俺の母のことだ。あの夜、帰宅した母と誉史はなぜか意気投合して、静かになる俺の脇でふたりで昔の写真やらなにやらを話のネタにして、ふたりで盛り上がっていたのだ。
 ――確かにテストも終わったことだし、俺も久しぶりに誉史に触れたい。
 早く先へと関係を進めるため、時間を確保するために誉史とあまりすごせていなかった。そういうこともあって、俺は前に座る誉史を前にいつもお預けを食らっているようなものだった。
「ああ――」
 いいよ、そう言いかけて俺は不意に思い出した。
 俺の部屋は例のグッズが散乱したままになっているのだ。誉史を家に招いてしまえば、俺のやろうとしていることがモロバレになってしまう。
「――ごめん!今日は駄目だ」
 そう言い直すも、返答はなかった。
 どうしたのだろう、そう思い誉史を見ると、驚きと諦めが混ざったような顔でこちらを見ていた。
 そのどこか悲しげな表情に、俺は酷く動揺する。
「……誉史?」
「そっか。ならしょうがない」
 彼はそう言って教室の外へ向かおうとするので、その背に向かって俺は思わず声をかける。
「誉史!」
 しかし、それに対することばはなかった。
 俺は咄嗟に立ち上がり追いかけようとする。しかしなぜかそれを邪魔するように、後ろから俺の肩に体重を乗せてくるものがいた。
 こんなことしてくるのは、一人しか思い当たらなかった。
「ほーしのくん!なあ、最上もがみ先生から工具借りた?」
 背の高い、明るい長髪の男は、クラスメイトの真野まのだった。
「真野……いや、まだだけど」
「じゃあいまから行こうぜ。文化祭まで時間ないし、早くしないとクラス間で取り合いになるらしいじゃん」
 その重たいからだで押し付けられて、俺は一瞬動きが遅れてしまった。
「……そうだけど、いまはそんな場合じゃ……――誉史!」
 そう呼んだ時には、すでに教室に誉史の姿はいなくなっていた。
 
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

身代わり召喚された俺は四人の支配者に溺愛される〜囲い込まれて逃げられません〜

たら昆布
BL
間違って異世界召喚された青年が4人の男に愛される話

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語

紅林
BL
『桜田門学院高等学校』 日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する幼少中高大院までの一貫校だ。しかし学校の規模に見合わず生徒数は一学年300人程の少人数の学院で、他とは少し違う校風の学院でもある。 そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語

鬼上司と秘密の同居

なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳 幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ… そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた… いったい?…どうして?…こうなった? 「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」 スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか… 性描写には※を付けております。

溺愛系とまではいかないけど…過保護系カレシと言った方が 良いじゃねぇ? って親友に言われる僕のカレシさん

315 サイコ
BL
潔癖症で対人恐怖症の汐織は、一目惚れした1つ上の三波 道也に告白する。  が、案の定…  対人恐怖症と潔癖症が、災いして号泣した汐織を心配して手を貸そうとした三波の手を叩いてしまう。  そんな事が、あったのにも関わらず仮の恋人から本当の恋人までなるのだが…  三波もまた、汐織の対応をどうしたらいいのか、戸惑っていた。  そこに汐織の幼馴染みで、隣に住んでいる汐織の姉と付き合っていると言う戸室 久貴が、汐織の頭をポンポンしている場面に遭遇してしまう…   表紙のイラストは、Days AIさんで作らせていただきました。

僕の恋人は、超イケメン!!

八乙女 忍
BL
僕は、普通の高校2年生。そんな僕にある日恋人ができた!それは超イケメンのモテモテ男子、あまりにもモテるため女の子に嫌気をさして、偽者の恋人同士になってほしいとお願いされる。最初は、嘘から始まった恋人ごっこがだんだん本気になっていく。お互いに本気になっていくが・・・二人とも、どうすれば良いのかわからない。この後、僕たちはどうなって行くのかな?

入社1ヶ月のワンコ系男子が、知らずのうちに射止めたのはイケメン社長!?

monteri
BL
CM制作会社の新入社員、藤白純太は入社1ヶ月で教育係の先輩が過労で倒れたため、特別なクライアントの担当を引き継ぐことになる。 そのクライアントは、女子禁制ミーハー厳禁の芸能事務所だった。 主人公の無知で純なところに、翻弄されたり、骨抜きにされるイケメン社長と、何も知らない純太がドキドキするお話です。 ※今回の表紙はAI生成です ※小説家になろうにも公開してます

処理中です...