星になりたい

雑虫

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エイティ

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今日も僕は元気に遊びに出かけます。

いつもの住宅街を歩いていると、何やら宇宙服を着た不審な人が立っていました。

横を通り過ぎようとすると、不振な人は喋りかけてきました。
「こんにちは、僕の名前はエイティ」

「こんにちは」
見るからに怪しい人だったので挨拶をしてすぐ通り過ぎようとすると、不振な人は勝手に語りだしました。

「いつも公園に行く道はここを左に曲がって行くよね。でも今日は右に曲がってご覧。そうすれば君は急に出てきたトラックに引かれて死ぬ事が出来るよ。」

僕はとても不思議に思いました。なんでわざわざ死ぬ道を選ばなければならないんだろう。それに、この不審な人はなんでそんなことを知ってるんだろう。

「まだ死にたくないから左から行きます」
また歩き出そうとすると、不審な人はしつこく喋りかけてきます。
「本当にそっちでいいの?」

「死にたくないのはね、今のうちだけなんだよ。あともう10年もすれば君は死にたくて死にたくてたまらなくなってしまうよ。それに今ならなんの責任もなく死ねる最大のチャンスなんだ」

僕には不審な人の話が全く理解できませんでした。なんで僕はこんなに楽しいのに死んだ方がいいなんて言うんだろう。

「僕は今楽しいし、死にたいなんて思いません。それにもし僕が大人になって辛いことがあっても死ぬことはないと思います」
不審な人は無表情のまま質問します。
「どうしてそう思うんだい?」

「だって死んじゃったら辛いことも楽しいことも分からないから。10年後辛くても、20年後は幸せかもしれないから、辛い時に死んじゃったらもったいないって思います」

「20年後も、30年後も、この先ずーっと辛かったら?」
「それでも僕は死にたくないです。死んじゃったら今までの楽しい思い出も無くなっちゃうし、家族や友達とも会えない。それに…」
不審な人はピクリとも動かないまま言葉を待ちます。

「生きるってきっと、ものすごい幸せなことだから。辛いだけの人生なんて、ありえないと思います」
不審な人はしばらく黙っていましたが、また無表情のまま喋りだしました。
「…そうかい。なら左の道を進むといいよ。お話に付き合ってくれてありがとうね」

そう言うと不審な人はもう何も喋らず、僕が左の道に進むのを見送りました。

おしまい

「はぁ、またここに来ちゃったな。僕が何を言っても変わることはないのに。ん?じゃあなんで来たのかって?それはね」
じっと少年が曲がった道を眺めながら不審な人は呟きます。
「この時の彼の言葉が、とても美しいから」
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