【本編完結】朱咲舞う

南 鈴紀

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第五話 朱咲の再来

第五話 七

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 そして翌日。任務三日目のことである。この日の任務もまた、対象の式神を傷つけることなく捕獲するというものだった。
 一昨日の掌の火傷は昴の見立て通り霊障だったらしく、彼の治療によって痛みも傷跡もほとんどない状態にまで回復していた。
 ほぼ全快の調子で臨んだ任務は、予想ではそこまで手間を取るようなものではないはずだったが、当てが外れた。
「あかり、ゆづ!」
「身上護神、急々如律令……!」
「っ、はあっ!」
 捕獲対象は一体のみという前情報は間違っていたらしく、十数体におよぶ式神に囲まれる事態となっていた。
「青柳、白古、朱咲、玄舞、空陳、南寿、北斗、三体、玉女」
 昴は結界を張り直すと、苛立ちを含んだため息を吐いた。
「次から次へときりがないね」
「もう少し向こうに隙ができれば遠当法が使えるんだけど」
 霊剣を構えながら、あかりは後方にいる昴に視線だけを送った。あかりの側で、結月と秋之介も顔をしかめる。
「場所も、悪い」
「だよな。こんな木立じゃ小回りが利かない俺らの方が不利だ」
 かといって攻撃をかわしながら開けた場所に誘導するのも骨が折れそうだ。運の悪いことに、今回の式神のある一体は利口で理性的な方だった。むやみやたらにあかりたちを襲おうとはせず、仲間を統率しては、あくまで戦略的に攻撃を仕掛けてくる。
「頭さえ叩ければいいんだけど……」
 昴たちが話す間、敵は不気味なくらい静かに彼らを睨むだけだった。
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