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第二一話 祈りの言霊
第二一話 五
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しばらくすると春朝と香澄を連れて秋之介が戻って来た。
香澄は結月の側に膝をつき、小さくなった息子をぎゅっと抱き寄せた。春朝はそんな香澄の肩に手を置き、結月のことを凪いだ眼差しで見つめていた。
「父様、母様。無事で、本当に良かった……」
「結月こそ。なかなか目が覚めないから、とても心配していたのよ。……良かったわ……」
香澄の声はささやき程度に小さなものだったが、あかりにはその声が震えているように聞こえた。きっとものすごく心配し、同じくらいに安堵しているのだろう。
言葉を継げない香澄に代わって、今度は春朝が話し出した。
「ありがとう、結月。結月のおかげで私達も東の地も守られたよ」
「……うん……」
「だけれどね、自分の身も大切にしなくてはならないよ。いくら御上様や昴くんが大丈夫と言っていても、心配であることに変わりはないのだから」
「……はい」
穏やかな口調ながらも結月を諭す春朝はすっかり父親の顔をしている。香澄同様、春朝もまた結月のことを心底から心配していたのだということがありありとうかがえた。
あかりは結月たち家族の様子を少し離れたところから見守っていた。羨ましいという気持ちも少なからずあったが、それ以上に彼らが一緒にいられることに歓喜してもいた。
昴も同じように思ったのだろう。「良かったよね」とあかりと秋之介にだけ聞こえる声量でささやいた。
「うん。一緒にいられるならそれが一番だよ」
「そうだな。それに春朝様と香澄様は俺たちにとっても親みたいなものだしな。ゆづも含めて無事で良かったぜ」
三人は頷き合うと、視線を結月たちに戻した。
そこにはささやかな、けれども確かに幸せな光景が広がっているのだった。
香澄は結月の側に膝をつき、小さくなった息子をぎゅっと抱き寄せた。春朝はそんな香澄の肩に手を置き、結月のことを凪いだ眼差しで見つめていた。
「父様、母様。無事で、本当に良かった……」
「結月こそ。なかなか目が覚めないから、とても心配していたのよ。……良かったわ……」
香澄の声はささやき程度に小さなものだったが、あかりにはその声が震えているように聞こえた。きっとものすごく心配し、同じくらいに安堵しているのだろう。
言葉を継げない香澄に代わって、今度は春朝が話し出した。
「ありがとう、結月。結月のおかげで私達も東の地も守られたよ」
「……うん……」
「だけれどね、自分の身も大切にしなくてはならないよ。いくら御上様や昴くんが大丈夫と言っていても、心配であることに変わりはないのだから」
「……はい」
穏やかな口調ながらも結月を諭す春朝はすっかり父親の顔をしている。香澄同様、春朝もまた結月のことを心底から心配していたのだということがありありとうかがえた。
あかりは結月たち家族の様子を少し離れたところから見守っていた。羨ましいという気持ちも少なからずあったが、それ以上に彼らが一緒にいられることに歓喜してもいた。
昴も同じように思ったのだろう。「良かったよね」とあかりと秋之介にだけ聞こえる声量でささやいた。
「うん。一緒にいられるならそれが一番だよ」
「そうだな。それに春朝様と香澄様は俺たちにとっても親みたいなものだしな。ゆづも含めて無事で良かったぜ」
三人は頷き合うと、視線を結月たちに戻した。
そこにはささやかな、けれども確かに幸せな光景が広がっているのだった。
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