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SPEED 02 現実の終着
SPEED 02-04
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「まあ耳に説明しても無駄か……お前の場合」
「……俺に何か恨みあんのか……」
「仕方ない……実際に証明してやろう」
羽交い絞めを解く零士の遠い目。
降って湧いた自由を手に、そうするのが当然とばかり男(ジャンキー)は迷うことなくカルナの下(もと)へ。
が、両者の干渉を断つべく零士が割って入り、逆に干渉。
男(ジャンキー)は阻止行動に苛立ちの反応を露に邪魔者排除を最優先、襲い掛かった。
刹那、零士の右脚が男(ジャンキー)の首筋に炸裂。
ーみ!見えんかった……モーションしかー
カルナには、零士の左踵が回り右脚が地を離れる寸前の映像までしか確認できなかった。
ー俺はとんでもない奴を相手に踊ってたんかもしれん……カッコ悪いやんけ……ー
しかも、カルナに目を見開かせた零士の動作速度は、男(ジャンキー)の首を異常に曲げるに十分。
「わかるか?コイツはこんな状態に陥ろうとも平気で生きていられる。これがまず一つ」
との説明も、人間離れした動きによって呆然と魅了されている耳には届こう筈もない。
零士はそんなカルナを尻目に更に重ねる。
「いいか?俺は今コイツに打撃を与えた。そして吸収するってことの証明がコレだ」
言うなり、零士の膝が男(ジャンキー)の腹部に。
途端、大上段から凄まじい速度を持つ大鎌のような腕が零士を強襲。
が、当の零士は既に場には存在せず、男(ジャンキー)の大鎌は虚しく地(アスファルト)を粉砕。
「わかったか?」
男(ジャンキー)の場からカルナの座(ヘタ)る場まで約十メートル。零士は距離を一瞬で越え、カルナの傍に。
ーまたや……今度は残像を捉えんのがやっとー
「見てみろ、奴が地(アスファルト)に残した産物を。お前に向け作られた穴(モノ)、そして新たなる穴(モノ)、直径にして約二倍は拡大している。さっきも言った通り、奴は衝撃を吸収する。端的に言ってしまえば、他者からの衝撃(エネルギー)を自らの攻撃力・防御力・身体速度等の能力(ちから)に変換、水準(レベル)を格段に上げられるという仕組みを持っている」
ー奴(ジャンキー)は確かに化物なんかもしれん、あんな姿で動いとんのやから……しかし、しかしや、ソレを軽くあしらうコイツの方がもっと……ー
一方、真実に近付くカルナを見付けた男(ジャンキー)は、無心の如く常人離れとなった水平跳躍を敢行。
「現在(いま)のお前のレベルでは、ああいう風に調子付かせちまう。あの手の手合い(タイプ)の潰し方を教えてやろう」
零士は口答えの間も与えず両者間に立ち塞がると、前回とは異なる穏やかな動きを以って男(ジャンキー)の肩口を押しやった。
直後、男(ジャンキー)は標的(ターゲット)を見失い明後日の方角へ。凄まじい跳躍力を自が車にメリ込ませた。
「こういう力の使い方もある。所詮、己の発したエネルギーは自身では回収できん。コレは力押しでのお前とは対極に位置する術(すべ)……即ち、太古より伝わる静と動」
スクラップ工場の如き音と匂いの中から復活する男(ジャンキー)。しかしその様相は、首や両肩の骨が肉を突き破り、大量の血液が身体の表面を洗う見るも無残な姿。
「最後のお勉強だカルナ。物質等を吸収するあの輩にどうすれば終止符を打てるか……わかるか?」
いくら問われようと、辛酸を舐めたような表情でさえ変化させるのは容易ではなかった。実力の差を見せ付けられたカルナにとっては。
「……俺に何か恨みあんのか……」
「仕方ない……実際に証明してやろう」
羽交い絞めを解く零士の遠い目。
降って湧いた自由を手に、そうするのが当然とばかり男(ジャンキー)は迷うことなくカルナの下(もと)へ。
が、両者の干渉を断つべく零士が割って入り、逆に干渉。
男(ジャンキー)は阻止行動に苛立ちの反応を露に邪魔者排除を最優先、襲い掛かった。
刹那、零士の右脚が男(ジャンキー)の首筋に炸裂。
ーみ!見えんかった……モーションしかー
カルナには、零士の左踵が回り右脚が地を離れる寸前の映像までしか確認できなかった。
ー俺はとんでもない奴を相手に踊ってたんかもしれん……カッコ悪いやんけ……ー
しかも、カルナに目を見開かせた零士の動作速度は、男(ジャンキー)の首を異常に曲げるに十分。
「わかるか?コイツはこんな状態に陥ろうとも平気で生きていられる。これがまず一つ」
との説明も、人間離れした動きによって呆然と魅了されている耳には届こう筈もない。
零士はそんなカルナを尻目に更に重ねる。
「いいか?俺は今コイツに打撃を与えた。そして吸収するってことの証明がコレだ」
言うなり、零士の膝が男(ジャンキー)の腹部に。
途端、大上段から凄まじい速度を持つ大鎌のような腕が零士を強襲。
が、当の零士は既に場には存在せず、男(ジャンキー)の大鎌は虚しく地(アスファルト)を粉砕。
「わかったか?」
男(ジャンキー)の場からカルナの座(ヘタ)る場まで約十メートル。零士は距離を一瞬で越え、カルナの傍に。
ーまたや……今度は残像を捉えんのがやっとー
「見てみろ、奴が地(アスファルト)に残した産物を。お前に向け作られた穴(モノ)、そして新たなる穴(モノ)、直径にして約二倍は拡大している。さっきも言った通り、奴は衝撃を吸収する。端的に言ってしまえば、他者からの衝撃(エネルギー)を自らの攻撃力・防御力・身体速度等の能力(ちから)に変換、水準(レベル)を格段に上げられるという仕組みを持っている」
ー奴(ジャンキー)は確かに化物なんかもしれん、あんな姿で動いとんのやから……しかし、しかしや、ソレを軽くあしらうコイツの方がもっと……ー
一方、真実に近付くカルナを見付けた男(ジャンキー)は、無心の如く常人離れとなった水平跳躍を敢行。
「現在(いま)のお前のレベルでは、ああいう風に調子付かせちまう。あの手の手合い(タイプ)の潰し方を教えてやろう」
零士は口答えの間も与えず両者間に立ち塞がると、前回とは異なる穏やかな動きを以って男(ジャンキー)の肩口を押しやった。
直後、男(ジャンキー)は標的(ターゲット)を見失い明後日の方角へ。凄まじい跳躍力を自が車にメリ込ませた。
「こういう力の使い方もある。所詮、己の発したエネルギーは自身では回収できん。コレは力押しでのお前とは対極に位置する術(すべ)……即ち、太古より伝わる静と動」
スクラップ工場の如き音と匂いの中から復活する男(ジャンキー)。しかしその様相は、首や両肩の骨が肉を突き破り、大量の血液が身体の表面を洗う見るも無残な姿。
「最後のお勉強だカルナ。物質等を吸収するあの輩にどうすれば終止符を打てるか……わかるか?」
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