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第五話 朱咲の再来
第五話 五
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赤い閃光の後、式神は遠当法により気絶して、ぴくりとも動かなくなったが、呼吸はしっかり目視で確認できた。
「良かった、怪我してない」
式神に手を当てていた結月は安心したように呟いた。昴は式神を小さな結界に閉じ込めると、三人を振り返った。
「みんなは怪我してない?」
「いった……!」
霊剣を消すより先に掌に痛みが走って、あかりは剣を取り落とした。しかし、霊剣には実体がないので下草に触れたとたん音もなく霧散してしまう。赤い霧に覆われる掌を見つめ、あかりは目を瞠った。
「なにこれ?」
昴が素早くあかりの腕を取った。
「火傷みたいだね。心当たりは?」
「ううん。気が抜けたせいか、今気づいたくらいで……」
「物理的な怪我というより霊障に近いね。……朱咲様か……?」
最後の声は小さすぎて聞き取れなかったが、あかりにもなんとなく予想はついた。それは背後に控える結月と秋之介も同様だった。ともかく昴に邪気払いをしてもらったことで痛みは軽減した。
「ありがとう、昴」
「どういたしまして。他に怪我はない?」
「うん」
昴は結月と秋之介にも同じように尋ねたが、二人は首を振った。
「とりあえず今日の任務はこれで完了したし、帰ろうか」
来た道を下り、あかりたちは市街地の方向へ戻っていった。
「良かった、怪我してない」
式神に手を当てていた結月は安心したように呟いた。昴は式神を小さな結界に閉じ込めると、三人を振り返った。
「みんなは怪我してない?」
「いった……!」
霊剣を消すより先に掌に痛みが走って、あかりは剣を取り落とした。しかし、霊剣には実体がないので下草に触れたとたん音もなく霧散してしまう。赤い霧に覆われる掌を見つめ、あかりは目を瞠った。
「なにこれ?」
昴が素早くあかりの腕を取った。
「火傷みたいだね。心当たりは?」
「ううん。気が抜けたせいか、今気づいたくらいで……」
「物理的な怪我というより霊障に近いね。……朱咲様か……?」
最後の声は小さすぎて聞き取れなかったが、あかりにもなんとなく予想はついた。それは背後に控える結月と秋之介も同様だった。ともかく昴に邪気払いをしてもらったことで痛みは軽減した。
「ありがとう、昴」
「どういたしまして。他に怪我はない?」
「うん」
昴は結月と秋之介にも同じように尋ねたが、二人は首を振った。
「とりあえず今日の任務はこれで完了したし、帰ろうか」
来た道を下り、あかりたちは市街地の方向へ戻っていった。
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