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〜2学期編〜
3年生の本気を見せつけられたので、僕達も頑張らせて頂きます!
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詳細を説明すると、都華咲をはじめとするクラスメイトが呆然としました。
校庭に運ばれた大量の木材。それは……文化祭で3年生が出店する木造3階建てのアスレチックなのです!!
「アスレチックって……レンタル出来るんだ……」
「そうみたいです。エイト先輩やミツ先輩は内部推薦が決まってるのですが、やはりそうじゃない生徒もいるので……なるべく受験勉強の時間を確保しつつ、文化祭を成功させる為に行き着いた答えがコレだったそうです」
簡単に説明したものの……こんな工事を目の当たりにすると、秀麗のレベルの違いをヒシヒシと感じてしまいました。
「ここだけでなく、当日は3年A組に小さなお子様向けのエアーアトラクションも設置するらしいですよ」
「は⁉︎ちょっ待てよ!秀麗の文化祭の予算っていくらだよ⁉︎」
「予算はカイト先輩が仕切っているので、申請すれば相談に乗ってくれるとは思いますが……」
そこに遼ちゃんと紫音君が教室へ飛び込んできました。
「校庭、一体何事??」
もう一度説明すると、紫音君と共に、口をあんぐりと空けて固まってしまいました。
「おい!佐伯、このままじゃマズイぞ!1年も教室豪華しないと目立てないぜ⁉︎」
「確かに……」
考えが甘かったですね。看板と受付だけで大丈夫と思っていましたが……。もう一捻りアイデアが必要です。
合同体育で遼ちゃん達と同じ卓球にしたのは、結果的に正解でした。卓球場に向かいながらも、休憩中も、来夢君達を交えての緊急会議です。
結果、受付に使うA組の内装を本物のホストクラブのように飾ってはどうか。とか、紫音君の家に頼んで教室に花を飾って貰い、撮影スポットを作ってはどうか……等の案が出されました。
「よし、とにかく教室とは思えない空間を作ろうぜ!内装デザインは俺と佐伯で考える。椿と来夢は蘭先輩に予算の相談をしてくれ」
粗方の意見がまとまったところで都華咲が仕切ってくれました。
「うん!分かりました!なるべく沢山出してもらえるように交渉頑張りますね」
準備は忙しくなくて良いかも……なんて思っていましたが、大どんでん返しです。何としても成功させなければ!!
放課後、来夢君と共に生徒会室へ向かいました。今日も今日とて花魁道中の練習です。でも高さ18cmの下駄では歩くだけなら出来るようになり、今日から高さ24cmの下駄での練習が始まりました。
(18cmの下駄で歩けるようになったら、週末遊びに行って良いって言ってたのに……いつの間にか24cmに変わっていました。ミツ先輩の鬼ぃ!)
これでやっと来夢君と同じ身長……。
「こ………怖いです……」
慣れない高さにまた振り出しに戻ったよう……。再び足がガクガク震えました。
「椿、そんなんじゃ30cmの高下駄は履けないよ?」
「ミツ先輩……そうは言っても……床を踏みしめてる実感も持てないですよ……」
「椿、俺が支えるから安心しろ。絶対に守るから」
来夢君の力強い言葉に、少しずつ足を前に出しました。
「うわあああ……」
転ぶ想像ばかりが先走って恐怖心がぬけません。
「椿、とりあえず俺の腕にしがみつけ。少しずつ慣れれば良い」
「はい……分かりました」
来夢君の腕にしがみついて歩いてみると、さっきより安心して前進する事が出来ました。
「いいぞ、椿!その調子、その調子!ちゃんと前に進んでるじゃないか!」
隣で絶えず褒めてくれるので物凄く頑張れました!当日もこのままの体勢で歩きたいくらいです。……はい、嘘です。ミツ先輩には言わないで下さいね?
そんなこんなでミツ先輩のスパルタ特訓を受けた後、カイト先輩に文化祭の予算を相談しました。
「へぇ。レンタルhostとは考えたね。楽しそう!」
2年生の3人からも好印象を頂きました。
エイト先輩やミツ先輩も休憩スペースに集まり、どんな感じに作りたいのか等、話し合っていると、エイト先輩が突然何かを思い出したように声を上げました。
「そうだ!親父の知り合いにホストクラブを経営してる人が居たな!!連絡取ってやろうか?」
「良いんですか⁉︎嬉しいです!!」
エイト先輩は直ぐにお父さんに電話をかけ、しばらく話しました。
電話を切った後、僕達を見て
「椿、来夢、めちゃくちゃタイミング良かったな!店を改装するらしくて、使わなくなった家具を貸してもらえるか、聞いてくれるってよ!」
「「本当ですか⁉︎⁉︎ありがとうございます!!」」
これは1年生全員、大喜び間違いなしです!!
寮に戻ったら直ぐに都華咲達に報告しないと!!
あ……都華咲……。土曜日は3日後。
それまでに何としても歩けるようにならないと。
ミツ先輩にお願いして、高下駄を寮に持ち帰りました。寝る前と朝にも練習しないと、本当に帰れなくなりそうです。
でも僕は成し遂げてみせますよ!!都華咲、待ってて下さいね!!
