2 / 2
第弐章
しおりを挟む
僕には幼馴染がいた。夜星という内気な女の子だったが、笑顔がとても素敵な女の子でもあった。
でも…
今はもう彼女はいない。
夜星が死んだあの日。僕は夜星が持っていた目について、調べていた。目について知っているおじいさんがいるという情報を得た僕はその人の家まで行き、話を聞いた。
「私は元警察官でね。相棒が“Cat eyes”になったんだ。彼はその目のおかげでいろんな人を助けたよ、けれど助けた中の一人が殺人事件を起こしたんだ。彼は自分が助けてしまったせいで罪のない人が死んでしまったと精神的に大きなストレスを受けてしまった。彼は家で目を刺し首を吊って死んだ。私は今も後悔している彼を1人にするべきではなかったと。君も夜星さんを1人にしてはいけないよ。“Cat eyes”を持った者はいずれ自殺する。」
僕はその話を聞き夜星に電話をかけようとした。しかし、家に携帯を忘れてしまったようだった。早急に家に帰った。携帯には夜星からの着信があった。折り返し連絡をしたが、彼女は応えてくれなかった。
夜星のお母さんから連絡がきた。それは、夜星が死んだという話だった。お母さんの声は震えていた。
4年後、 大人になっても僕は夜星の命日には、毎年ある夢を見る。
夜星の家の屋上。見慣れた景色。そして屋上の端にいるケータイを持ったままの夜星。
「ねぇ星翔?」
夜星の声。いつも僕に勇気や希望をくれた声。
「どうして、あの時電話に出てくれなかったの?」
えっ?それは… あれっ僕、声が出ない?
「答えてくれないんだね。」
「星翔…
さようなら。」
彼女に僕は手を伸ばす。けれど僕の手は夜星には届かない。
またあの夢、いつも同じ夢なはずなのに。僕の手は、夜星には届かない。
あれから幾つもの年が過ぎ、あれから幾つの星が煌めいたのだろう。僕にはもう暗闇しか見えない。
でも…
今はもう彼女はいない。
夜星が死んだあの日。僕は夜星が持っていた目について、調べていた。目について知っているおじいさんがいるという情報を得た僕はその人の家まで行き、話を聞いた。
「私は元警察官でね。相棒が“Cat eyes”になったんだ。彼はその目のおかげでいろんな人を助けたよ、けれど助けた中の一人が殺人事件を起こしたんだ。彼は自分が助けてしまったせいで罪のない人が死んでしまったと精神的に大きなストレスを受けてしまった。彼は家で目を刺し首を吊って死んだ。私は今も後悔している彼を1人にするべきではなかったと。君も夜星さんを1人にしてはいけないよ。“Cat eyes”を持った者はいずれ自殺する。」
僕はその話を聞き夜星に電話をかけようとした。しかし、家に携帯を忘れてしまったようだった。早急に家に帰った。携帯には夜星からの着信があった。折り返し連絡をしたが、彼女は応えてくれなかった。
夜星のお母さんから連絡がきた。それは、夜星が死んだという話だった。お母さんの声は震えていた。
4年後、 大人になっても僕は夜星の命日には、毎年ある夢を見る。
夜星の家の屋上。見慣れた景色。そして屋上の端にいるケータイを持ったままの夜星。
「ねぇ星翔?」
夜星の声。いつも僕に勇気や希望をくれた声。
「どうして、あの時電話に出てくれなかったの?」
えっ?それは… あれっ僕、声が出ない?
「答えてくれないんだね。」
「星翔…
さようなら。」
彼女に僕は手を伸ばす。けれど僕の手は夜星には届かない。
またあの夢、いつも同じ夢なはずなのに。僕の手は、夜星には届かない。
あれから幾つもの年が過ぎ、あれから幾つの星が煌めいたのだろう。僕にはもう暗闇しか見えない。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
私に告白してきたはずの先輩が、私の友人とキスをしてました。黙って退散して食事をしていたら、ハイスペックなイケメン彼氏ができちゃったのですが。
石河 翠
恋愛
飲み会の最中に席を立った主人公。化粧室に向かった彼女は、自分に告白してきた先輩と自分の友人がキスをしている現場を目撃する。
自分への告白は、何だったのか。あまりの出来事に衝撃を受けた彼女は、そのまま行きつけの喫茶店に退散する。
そこでやけ食いをする予定が、美味しいものに満足してご機嫌に。ちょっとしてネタとして先ほどのできごとを話したところ、ずっと片想いをしていた相手に押し倒されて……。
好きなひとは高嶺の花だからと諦めつつそばにいたい主人公と、アピールし過ぎているせいで冗談だと思われている愛が重たいヒーローの恋物語。
この作品は、小説家になろう及びエブリスタでも投稿しております。
扉絵は、写真ACよりチョコラテさまの作品をお借りしております。
私のドレスを奪った異母妹に、もう大事なものは奪わせない
文野多咲
恋愛
優月(ゆづき)が自宅屋敷に帰ると、異母妹が優月のウェディングドレスを試着していた。その日縫い上がったばかりで、優月もまだ袖を通していなかった。
使用人たちが「まるで、異母妹のためにあつらえたドレスのよう」と褒め称えており、優月の婚約者まで「異母妹の方が似合う」と褒めている。
優月が異母妹に「どうして勝手に着たの?」と訊けば「ちょっと着てみただけよ」と言う。
婚約者は「異母妹なんだから、ちょっとくらいいじゃないか」と言う。
「ちょっとじゃないわ。私はドレスを盗られたも同じよ!」と言えば、父の後妻は「悪気があったわけじゃないのに、心が狭い」と優月の頬をぶった。
優月は父親に婚約解消を願い出た。婚約者は父親が決めた相手で、優月にはもう彼を信頼できない。
父親に事情を説明すると、「大げさだなあ」と取り合わず、「優月は異母妹に嫉妬しているだけだ、婚約者には異母妹を褒めないように言っておく」と言われる。
嫉妬じゃないのに、どうしてわかってくれないの?
優月は父親をも信頼できなくなる。
婚約者は優月を手に入れるために、優月を襲おうとした。絶体絶命の優月の前に現れたのは、叔父だった。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる