【完結】私立秀麗学園高校ホスト科⭐︎

亜沙美多郎

文字の大きさ
82 / 209
〜2学期編〜

3年生の本気を見せつけられたので、僕達も頑張らせて頂きます!

しおりを挟む
詳細を説明すると、都華咲をはじめとするクラスメイトが呆然としました。


校庭に運ばれた大量の木材。それは……文化祭で3年生が出店する木造3階建てのアスレチックなのです!!


「アスレチックって……レンタル出来るんだ……」

「そうみたいです。エイト先輩やミツ先輩は内部推薦が決まってるのですが、やはりそうじゃない生徒もいるので……なるべく受験勉強の時間を確保しつつ、文化祭を成功させる為に行き着いた答えがコレだったそうです」


簡単に説明したものの……こんな工事を目の当たりにすると、秀麗のレベルの違いをヒシヒシと感じてしまいました。


「ここだけでなく、当日は3年A組に小さなお子様向けのエアーアトラクションも設置するらしいですよ」


「は⁉︎ちょっ待てよ!秀麗の文化祭の予算っていくらだよ⁉︎」
「予算はカイト先輩が仕切っているので、申請すれば相談に乗ってくれるとは思いますが……」

そこに遼ちゃんと紫音君が教室へ飛び込んできました。

「校庭、一体何事??」

もう一度説明すると、紫音君と共に、口をあんぐりと空けて固まってしまいました。

「おい!佐伯、このままじゃマズイぞ!1年も教室豪華しないと目立てないぜ⁉︎」

「確かに……」

考えが甘かったですね。看板と受付だけで大丈夫と思っていましたが……。もう一捻りアイデアが必要です。


合同体育で遼ちゃん達と同じ卓球にしたのは、結果的に正解でした。卓球場に向かいながらも、休憩中も、来夢君達を交えての緊急会議です。

結果、受付に使うA組の内装を本物のホストクラブのように飾ってはどうか。とか、紫音君の家に頼んで教室に花を飾って貰い、撮影スポットを作ってはどうか……等の案が出されました。

「よし、とにかく教室とは思えない空間を作ろうぜ!内装デザインは俺と佐伯で考える。椿と来夢はあららぎ先輩に予算の相談をしてくれ」
粗方の意見がまとまったところで都華咲が仕切ってくれました。

「うん!分かりました!なるべく沢山出してもらえるように交渉頑張りますね」

準備は忙しくなくて良いかも……なんて思っていましたが、大どんでん返しです。何としても成功させなければ!!



放課後、来夢君と共に生徒会室へ向かいました。今日も今日とて花魁道中の練習です。でも高さ18cmの下駄では歩くだけなら出来るようになり、今日から高さ24cmの下駄での練習が始まりました。
(18cmの下駄で歩けるようになったら、週末遊びに行って良いって言ってたのに……いつの間にか24cmに変わっていました。ミツ先輩の鬼ぃ!)

これでやっと来夢君と同じ身長……。


「こ………怖いです……」
慣れない高さにまた振り出しに戻ったよう……。再び足がガクガク震えました。


「椿、そんなんじゃ30cmの高下駄は履けないよ?」

「ミツ先輩……そうは言っても……床を踏みしめてる実感も持てないですよ……」


「椿、俺が支えるから安心しろ。絶対に守るから」

来夢君の力強い言葉に、少しずつ足を前に出しました。

「うわあああ……」
転ぶ想像ばかりが先走って恐怖心がぬけません。

「椿、とりあえず俺の腕にしがみつけ。少しずつ慣れれば良い」
「はい……分かりました」

来夢君の腕にしがみついて歩いてみると、さっきより安心して前進する事が出来ました。

「いいぞ、椿!その調子、その調子!ちゃんと前に進んでるじゃないか!」

隣で絶えず褒めてくれるので物凄く頑張れました!当日もこのままの体勢で歩きたいくらいです。……はい、嘘です。ミツ先輩には言わないで下さいね?


そんなこんなでミツ先輩のスパルタ特訓を受けた後、カイト先輩に文化祭の予算を相談しました。

「へぇ。レンタルhostとは考えたね。楽しそう!」
2年生の3人からも好印象を頂きました。

エイト先輩やミツ先輩も休憩スペースに集まり、どんな感じに作りたいのか等、話し合っていると、エイト先輩が突然何かを思い出したように声を上げました。

「そうだ!親父の知り合いにホストクラブを経営してる人が居たな!!連絡取ってやろうか?」

「良いんですか⁉︎嬉しいです!!」

エイト先輩は直ぐにお父さんに電話をかけ、しばらく話しました。
電話を切った後、僕達を見て
「椿、来夢、めちゃくちゃタイミング良かったな!店を改装するらしくて、使わなくなった家具を貸してもらえるか、聞いてくれるってよ!」

「「本当ですか⁉︎⁉︎ありがとうございます!!」」

これは1年生全員、大喜び間違いなしです!!

寮に戻ったら直ぐに都華咲達に報告しないと!!



あ……都華咲……。土曜日は3日後。
それまでに何としても歩けるようにならないと。
ミツ先輩にお願いして、高下駄を寮に持ち帰りました。寝る前と朝にも練習しないと、本当に帰れなくなりそうです。
でも僕は成し遂げてみせますよ!!都華咲、待ってて下さいね!!
早く、2人きりになりたいです……。



.₊̣̇.ෆ˟̑*̑˚̑*̑˟̑ෆ.₊̣̇.ෆ˟̑*̑˚̑*̑˟̑ෆ.₊̣̇.ෆ˟̑*̑˚̑*̑˟̑ෆ.₊̣̇.ෆ˟̑*̑˚̑*̑˟̑ෆ.₊̣̇

大切なお時間を頂き、ありがとうございます。
お気に入り登録、しおり等、投稿の励みになっています!

次回もどうぞ宜しくお願いします。
しおりを挟む
感想 68

あなたにおすすめの小説

学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語

紅林
BL
『桜田門学院高等学校』 日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する幼少中高大院までの一貫校だ。しかし学校の規模に見合わず生徒数は一学年300人程の少人数の学院で、他とは少し違う校風の学院でもある。 そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語

【完結済】俺のモノだと言わない彼氏

竹柏凪紗
BL
「俺と付き合ってみねぇ?…まぁ、俺、彼氏いるけど」彼女に罵倒されフラれるのを寮部屋が隣のイケメン&遊び人・水島大和に目撃されてしまう。それだけでもショックなのに壁ドン状態で付き合ってみないかと迫られてしまった東山和馬。「ははは。いいねぇ。お前と付き合ったら、教室中の女子に刺されそう」と軽く受け流した。…つもりだったのに、翌日からグイグイと迫られるうえ束縛まではじまってしまい──?! ■青春BLに限定した「第1回青春×BL小説カップ」最終21位まで残ることができ感謝しかありません。応援してくださった皆様、本当にありがとうございました。

モテる兄貴を持つと……(三人称改訂版)

夏目碧央
BL
 兄、海斗(かいと)と同じ高校に入学した城崎岳斗(きのさきやまと)は、兄がモテるがゆえに様々な苦難に遭う。だが、カッコよくて優しい兄を実は自慢に思っている。兄は弟が大好きで、少々過保護気味。  ある日、岳斗は両親の血液型と自分の血液型がおかしい事に気づく。海斗は「覚えてないのか?」と驚いた様子。岳斗は何を忘れているのか?一体どんな秘密が?

そばにいられるだけで十分だから僕の気持ちに気付かないでいて

千環
BL
大学生の先輩×後輩。両片想い。 本編完結済みで、番外編をのんびり更新します。

僕の部下がかわいくて仕方ない

まつも☆きらら
BL
ある日悠太は上司のPCに自分の画像が大量に保存されているのを見つける。上司の田代は悪びれることなく悠太のことが好きだと告白。突然のことに戸惑う悠太だったが、田代以外にも悠太に想いを寄せる男たちが現れ始め、さらに悠太を戸惑わせることに。悠太が選ぶのは果たして誰なのか?

好きな人がカッコ良すぎて俺はそろそろ天に召されるかもしれない

豆ちよこ
BL
男子校に通う棚橋学斗にはとってもとっても気になる人がいた。同じクラスの葛西宏樹。 とにかく目を惹く葛西は超絶カッコいいんだ! 神様のご褒美か、はたまた気紛れかは知らないけど、隣同士の席になっちゃったからもう大変。ついつい気になってチラチラと見てしまう。 そんな学斗に、葛西もどうやら気付いているようで……。 □チャラ王子攻め □天然おとぼけ受け □ほのぼのスクールBL タイトル前に◆◇のマークが付いてるものは、飛ばし読みしても問題ありません。 ◆…葛西視点 ◇…てっちゃん視点 pixivで連載中の私のお気に入りCPを、アルファさんのフォントで読みたくてお引越しさせました。 所々修正と大幅な加筆を加えながら、少しづつ公開していこうと思います。転載…、というより筋書きが同じの、新しいお話になってしまったかも。支部はプロット、こちらが本編と捉えて頂けたら良いかと思います。

私の庇護欲を掻き立てるのです

まめ
BL
ぼんやりとした受けが、よく分からないうちに攻めに囲われていく話。

孤毒の解毒薬

紫月ゆえ
BL
友人なし、家族仲悪、自分の居場所に疑問を感じてる大学生が、同大学に在籍する真逆の陽キャ学生に出会い、彼の止まっていた時が動き始める―。 中学時代の出来事から人に心を閉ざしてしまい、常に一線をひくようになってしまった西条雪。そんな彼に話しかけてきたのは、いつも周りに人がいる人気者のような、いわゆる陽キャだ。雪とは一生交わることのない人だと思っていたが、彼はどこか違うような…。 不思議にももっと話してみたいと、あわよくば友達になってみたいと思うようになるのだが―。 【登場人物】 西条雪:ぼっち学生。人と関わることに抵抗を抱いている。無自覚だが、容姿はかなり整っている。 白銀奏斗:勉学、容姿、人望を兼ね備えた人気者。柔らかく穏やかな雰囲気をまとう。

処理中です...