早く、2人きりになりたいです……。
.₊̣̇.ෆ˟̑*̑˚̑*̑˟̑ෆ.₊̣̇.ෆ˟̑*̑˚̑*̑˟̑ෆ.₊̣̇.ෆ˟̑*̑˚̑*̑˟̑ෆ.₊̣̇.ෆ˟̑*̑˚̑*̑˟̑ෆ.₊̣̇
大切なお時間を頂き、ありがとうございます。
お気に入り登録、しおり等、投稿の励みになっています!
次回もどうぞ宜しくお願いします。
校庭に運ばれた大量の木材。それは……文化祭で3年生が出店する木造3階建てのアスレチックなのです!!
「アスレチックって……レンタル出来るんだ……」
「そうみたいです。エイト先輩やミツ先輩は内部推薦が決まってるのですが、やはりそうじゃない生徒もいるので……なるべく受験勉強の時間を確保しつつ、文化祭を成功させる為に行き着いた答えがコレだったそうです」
簡単に説明したものの……こんな工事を目の当たりにすると、秀麗のレベルの違いをヒシヒシと感じてしまいました。
「ここだけでなく、当日は3年A組に小さなお子様向けのエアーアトラクションも設置するらしいですよ」
「は⁉︎ちょっ待てよ!秀麗の文化祭の予算っていくらだよ⁉︎」
「予算はカイト先輩が仕切っているので、申請すれば相談に乗ってくれるとは思いますが……」
そこに遼ちゃんと紫音君が教室へ飛び込んできました。
「校庭、一体何事??」
もう一度説明すると、紫音君と共に、口をあんぐりと空けて固まってしまいました。
「おい!佐伯、このままじゃマズイぞ!1年も教室豪華しないと目立てないぜ⁉︎」
「確かに……」
考えが甘かったですね。看板と受付だけで大丈夫と思っていましたが……。もう一捻りアイデアが必要です。
合同体育で遼ちゃん達と同じ卓球にしたのは、結果的に正解でした。卓球場に向かいながらも、休憩中も、来夢君達を交えての緊急会議です。
結果、受付に使うA組の内装を本物のホストクラブのように飾ってはどうか。とか、紫音君の家に頼んで教室に花を飾って貰い、撮影スポットを作ってはどうか……等の案が出されました。
「よし、とにかく教室とは思えない空間を作ろうぜ!内装デザインは俺と佐伯で考える。椿と来夢は蘭先輩に予算の相談をしてくれ」
粗方の意見がまとまったところで都華咲が仕切ってくれました。
「うん!分かりました!なるべく沢山出してもらえるように交渉頑張りますね」
準備は忙しくなくて良いかも……なんて思っていましたが、大どんでん返しです。何としても成功させなければ!!
放課後、来夢君と共に生徒会室へ向かいました。今日も今日とて花魁道中の練習です。でも高さ18cmの下駄では歩くだけなら出来るようになり、今日から高さ24cmの下駄での練習が始まりました。
(18cmの下駄で歩けるようになったら、週末遊びに行って良いって言ってたのに……いつの間にか24cmに変わっていました。ミツ先輩の鬼ぃ!)
これでやっと来夢君と同じ身長……。
「こ………怖いです……」
慣れない高さにまた振り出しに戻ったよう……。再び足がガクガク震えました。
「椿、そんなんじゃ30cmの高下駄は履けないよ?」
「ミツ先輩……そうは言っても……床を踏みしめてる実感も持てないですよ……」
「椿、俺が支えるから安心しろ。絶対に守るから」
来夢君の力強い言葉に、少しずつ足を前に出しました。
「うわあああ……」
転ぶ想像ばかりが先走って恐怖心がぬけません。
「椿、とりあえず俺の腕にしがみつけ。少しずつ慣れれば良い」
「はい……分かりました」
来夢君の腕にしがみついて歩いてみると、さっきより安心して前進する事が出来ました。
「いいぞ、椿!その調子、その調子!ちゃんと前に進んでるじゃないか!」
隣で絶えず褒めてくれるので物凄く頑張れました!当日もこのままの体勢で歩きたいくらいです。……はい、嘘です。ミツ先輩には言わないで下さいね?
そんなこんなでミツ先輩のスパルタ特訓を受けた後、カイト先輩に文化祭の予算を相談しました。
「へぇ。レンタルhostとは考えたね。楽しそう!」
2年生の3人からも好印象を頂きました。
エイト先輩やミツ先輩も休憩スペースに集まり、どんな感じに作りたいのか等、話し合っていると、エイト先輩が突然何かを思い出したように声を上げました。
「そうだ!親父の知り合いにホストクラブを経営してる人が居たな!!連絡取ってやろうか?」
「良いんですか⁉︎嬉しいです!!」
エイト先輩は直ぐにお父さんに電話をかけ、しばらく話しました。
電話を切った後、僕達を見て
「椿、来夢、めちゃくちゃタイミング良かったな!店を改装するらしくて、使わなくなった家具を貸してもらえるか、聞いてくれるってよ!」
「「本当ですか⁉︎⁉︎ありがとうございます!!」」
これは1年生全員、大喜び間違いなしです!!
寮に戻ったら直ぐに都華咲達に報告しないと!!
あ……都華咲……。土曜日は3日後。
それまでに何としても歩けるようにならないと。
ミツ先輩にお願いして、高下駄を寮に持ち帰りました。寝る前と朝にも練習しないと、本当に帰れなくなりそうです。
でも僕は成し遂げてみせますよ!!都華咲、待ってて下さいね!!
早く、2人きりになりたいです……。
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