【完結】満月に導かれし龍の淫紋 〜運命の番は闇落ち王子〜

亜沙美多郎

文字の大きさ
11 / 104
本編

運命の番 ★R-18

しおりを挟む
 記憶はハワード国王と話していたところまで遡った。

 この世界で最も強い召喚獣は龍で、龍は運命の番としか番えない。それまでは発情もしない。

 そしてその龍の紋を持つ者。それがハワード国王の長男、つまり次期国王であるカマル王子だと。

 あの時はそれほど理解していなかった。っというよりも、自分には関係のない話だと思っていた。

 自分の腹に現れたのは確かにタトゥーのようではあるらしい。しかし、ヒョロっとした黒い線があるだけで何が描かれているかも分からない。こんなの、誰かが悪戯で描いたマジックの落書きのようにしか見えない。

 しかし、この黒いマントの男が本当にカマル王子だとすれば、月亜が着ている独特な服に反応したのも辻褄が合う気がする。もしあの服が王族専用の服であればの話だが。

 もうこれ以上発情が進まなように、なるべく違うことを考えた。考えることは沢山ある。意識を逸らさないと、徐々に自分の息が上がっているのを自覚しなければならない。でなければ、またあの快楽に溺れなくてはならないのだ。


「お前、どこから来た?」

 掠れた低い声であったが、なんとか聞き取れた。この男も呼吸が乱れ始めている。月亜とは違って鎮めようとする気はないらしい。それどころか、逃すものかと、月亜に狙いを定めた獣の目をしている。

「あの、実は……違う世界から来ました。猫を助けようとして、事故に遭って……気づいた時にはこの世界でした。それをハワード国王が助けてくれて……」

「ハワード……やはり王城へ行ったのか」

「はい。あの、その紋。龍……ですか?」

「……そうだ」

「あなたは、カマルさん?」

「…………」

 少しの間沈黙していたが、そのままコクリと頷いた。やはり、この人は次期国王のカマル王子だ!!

 そのカマル王子の口から次に言われた一言はかなりの衝撃であった。

「お前は、俺の『運命の番』だ」

「へっ……?」

 運命の番と口に出した途端、カマルの淫紋が作動した。淫紋は発作のように発症する。淫紋による欲情は自身で抑えることなどできない。カマルは月亜の紋を見た時から激しく淫紋とアルファの性が反応していた。

 そして月亜の発情を促したのは、紛れもないカマルなのだ。

 カマルの発情を察したかのように月亜のオメガの性も発情する。

「あっ、あれ……なんで……また、これは……発情……?」

 はぁ、はぁ、と息切れてきた。再び体の奥から熱を帯びていく。

「お前のそれは、龍の紋だ」

 ゆっくりと月亜を組み敷きながらカマルが言った。

(こんなミミズのような紋が龍? 俺とカマル王子が運命の番?)

 頭が混乱している。自分では抑えきれない発情で余計にパニックに陥った。

 カマルが舌を絡めてくる。熱い吐息と共に月亜の口腔へと侵入する。

「体液が必要なのだ。お前の、体液が」

「る……ルアです。俺の名前。天海月亜あまみるあ

「ルア……そうか、やはりお前は間違いなく私の番だ」

 晩に抱かれた時に比べれば随分と優しい口付けだ。「体液をくれ」と言いながらも、月亜自身を求めるような甘いキス。

 綜馬とのキスを思い出してしまったが、気持ち良さは比にもならない。こんなにも甘く官能的なキスは味わったことがない。

 下腹部がジンと疼いた。欲しがっているのだ。晩にあれだけ抱かれても尚、まだ月亜の体はカマルを求めている。

 キスをされただけで、月亜のものはしっかりと昂った。先端からは愛蜜が溢れる。このままではキスだけで果ててしまうかもしれない。それほどまでにカマルからのキスは濃厚で官能的だった。


 カマルは月亜の口から顔を離すと、首から鎖骨、そして胸の突起へと舌を這わせていく。時折啄むように肌にキスをした。

 晩は胸などには興味もないように、体液だけを求められていたが、今は違う。

 月亜を気持ちよくさせようとしてくれている。肌を滑る舌がくすぐったくて体が捩れる。

「ふぅ、ん……」

 艶めいた声も、恥ずかしげもなく出していた。

 カマルが乳暈ごと舐めとると、電気が走ったように快楽の波が押し寄せる。既に後孔は、迎え入れるのを期待しているかのように濡れ、入口をひくひくとさせた。

 カマルは自分の昂りを月亜の腹に押しつけつつ、胸の突起を舌で執拗に弄ってきた。反対の突起は指で蹂躙されている。

「あっ、あぁ……そこ、だめ……」

 月亜の要望は聞き入れてもらえない。それどころか、体に張り付いた白濁の跡さえも残すまいという勢いで舐めて回る。

「やぁ! はっ、んん……うぅ……」

 腋窩から、脇腹、臍、腿の付け根へとカマルの舌で舐め取られていく。

 月亜はくすぐったいのか感じているのか分からなくなってきた。本当は中心のものを触って欲しい。先端からは愛蜜が溢れ、屹立をしとどに濡らしている。

 体液が欲しいと言う割には、一番濃い体液が溢れている昂りには触れてもらえない。

 触れるか触れないかのところばかりを攻めてくるのだ。

 焦ったくて、触って欲しくて、気づけば自分から腰を浮かせていた。

「私が欲しいか?」

 意地悪く質問され、訴えるように首を縦に振って答えた。

「……欲しいです。あなたが欲しい」

 ケロイドで焼け爛れたような顔が少し綻んだ気がする。

 本当は怖い人でもなさそうだ。

 闇堕ちしたと国王が言っていた。この闇を祓えたりするのだろうかと、月亜は考えた。

 自分と番になることで、カマル王子の闇が祓えるのならそうしたいと。

 本来の姿を見てみたいと思う。

「挿れる……」

 宣言するように言うと同時に、孔の中へと押し這入る。明け方までカマルの男根が這入っていた上に、オメガの性が受け入れ体制を整えている。

 カマルの男根は瞬く間に最奥へと届いた。

「ハァァ!! ぁアアっ、はぁっ、うぅ……んん……」

 最奥まで届くと休む間も無く腰を揺らす。

「気持ち、い……はぁぁ、ん」

 カマルの余裕のない顔が嬉しかった。昨日はあんなにも恐れていたのに、今はカマルと肌を合わせているのが嬉しくて仕方がない。

 これが運命の番というものなのか。

 快感を全身で受け入れるのが、こんなにも幸せなのだと知った。

 何度だってカマルを受け入れたいと思い、背中に腕を回し、引き寄せた。
しおりを挟む
感想 14

あなたにおすすめの小説

やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。

毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。 そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。 彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。 「これでやっと安心して退場できる」 これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。 目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。 「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」 その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。 「あなた……Ωになっていますよ」 「へ?」 そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て―― オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。

逃げた弟のかわりに溺愛アルファに差し出されました。初夜で抱かれたら身代わりがばれてしまいます💦

雪代鞠絵/15分で萌えるBL小説
BL
逃げた弟の身代わりとなり、 隣国の国王である溺愛アルファに嫁いだオメガ。 しかし実は、我儘で結婚から逃げ出した双子の弟の身代わりなのです… オメガだからと王宮で冷遇されていたので、身代わり結婚にも拒否権が なかたのでした。 本当の花嫁じゃない。 だから何としても初夜は回避しなければと思うのですが、 だんだん王様に惹かれてしまい、苦しくなる…という お話です。よろしくお願いします<(_ _)>

伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい

マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。 最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡) 世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。

美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜

飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。 でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。 しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。 秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。 美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。 秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。

【WEB版】監視が厳しすぎた嫁入り生活から解放されました~冷徹無慈悲と呼ばれた隻眼の伯爵様と呪いの首輪~【BL・オメガバース】

古森きり
BL
【書籍化決定しました!】 詳細が決まりましたら改めてお知らせにあがります! たくさんの閲覧、お気に入り、しおり、感想ありがとうございました! アルファポリス様の規約に従い発売日にURL登録に変更、こちらは引き下げ削除させていただきます。 政略結婚で嫁いだ先は、女狂いの伯爵家。 男のΩである僕には一切興味を示さず、しかし不貞をさせまいと常に監視される生活。 自分ではどうすることもできない生活に疲れ果てて諦めた時、夫の不正が暴かれて失脚した。 行く当てがなくなった僕を保護してくれたのは、元夫が口を開けば罵っていた政敵ヘルムート・カウフマン。 冷徹無慈悲と呼び声高い彼だが、共に食事を摂ってくれたりやりたいことを応援してくれたり、決して冷たいだけの人ではなさそうで――。 カクヨムに書き溜め。 小説家になろう、アルファポリス、BLoveにそのうち掲載します。

身代わり召喚された俺は四人の支配者に溺愛される〜囲い込まれて逃げられません〜

たら昆布
BL
間違って異世界召喚された青年が4人の男に愛される話

【完結】愛されたかった僕の人生

Kanade
BL
✯オメガバース 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。 今日も《夫》は帰らない。 《夫》には僕以外の『番』がいる。 ねぇ、どうしてなの? 一目惚れだって言ったじゃない。 愛してるって言ってくれたじゃないか。 ねぇ、僕はもう要らないの…? 独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ✻改稿版を他サイトにて投稿公開中です。

悪役令息物語~呪われた悪役令息は、追放先でスパダリたちに愛欲を注がれる~

トモモト ヨシユキ
BL
魔法を使い魔力が少なくなると発情しちゃう呪いをかけられた僕は、聖者を誘惑した罪で婚約破棄されたうえ辺境へ追放される。 しかし、もと婚約者である王女の企みによって山賊に襲われる。 貞操の危機を救ってくれたのは、若き辺境伯だった。 虚弱体質の呪われた深窓の令息をめぐり対立する聖者と辺境伯。 そこに呪いをかけた邪神も加わり恋の鞘当てが繰り広げられる? エブリスタにも掲載しています。

処理中です...