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第五話 朱咲の再来
第五話 三
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同月下旬に差し掛かると、いよいよあかりも任務を担えるようになった。任務は捕えられたあの日以来、実に二年ぶりだ。
この日は玄舞家の屋敷の裏側にそびえる北玄山で、対象である陰の国の式神を捕獲するというものだった。
最終確認をしながら、四人揃って山中を進む。
「捕獲対象は犬の式神。できるだけ怪我は負わせないようにしたいところだけど、戦況次第だね」
「ってことは反閇より遠当法の方がいいかもね」
「そうだね。ゆづくんにはあかりちゃんの側で援護を、秋くんには臨機応変に動くのをお願いしたいな」
昴の指示に三人は賛意を示した。
山中深く分け入ると、異様な気配を感じた。あかりたちは足を止め、音を立てずに気を集中させる。気配の正体に見当をつけると、視線をかわして頷きあった。
昴が刀印を構え、息を吸い込んだ。それと同時に、あかりたちも木陰から飛び出す。虎姿の秋之介は先頭に躍り出ると敵の注意を引き付けた。
「青柳、白古、朱咲、玄舞、空陳、南寿、北斗、三体、玉女」
昴が九字を切りながら禹歩を踏み終えると結界が張られた。その間にあかりは霊剣を顕現させ遠当法の祝詞を唱え、舞い始める。結月はあかりの傍らでいくつかの霊符を発動させていた。
この日は玄舞家の屋敷の裏側にそびえる北玄山で、対象である陰の国の式神を捕獲するというものだった。
最終確認をしながら、四人揃って山中を進む。
「捕獲対象は犬の式神。できるだけ怪我は負わせないようにしたいところだけど、戦況次第だね」
「ってことは反閇より遠当法の方がいいかもね」
「そうだね。ゆづくんにはあかりちゃんの側で援護を、秋くんには臨機応変に動くのをお願いしたいな」
昴の指示に三人は賛意を示した。
山中深く分け入ると、異様な気配を感じた。あかりたちは足を止め、音を立てずに気を集中させる。気配の正体に見当をつけると、視線をかわして頷きあった。
昴が刀印を構え、息を吸い込んだ。それと同時に、あかりたちも木陰から飛び出す。虎姿の秋之介は先頭に躍り出ると敵の注意を引き付けた。
「青柳、白古、朱咲、玄舞、空陳、南寿、北斗、三体、玉女」
昴が九字を切りながら禹歩を踏み終えると結界が張られた。その間にあかりは霊剣を顕現させ遠当法の祝詞を唱え、舞い始める。結月はあかりの傍らでいくつかの霊符を発動させていた。
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